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｢思っているとも、毎日毎日、死んだ方がマシだって｣ (それでも死ねないんだ。ぼくには未知が怖いから) キラキラしているものを見ると、自分が耐え難くおぞましいものに思えてしまって仕方がない。 早く呼吸を止めたいのに、目覚めるとそれを良かったと思う自分がいるんだ。 #5b7e91 *☼*―――――*☼*――――― 中学生の頃、家族4人で旅行に出かけた。 雨の中、レンタカーを借りて走った山道は、自分たち以外に人気が無かったことを覚えている。 母親の好きな曲が流れる車内、ズリズリと大きなものが動くような音がした。 車は一瞬のうちに土砂に飲み込まれた。 ガラスの割れる音、誰かの叫び声、冷たい雨の匂い、暗い暗い土の底。目を閉じれば鮮明に思い出すこの時のこの肌に感じる香りが、自分を自分たらしめているものなのかもしれない。 気がつけば1人、ベッドの上で光を見ていた。 代わる代わるやってくる友達や変わらない幼馴染、奴らは揃いも揃って自分を可哀想なものと扱って、その反応で｢自分の家族は死んだのだ｣と理解した。 悲しみはそこまで無かった。胸の奥の激情をどうにかして吐き出さないと死んでしまうと思った。 狂ったように書き出した文字の群れが賞を取り、悲嘆な運命を背負うホラー小説家の誕生とあらば、メディアは黙っちゃいない。話題が話題を呼び、印税はみるみるうちに通帳に0を足し、そして官の頭はバグってしまった。 自分の書いたものがそこまで良いとは思えない。ただ、人間は｢悲しいもの｣を摂取してそれと自らの境遇を比べて｢良かったな｣と悦に入りたいだけなのだ。 それが、コンビニのATMの前で無性に分かってしまって、頭が割れるように痛かった。 *☼*―――――*☼*――――― ベッドの上で目覚めるのは2度目だった。以前とは違い、失った意識の原因は、トびたくて異常にODしてしまった市販の頭痛薬だけれど。 ……奇しくも以前と同じように、幼馴染が自分の目を見ていたんだ。 くだらんままごとの如く笑顔を貼り付けた医者と、自分の力じゃ立ち上がることも出来ない大きなガキ。複雑に組まれた積み木のように、いずれ依存の関係を繰り返すことになる2人を見て、世界なんて案外こんなものかと目を閉じた。 *☼*―――――*☼*――――― 風邪/小林私 代表作 しじまの海 バットジャーニー・プリンス PN 黒稗 架空(かくう) 虚構の物語に感動できるほど、ぼくの頭はめでたくないんだけど。お前らには丁度いい塩梅らしいね。 *☼*―――――*☼*――――― 【旅館の捕食者】(2021-9-19) やっぱり世界なんて案外こんなものだろう。 人間なんて勝手にいなくなる生き物だ、やっぱりぼくはだれにも期待しないし期待ができない。 時計の針の音がうるさい部屋で、作った覚えのない味噌汁が湯気を立てている。 土の中にいるみたいな息苦しさの中、今日も胸の激情をペンに乗せて語るのだ。 激しい頭痛がまるでさっさと死んでくれと言っているみたいで、ぼくは薬の瓶を引っ掴んだ。 不定の狂気:フェティッシュ(6カ月) 毎日夢を見る。 あの時諦めたはずなのに、いつまでもぼくの心の中に入って来るんだ。 クソ喰らえ、とっとと死ね。 【自殺病棟】(2021-9-20) あの時あの場所で死んでおけば、こんなに苦しむこともなかったのに。 今日もぼくはぼくであり続けるために、激情を書きなぐる。 死にたくないなあ、やっぱりさ。 【ハッピーエンドは君が殺した】(2022-1-31) 全部が嘘なら良いなと思っていたんだけど。 僕の筆は、架空を創る為にあるのかもしれないね。 *☼*―――――*☼*――――― ｢見るよ。だからお前もぼくを見ろ｣ 忘れない為に、生きるために、僕は筆を握る。幸せになっていいなんて思っちゃいないけど、……少しは生きてみてもいいのだろうか。 *☼*―――――*☼*――――― 【幸福なコモリ】(2022-2-10) そう、僕にはまるで関係のない話。 ……エンディングには、相応しくはない人間だったかもしれないがね。 【執欲の檻】(2022-2-13) あんたらが僕らをどう見ようが僕の勝手でしょ。 *☼*―――――*☼*――――― ｢………………おせえよ……｣ あなたの傍がいいなんて言葉を、僕は望んでいたっていうのか？ *☼*―――――*☼*――――― 【桃源婬祠 】(2022-2-23) ｢ごめん、｣ 幸せになってもいいですか。 【クワイエット・ポムと優雅なる食卓】(2022-3-20) いつも見てるに決まってんでしょ。 【発情アンチノミー】(2022-4-28) 「おい……」 これは一体どういうことだ……？ 【ラストグラスsideB】(2022-5-1) ベランダへ出れば、傘も要らない程度の小雨が降っていた。紫煙を燻らせて遠くの街並みを眺める。 この世界はいつも、僕に変わらない景色を見せてくる。 「……お前から離れておいて懐かしいだなんて、大層立派になったじゃねぇか」 肺いっぱいに煙を吸い込めば、ツンと冷えたメンソールの香りが突き抜けてじわりと瞳に薄い涙の膜が張る。 そうだね、僕も。 お前のことを友達だと、思っているよ。 【透明白昼シクウィーラ】(2022-7-22) 今更僕の何もかもを見られたところで、ねえ。 【遺却の君へ】(2022-11-30) いつまでも不幸面してらんないわけ。 【NOISYNOTE】(2023-10-20) 「……、　　もっと、歌え……止めるな……」 久々に地獄見たけど、何とかなるもんだ。 ■後遺症「ノイジィノウト」 あなた達はお互いといない間、ふとした瞬間に騒音に悩まされることとなる。うろたえるほどうるさいわけではないが、回避する方法を知ってもいるだろう。 1カ月 【辿る四十の九】(2023-10-25) なんで持ってたんだろ…

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