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律せよ。律せよ。律せよ。 己を縛る呪いのように。否、それはまさしく意志を縛り付ける鎖のように。 ぐるぐる、ぐるぐると呪詛は頭の中を駆け巡る。 そう在れと望まれたのならば、僕はそう在らなければならない。 それこそが僕の存在意義で、それだけが僕の存在意義だった。 ――本当に？ ……そう。そのはずだ。 だからこそ、僕は周囲の望みに合うように行動してきたはずなんだ。 厳格に。それでいて穏当に。 規律を守る模範となり、他者を縛り付ける鎖にならないように。 けれど、けれど…… 「うおぉぉぉー！！　ヴィーナスちゃーん！　今日もかわいいぞー！！」 「こっち向いてくれー！！　キュートな笑顔見せてくれー！！」 流石にそれは望まれても困る…… たしかにこう、僕は小柄ではあるけれど。 筋骨隆々って感じではないけれども……！ それは、その。男に対して向ける感情としてはおかしいのでは？ 「あの、皆さん落ち着いてくだｓ……かわいい上に付いてるからお得ってどういう意味ですか？？？」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― Name:高野　琴　Code:女神の申し子[High Venus] 一人称：僕 他人称：敬称 口調：ですます調 性質：温厚 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。 そのうえ付いているので非常にお得。 女神の申し子、若くしてUGNの支部を任せられるほどに有能な〝彼〟をよく表していると言われるのが 上記の怪文章となる。 何がどうすれば女性に対する慣用句が男性に向けられ、かつ謎の文言が付属されるのかと疑問に思うことだろう。 しかし、実際に女神の申し子に対面すれば、なるほどと納得することもできる。 男性にしては線の細い体に、整った容姿。そしてまとめてなお腰まで届く艶やかな長髪と ひと目で彼を男性と見抜くのはそれなりの困難を極める。 彼本人からしてみればそんなつもりは毛頭ないらしく、確かに意図的に女性らしく振る舞っている様子もない。 とはいえ、その容姿に加え強く否定せずに曖昧に微笑む様を見ると、誤解や願望が加速していくのも無理からぬ事だろう。 いわゆる無自覚系男の娘というものらしい。 付いているからお得かどうかは、この場では何とも言えないが。 とはいえ、彼がUGN支部長にまで上り詰めたのはその容姿が原因ではない。 否、マスコット的価値を評価された側面もあるかもしれないが、その実力は本物である。 直接的な戦闘能力はないものの、その戦略眼に状況把握能力。情報収集能力は一線級のものだ。 押しが強い性格ではないものの、そこそこに癖の強い支部所属のエージェントたちをまとめ上げていることからも 支部長としての手腕の高さが挙げられる。 あとは、少しだけ。ほんの少しだけ、男らしく生きてさえくれれば。 色々と手遅れになってしまうエージェントも減るのにと、そう思わずにはいられないが。

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