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一の実存とその証明について　通過 ヒューマノイドの双子の片割れを作ろうとしている研究員。 医療系学校→生物学研究助手→工学研究員、という異色の経歴を持つが、本人は地味な容姿をしていて内向的である。 考えることは好き。 本人は三兄弟の次男だが、長男は医師免許を取り、三男は警官の試験に受かったのに。葎は平凡な大学を出てそのまま大学の研究助手に収まったしがない一研究員でしかなかった。植物研究をして、治験を行うだけの。 素直に努力した。 愚直に努力した。 一辺倒に努力した。 生まれた場所で、身近なもので、信頼できる人の元で。 自身一人での成果は一つとしてなかった。 葎自身でやりたいと挑戦したことがなかった。 「龍兄貴はまともに見えてクソだが、葎兄貴もそれで人生楽しいのか？」 婚約者がいるのだと報告に来て、指輪のカタログを見ながらそう尋ねる弟になにも返せないくらいに。 やりたいことが分からない。 誰かに教えてほしい。 そう、頭がよくて。 それでいて自分を理解する誰かに。 そうして、葎は工学への転向をし、研究員になった。 工学が自分に向いていることに、気づかないまま。 彼はヒューマノイドに対して、その愚直な努力を注ぎこんでいる。 以下ネタバレ 本当は、カナムグラ（鉄葎）が次男。葎が元ヒューマノイド、今は人間の器を得た。 ムグラ（葎）は、密生し藪をつくる草。荒地や湿地などに雑草として生える。 人が訪れず荒れ果てたさまを表すのにムグラの言葉が使われる。(wikiより)

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