タグ： 海も枯れるまで

相馬聖（そうま　ひじり） ——この世に造花より綺麗な花は無いわ　何故ならば総ては嘘で出来ている 容姿端麗・成績優秀と、才色兼備であるにも関わらず、決して驕ったところのない完全無欠なご麗人。……を演じているひねくれ者の大学四年生。小学校から高校までは女子校に通っており、いわゆる女子校の王子様として絶対的な地位を築いていた。 人間のことを自分の都合のいいようにしか他人を捉えることができない生き物だと思っており、愛に振り回されている人間を愚かしく思っている。ので、自分に言い寄ってくる人間を等しく下に見ている。 自分でもこの性格に難があるということは早い段階で気がついていたので、誰にもその心中を明かさず孤独に生きてきたが、高校時代、自分の唯一の理解者となる江藤由依と出会う。聖の性格を見抜いたうえでそれらすべてを受け入れてくれた由依に、本当はぬくもりが欲しかった聖は次第に心を許すようになり、互いに唯一無二の存在となる。しかし高校を卒業して二年後、進路の違いのため疎遠になっていた由依から突然結婚式の案内状が届く。 自分になんの断りもなく由依が結婚したことによりひどく「裏切られた」と感じ、彼女に自分を見捨てたことを後悔させようと自殺を試みるようになった。 【海も枯れるまで　通過後】 江藤由依以外の人間を初めて心から信じられたことで、もう少しだけ生きてみてもいいかもしれないと考えてなんとか今日も生きている。結婚式にも……行くのかな。行くかもしれない。由依の幸せをちゃんと祝福できるといいな。それから少し、泣いてしまえたらいいな。

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