タグ： 亜月式NPC 振斗

昔々、と言うほど過去のことではないお話。 ある所に小さな村があり、そこで暮らす幼い兄妹がおりました。 妹はその村の者達にとって「カミサマ」でした。 2人のお父さんとお母さんいわく、妹は村に伝わる宗教、その神様の生まれ変わり。 兄は両親の教え通りに宗教の活動を手伝い、妹は神様として崇拝されながら生活していました。 この村に住む者は大半がお年寄りでしたが、皆が皆、膝をついて小さな妹を崇めます。 そんな光景を見て、神様として君臨していた妹は、 何も思いませんでした。 しかし、声を上げる者はいました。 兄がくれたぬいぐるみ、妹の唯一のお友達。その名前を「ヨル」と言いました。 妹自身が何も言わない間も、 「ねえ、お外に出たいよ！」 「みんなみたいに遊びたいなあ」 「お兄ちゃんに会いたい」 そう言っていました。 彼らはある日突然この村にやってきました。 烏みたいに真っ黒な髪の男性と、真っ白で綺麗な髪の女性でした。 男性の言葉は穏やかな川のせせらぎのようでいてその実悪意の濁流だったので、 何の力も持たないただのちっぽけな村はすぐに呑み込まれてしまいました。 その男性の言う通り、兄妹は2人で一緒にこの村を壊しました。 村がめちゃめちゃになるのを見ても、妹は何も思いませんでしたが、 お兄ちゃんが嬉しそうにしていたので、 「ヨル」が楽しそうにしていたので、 そのまま、言われた通りに村を壊し切ってしまいました。 お兄ちゃんが、「これからは2人に着いていくんだ、一緒に行こう」と手を差し伸べたので、 妹はたいそう素直にその手を取ったそうな。 彼女自身、まだ分かっていません。 ただ1人のお友達だと思っている「ヨル」の言葉が、 本当は、他でもない自分自身の心の声だということに。 特徴:手先が器用、不思議ちゃん(増加P50) 職業:用心棒 職業ポイント:EDU×10+STRまたはDEX×10 職業特記:人間や自然界の動物の死体などを見ても正気度ポイントを失わない。ただし、超自然的な原因で死に至ったことがわかれば通常通り正気度ポイントを失う。 年収:600万円 財産:3000万円 学生探索者創造ルールで作成 桜庭 莉々愛(さくらば りりあ) 11歳 女性 ある辺境の村で生まれ育った少女。 物心ついた時から村の信仰対象として育てられた為に、感情表現が極めて乏しく口数も多くない。 兄にもらったぬいぐるみに「ヨル」と名付け大切にしている。莉々愛に何か聞くと、「莉々愛はわからないけどヨルはこう言っている」という返事で答えられることもよくある。 それもそのはず、莉々愛に聞こえている「ヨル」の声の正体は莉々愛自身の心の声だから。抑圧されてきた感情や欲望や衝動が、ぬいぐるみの声という形に代替されて現れている。そしてその事実に莉々愛自身気付いておらず、もし指摘してもあまりピンと来ていない顔をする。 今は兄と共に烏鷺に着いていきながら生活している。莉々愛は自分の意志があまり強くなく、「ヨル」は(兄の影響か)少々暴れたがりな節があるため、少々惨いことでも手伝うのに躊躇はない。 感情表現に乏しい彼女だが兄のことはとても好きな様で、もし兄が痛いことをされていたら間髪入れずに反撃してくる。この兄にしてこの妹ありと言うべきか。

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