タグ： ジョン 花葬列車

天才外科医。目の下にはいつもクマがある。生死をさまようのが日常であった瑞樹を助けた。それ以来なぜか好かれ、自分自身「なんでこんな要領悪そうな老けた奴のことを...？」と思っている。彼女のおかげで雑学が増えた。 子供たちのためという表向きの理由のもと、好きだった人のお気に入りのあみぐるみを作っている。 自身も体が弱かったため、瑞樹と同じような感情を抱いていた。医師は使命感。 医師として、人を助けて患者を見るという行動動機はあるが、芯にある彼の形は『自分の自己満足ではない。自分のためではない。誰かのためとは違う、自分以外の誰ともわからぬ人とも違う一点に重きを置く』もの。そこで自分に一人称をつけない。 追われるも待たれるも勝手だと思っているし、患者も大切な人ではあるが一つのヒトであると理解している。そのため大事に一人一人の感情から全てを診て、そのときが来た時は悲しまず、非力を嘆かず、それを美化せず、ただ自分に貼り付ける。その「こと」があったのであると。 しかし、瑞樹に待たれ、自分が傷つけようとしたにも関わらずそれを追求しようとはしない、自分で完結させる彼女にまた惹かれてしまった。追われたくない。自分で追いたい。捕まりたくない。捕まえたい。悲しませたくない。それはもうさせてしまった。自分のしてしまったこと、愚かな感情、思うより脆かった心。それを刻み、彼女の全てを貼り付けた壁の下の刻まれたもの、その中に在る核に吸わせる。

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