タグ： 無辜の葬

一人称：オレ　二人称：お前 趣味：写真を撮ること 　　　基本的には風景写真のみ。人物写真は弟しか撮らない。 　　　よく夜に家を出て星空の写真を撮りにいく。 友人関係は狭く深く。勉強は得意ではない。 子供の頃は両親が家にいないことが多かったため弟のために料理をしていた。 器用ではないのであまり上手くない。何なら弟の方が上手い。 八神家は、閉鎖的な地元で昔から力のある家である。 新年には近所の人たちが挨拶に家まで来たり、地元で何かするときはお伺いを立てに来るような。 周りの大人たちは八神家の子供である自分と弟に媚びを売り懐柔しようとしてくるし、 同年代の友人たちは親に言われて自分たちと仲良くしようとする。 綴にとって弟は唯一の味方であり、信頼できる友であり、守るべき存在である。 弟のことを世界で一番大切にしているし、守ってやりたいと思っている。……いた。 ある日、先生の都合でたまたま部活が休みになり、予定より随分早く家に帰った。 すると、家の一室からくぐもった声が聞こえた。 何かと思って見てみれば、弟が近所の大人たちの慰み者にされていた。 慌てて中に入って止めた。何をしているんだと怒鳴った。 大人たちは言う。「今更気づいたのか」と。「この町では昔からやっていることだ」と。 八神家は長男以外はこのような使い道しかないのだと。 感情を殺した瞳をした弟を連れて逃げ出した。 何故頼ってくれなかったのか、何故逃げ出さなかったのか、いつから行われていたのか。 聞きたいことは山ほどあったが何一つ言葉にできなかった。 弟がぽつりとこぼした「…もう、しにたい」という言葉に頷くことしかできなかった。 出会った場所：実家（助産師を家に呼んで弟を産んでいる） 思い入れの深い場所：家の裏山（八神家所有）に子供の頃二人でつくった秘密基地 最後に死んだ場所：最寄りの海（二人で手を繋いで沈んだ）

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