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彼には仲の良い妹がいた。しかし、ある日突然行方知らずとなった。 まだ幼かった彼には、妹を探す手段を多くは持ち合わせていなかった。 両親も捜索のために尽力していたようだが、妹が見つからなかったという結果を持って彼は両親が必死に探していなかったと感じた。 また今までと変わらぬ生活を家族が送れていたことも、彼の疑念に繋がった。それはせめて、残った子供に不自由をさせないようにといった両親の愛情だったのかもしれないが、未だ精神的に子供だった彼に伝わることはなかった。 かくして、彼は人を信頼できなくなっていった。 それからの彼は妹を探すことを目的として生きてきた。 刑事を目指したのは勿論その為であり、零課という特殊な部署に所属しているのも、水面下にしか出回らない情報を手に入れる為である。よって、望んで零課に入ったのか、理由があって飛ばされたのかは分からないが…彼は現在の立場に不満を持っていない。 また情報収集能力も磨いてはいるが、彼の本領は機械方面である。これは元々の素質と、機械弄りが趣味だったという点が影響している。身体的に優れていた訳ではないため、情報が多く入ってくるだろう上の立場、または特殊な立場に就くためには何か一芸が必要だろうと考えた彼は元々の素質を伸ばし、今やスペシャリストといって差支えのない技術と知識を身に着けている。 また、彼は基本的に他人を信用していない。これは同じ刑事だろうと、零課の同僚であろうと例外ではない。円滑にコミュニケーションを取るために表面上では仲良く振舞うが、物理的・精神的共にパーソナルスペースに人を入れることを良しとしない。特にPC3に対してはその色が強く、棘が表面に出ることもある。その理由についてはっきりと掴んではいないが、元々の性格からPC3のことがなんとなく気に入らないだけだろうとあまり気にしていない。 そんな彼だが、例外的な人物も一人だけいた。同僚の「相模原」に対しては何故か警戒心が薄かった。同じ零課の同僚として過ごしたのは結果的に1年間のみとなってしまった為、本人はあまり自覚していないが、少なくとも彼女の死を心から悲しむ程度には心を開いていたようだ。その理由については、妹の面影を同僚に重ねていたのではないかと思われるが、今となっては確かめようのないことである。 容姿的には中性的で細身。あと糸目(重要)。そのため変装も得意であり、男装のみならず女装でも違和感が少ない。が、意図的に女性に見せている時は良いのだが中性的な顔立ちがコンプレックスなため、そこをからかわれたり女性と間違われると不機嫌になる。掴みどころのない雰囲気を持っており、人によっては胡散臭い人物との印象を受けるかもしれない。実際腹に一物を抱えているタイプなのでその印象は間違ってないともいえる。

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