タグ： 大正クトゥルフ

○口調 一人称…「俺」 二人称…「お前」 ○ 　文士。ある屋敷の使用人としてこき使われつつ、細々と小説家として活動をしている。書く小説は全て恋愛物。自分の理想の恋愛物語を書いているが、ほとんど売れていない。使用人としての仕事は好きではないが、逆らえないので渋々従っている。手先はそこそこ器用。 　自由奔放で図々しく、表情が豊か。立場上、保身術を身につけており、目上の者には逆らわず、同等の者には気安く接する。調子に乗りやすい性格から、よく余計な一言を言ってしまう。 　趣味は博打。暇に僅かな給金を手に、賭場へ向かう。その手先の器用さを活かしイカサマを仕掛けることもあるが、表情がわかりやすいため大抵は失敗している。逃げ足が速い。 　ある日賭場に向かう途中、変わった楽器の音に惹かれ、人垣の中ヴァイオリンを弾く蜘蛛に興味を持つ。最初は厳格そうな軍人の容姿に怖気付いて話すことはできなかったが、何度か足を運び、次第に話せるようになった。仕事場の愚痴や、賭け事に負けたことなど、自由に話している。ヴァイオリンについて「この弦どうなってんの？」「さっきの音外れてない？」などと一々口に出すが、彼の音楽を聴くことが好きで、休日の楽しみにしている。 　多くを語らない彼が、自分の話に耳を傾けた時の笑顔が見たいと思うようになり、恋慕を自覚する。自分の小説を一生懸命読んでくれることが嬉しく、更に筆が進んだ。 　最近の悩みは、元々普遍的な男女の恋愛小説を書いていたはずが、恋をしてから主人公の男に蜘蛛を重ねて書くようになってしまったこと。「こんなつもりでは……」と頭を抱えている。 ※以下↓　蝶の秘匿ネタバレあり　注意 　一年前、ごく普通の平家の息子として細々と小説家として過ごしていた。唯一の肉親である父親は家に金を残すことはなく、賭け事と女に遊び歩いていた。貧しく生活に困っていたところ、知人に荒久袮家の使用人の仕事を紹介され、特に深く考えず了承する。 　そして荒久袮家の真実を知り、逃亡を試みるも虚しく、蜘蛛神によって「織手のいとし子」となってしまう。月に一人喰わねばならない体に苦しみながらも、生きるために渋々捕食をしている。荒久袮家には逆らえない。 　蜘蛛に出会い恋慕を抱いてからは、彼を喰らいたいという衝動に悩まされている。「共に生きたい」という気持ちと「喰らい尽くして自分だけのものにしてしまいたい」という気持ちの間で揺らぐ。好きな彼のヴァイオリンの音を聴くと、不思議と気持ちが和らぐ。 ○当主 　自分の人生を変えた張本人。恨みより恐怖を抱いている。一刻も早く彼の元から離れたいが、恐ろしくて逆らえない。 ○荒久袮 袮々子 　得体が知れないため、自分からは絶対に近づかない。やはり逆らえない。 ○番頭 　同じ使用人として気さくに接している。仕事の休憩の間に話すことも多い。荒久袮家の中では信用できる人物。 ◎興味技能 ・回避……厄介ごとから逃れるため。逃げ足が速い。 ・聞き耳……蜘蛛のヴァイオリンを聴くため。 ・イカサマ……賭け事でよくイカサマをするため。

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