タグ： きなりろ

　瞼を閉じると満面の星空。真っ黒のキャンバスにキラキラとした星々。点と点をつなげば浮かび上がる物語。沈むことを知らない北極星を中心に、東から西へとストーリーが紡がれる。感嘆して憧れて、そんな夢を描いていた記憶がある。完成させることはきっと、できなかったけれど。瞼を開けるとあのキラキラはもう見えない。私の夢は今見えるあの空みたく真っ黒に塗りつぶされてしまったのだろう。どうしてかは知らない。知りたくない。でも知らないと私はあの夢を、また描くことはできない。 　目が覚めたらよく分からない廃墟に居て、私と同じ境遇っぽいお姉さん（？）が2人いた。1人は頭を抱えたお姉さん。抱えたものに依存している気がして少し心配。もう1人は似た記憶を抱えている気がするお姉さん。友情――というには烏滸がましい気がするけれど、親近感がとてもわく。 　戦いは怖いけれど、【円舞曲】と思えば、少しは立ち向かおうって思える。動くはずのない【しんぞう】がステップを教えてくれる。開幕の合図に【火炎ビン】をばらまきましょう。壁の華になっている連れないお方は【ワイヤーリール】で引っ張り出して。【エンバーミング】が施された私はまるで【お姫様】みたいにふるまうの。だけど【リミッター】が外れれば【捕食者】でいることもあるでしょう。一所に【愛撫】すれば貴方も身を震わせてしまうのかしら。

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