タグ： 沼男は誰だ？

⼈間の有富　綾香はとても淑やか、上品で気品のある⼥性で、よく夫を⽀えた。料理が得意で、 紅茶を淹れるのが趣味。 １年前、不慮の交通事故で命を落としてしまった。享年25歳。 その後、狂気に陥った有富柊馬がスワンプマンを利⽤して藍美を復活させようと試みるが、 最初の⼀体⽬は惨憺たる結果だった。 記憶がどうのこうのの前に、そもそも⼈の形をしておらず臙脂⾊の⾁の塊だった。 柊馬はあまりのショックでしばらく寝込む有様で、この⾁塊は内藤に押し付けられた。 内藤は彼の知的好奇⼼と⽬的達成の為にしばらくこの⾁塊を観察、実験対象として様々な実験 を⾏う。 ひとしきりのデータの観測を終えたところで⼭に破棄した。 記憶がほとんどなくても、柊馬への純粋な思いは⽇に⽇に増していった。執念とも呼べるそ れはやがて奇跡を起こす。 なんと⾃⼒で綾香と⼨分たがわぬ姿になったのだ。綾香の死後⼤分時間経過した遺体を元にし て出来た完全な失敗作スワンプマンであったのに、 通常のスワンプマン同様に捕⾷したものとそっくりの外⾒になったのだ。しかし記憶だけはほ とんど定着しなかった。 彼⼥はいわば「進化したスワンプマン」で、通常のスワンプマンと異なる点がいくつもある。まず、⾃分がスワンプマンであることを⾃覚している。⾁塊であった⾃分の姿を知っているか らかもしれない。 ２つ⽬に、⾃覚的が故にスワンプマン(＝ショゴス)の⼒の⼀旦を⾃分の意志で使うことが出来 る。⾃分の腕を瞬時に臙脂⾊の⾁塊にして、とてつもないパワーを意のままに出来るのだ。 ３つ⽬に、スワンプマンの⺟体による電波の影響を受けない。これは死後かなりの時間が経過 した遺体を捕⾷した結果のエラーとも⾒ることは出来るか、⺟体が捕⾷指⽰の電波を流して も、それに従わないという選択が取れる。 ４つ⽬、⾃分がスワンプマンという⾃覚があって、電波の影響を受けない為に捕⾷を⾃⼰コン トロールできる。なので綾香と２⼈きりになっても探索者はスワンプマンにならない。

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