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メンタルセラピスト。 手練手管で人を陥れ、騙してきた。 初めは真面目に相談に乗ったり企業のセラピストを行っていた。 しかしあまりにも砕かれた心を持っている人が多く、そんな人の話を聞いているだけで、いつの間にか自分の方が壊れていくのを気付けなかった。 彼らと同じように自分も壊れ始めていると気付いたときには、時既に遅し。社会から足を踏み外していた。 暴力団でもない半グレに身をおとしてからは、他人を使って物事を推し進め、最後の最後に悪人の死に顔を拝む為に顔を出していた。 もちろんその都度罵詈雑言や唾を吐かれるなどした。 しかしある時、遺される人に謝罪や感謝を告げ、届けてほしいと請う(もちろんその時は届いていない)者がおり、衝撃を受けた。 興味半分恐ろしさ半分で悪人に遺書を書かせてみると、まあ書くこと書くこと。悪人でも最期に出てくる言葉は純粋な心だと感心した。 以前の自分が助けてやりたかった純粋な心の残りを、自分が届けてやらねばならないと決心し、なんとも奇妙な“遺書屋”を始める。

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