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旅館の捕食者、HO2 ホラー作家の43歳。 ３人兄弟の末っ子として生まれる。兄が二人いる。実家は酒屋。 幼少期からなんでも卒なくこなす兄2人に劣等感を抱き塞ぎ込みがちな性格になる。 両親もできる兄達ばかり可愛がり、あまり愛情を注がれずに育つ。 そんな自分の面倒をよく見てくれたのは祖母の久栄(ひさえ)であった。祖母は本が好きな人でその影響で信人も本を読むようになった。 祖母の本棚にはさまざまなジャンルの本が置かれていた。ミステリー、SF、恋愛などなど。友達のいなかった信人は祖母の部屋に籠り読書漬けの日々を過ごす。ある日祖母の本棚の一番下の段の隅にある一冊の本を見つける。これが信人とホラー小説の出会いであった。 読んだ時あまりの恐怖に小便を漏らした。 文字だけで臨場感や恐怖を表現しているホラー小説に強く惹かれ、好んで読むようになった。 祖母はホラー小説がそんなに好きではなかったが信人が本をねだると必ず買ってくれた。 そんな祖母も信人が小学4年生の時に亡くなる。連日泣きじゃくる信人を疎ましく思った母に押し入れへ閉じ込められる。 暗所へ押し込められしばらくは恐怖で泣いていたが外界と閉ざされたそこが次第に落ち着く場所になっていることに気づく。 「信人ちゃん、大丈夫。大丈夫よぉ」 祖母の声だ。顔を上げると亡くなったはずの祖母が膝枕をしながら頭を撫でてくれていた。 それは霊なのか、信人が作り出したイマジナリーフレンドかは分からないが祖母に会える場所として信人は殆どの時間を押し入れで過ごすようになる。 小中殆どの時間を読書に費やし、友人もろくに作らなかった。高校生になるとその気怠げな印象が女子からは大人びて見えたのだろう、モテ始める。 童貞食いで有名な先輩に図書室で童貞を奪われる。高校1年の夏であった。 それまで誰かに必要とされる事がなかったため自分が必要とされなおかつ気持ちが良いセックスのよさに気づきのめり込む。 ここから来るもの拒まずになっていく。 長男は実家を継ぎ、次男は広告代理店の社長。兄2人は経営の才能があったが自分にはその才がないと早くに悟り好きだった文学の道へ進む。大学は文学部。

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