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おがた・さつき ソ～プスク～ルHO3 ◆ 父親が亡くなった頃、しばらく保健室に通い、保健の先生といろいろな話をした。 少し暴れて物を壊しても、先生は叱らずに宥めて慰めてくれた。 中学校の頃の恩師と言えば、保健の先生だと思う。 先生のおかげで俯いた気持ちも少し晴れたし、自分も保険の先生になりたいと思った。 いろいろな気持ちを伝えないまま親戚の元を転々とし、転校も何度かあった。 高校はなんとか親戚に工面してもらい、アルバイトもして、寮通いをした。 でも、保健の先生のことを忘れたことはなかった。 保健の先生になりたかったから。 「養護教諭を目指したきっかけですか。学生時代とてもお世話になったから、ですね」 「児童たちの心のよりどころのひとつじゃないですか、保健室って。ね？」 「家庭にも学校にも居場所がないような人はいます」 ◆ 保健室の外ではあまり見かけない気がする。 いるとすれば保健室のベランダとか。基本的に保健室に常駐している。 授業中に校内を徘徊（衛生パトロール）している。 椅子に座っている姿がデフォ。 「身長があるので、立つと遠いんです。ほら、中学生ってまだまだ小さいでしょう」 ◆ 美影杏に対しては保護者のような感情を抱いており、二人きりのときには膝に乗せて抱きあやすような関係だった。 時には抱き上げて保健室のベッドに寝かせて、額や頭を撫でながら話をした。 いつだったか、いつものように衣服の上から抱きしめた時、早鐘のように脈打つ彼女の鼓動を感じたことがある。 彼女にとっては養護教諭ではなく大人の異性だったのだろうか。 愛したいし愛されたいけど、愛ってなんでしょうね。

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