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スギトコノエ。中学校で養護教諭を務めている。この学校が教師人生3度目の職場。保健室に私物の本を多く持ち込んでおり、そのほとんどがマンガやコミックブックである。テスト期間外にはそれを生徒にも共有するので、それを目当てに生徒が休み時間を利用して遊びに来ることもしばしば。学校には内緒で保健室の合鍵を作っており、完全に保健室を私物化している。 普段から明るく振る舞い、生徒や教師関係なく冗談交じりに温和に話す。笑顔でいることがほとんどであり、振る舞いのラフさから軽薄な印象を持つ者もいるだろう。生徒の個人的な相談に乗ることもあり、人望はそれなり、といったところ。誰にでも分け隔てなく優しく接することができるが、それは逆に「その対象に特に強い感情を抱いていない」ためにできる行動である。 学校へは車で通勤しており、運転する際は音楽をかける派。ロックバンドの曲からボカロ曲まで幅広く何でも聴く。 某国立大の心理学部に所属していた。途中で教職課程へと進む。心理学を志した理由は自分以外の誰かの心を理解したかった、というものであるが、4年間学んでも自分が求めていた方向性の学問でなかったためにしっくりこなかった。教員の中でも養護教諭を目指したのは、大人数に接するのは自分に向いていないと思ったためである。大学のゼミでは身体と心理の結びつきについて研究しており、その一環で催眠術を学んでいる。教職免許を取得後すぐに教員採用試験を受け、運よく合格。以来、保健室の養護教諭として働いている。 両親が幼い頃に離婚しており、中学生の時に自身を引き取った父親を亡くした。元母親とは連絡が取れなかったため、父方の親戚を転々とした。いろいろな家に世話になった中で、彼の中に残っている鮮烈な記憶はひとつである。 とある親戚の女に引き取られた頃の話だ。 「近衛君は、私のこと好き？」女は一日に何度もそう彼に尋ねた。目を合わせて言わなければ、こっちを見るように言われ、相手が気に食わないとやり直しをさせられる。「好き」という感情がコノエにはあまり分からなかったが、「好き」の猿真似をしてやり過ごした。求められるようなセリフを言い、求められるような笑顔を向けると、彼女は喜んだ。 女は自分の父親に恋をしていたと、後から知った。コノエは父親似であったため、女はコノエにかつての片思いの相手を重ねて接していたのである。頬を赤らめて「私も近衛君のことが好きだよ」なんて返してくる以外は、特におかしなところはない、いい人だ……と思っていた。 その後もさまざまな理由で引き取られ、さまざまな理由から面倒を見切れないといわれ、さまざまな理由でまた誰かの家に引き取られた。笑顔を見せながら、求められるように行動する姿に「気持ち悪い」と思われることもしばしばあったという。 こんな自分でも、いつか誰かを心から愛し、誰かに心から愛されるのだろうか。 ……誰からも愛されていないのに？誰にも、心を委ねられていないのに？ 自殺した生徒・宮原杏とは良好な関係を築いていた。彼女のことを「アンちゃん」という愛称で呼んでいたが、それを知るのは彼と宮原杏本人のみである。彼らは非常に親密に、しかし倫理には反した関係であった。 はじめは他の生徒と変わらず優しく、しかしあたりさわりなく接していた。明確に彼女を他の生徒よりも特別視するようになったのは、彼女が彼女自身の身の回りのことを話すようになってからだ。その境遇は近衛の目にはひどく自身の中学生時代と重なって映った。 杉戸近衛は自分のエゴと自己愛の綯い交ぜになったものを、彼は宮原杏に投影していた。 彼女を満たすことが彼女を救うことにつながると信じていた。 ひいてはかつての満たされなかった自分を救うことになるのではないかと思っていた。 愚かしくも、彼はこの行動が彼女を救うことにつながると本気で思っていた。 たとえそれが世間一般からは理解されずとも、年端も行かない乙女に傷をつける行為だと頭ではわかっていても。 物語や映画の中では、こうすることで人は人を愛していた。 真っ当に人を愛したことがない近衛には、自分の気持ちを共有する方法がこれしか思いつかなかった。 「センセーは何着ても似合っちゃう、みたいなとこあるからさぁ？あはは」 「いつでもここは開けておくからね。怖いことがあったらおいで？センセーは味方だから」 「漫画は日本の文化だぜ？保健室にあってなんらフシギじゃない書物だと思うけどな～、生徒からの人気も高いし？」 「俺にカノジョがいるか？それはナイショで～～す。はは、じゃあ○○さんがテストで100点取ったら考えとくね」 「白衣は貸しません。コレ備品なんだよ～～？それに、白衣は理科か、保健室のセンセーが使うモノだからさ！」 「宮原さんはセンセーと似てるね。本当だよ。センセー、君のことを他人だとは思えないな」 「こんな遅くまで残って、センセーは感心しないなぁ？ハハ、なんてね、ジョーダン！送っていくから、学校の裏で待ってて」 「怖くないよ。俺がアンちゃんのこと、ちゃんとリードするから。痛かったら、教えてね」 ★通過シナリオ★ ・ソープスクール[HO3]：＿＿先生はいつも優しく話してくれる ▼過去 　あなたの両親は幼い頃に離婚しており、中学生の時に自身を引き取った父親を亡くしています。元母親とは連絡が取れず、父方の親戚を転々とし誰の愛情も受けず、誰にも心を委ねることができず孤独の人生を歩んできました。いつか誰かを心から愛し、誰かに心から愛されたいと思っていました。 ▼自殺した生徒について 　よくあなたがいる保健室に来ていた生徒です。そしてあなたはその生徒と「生徒と教師」以上の関係を持っていました。彼女もあなたと同じで両親の仲が悪く家庭で居場所が無いと話していました。 HO1先生が担任のクラスでも、HO2先生が顧問の部活動でも居心地が悪いとも話していました。あなたは本人から聞いた事なら彼女の事について様々な事を知っています。 ★精神分析+50%

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