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美術の非常勤講師。いつも黒い手袋をつけている。本人は画材で良く手を汚すから、と言っており、実際こびりついた絵具で少しカラフルになっている。左利き。表情や声の抑揚から感情や思考を読み取ることが難しく、「何を考えているのか分からない」とよく言われている。 幼少期はの記憶はあまりないが、お薬手帳などを見る限り、小児喘息を患ったりしていたらしく、体はあまり丈夫ではなかったらしい。自分の記憶でも、幼稚園の自由時間は絵本を読んでいたような、インドアな子供だった。 10歳で両親が性格の不一致により離婚、風真の親権は父親が獲得し、父親と引っ越した。それからすぐに、父親の職場の経営が傾き、半年ほどで倒産、父親が職を失う。そこから、父は酒と女に溺れ、堕落し始める。さらに半年ほどすると、風俗に通う金を節約するために風真に手を出す。そこから3年間性的暴行を加えられる。 父親が職を失ってからは、父方の祖父母の仕送りで生活。中学校に通ってないことを、中学校側が祖父母に連絡、父親不在時に祖父母が家に様子を見に来たことで暴行が発覚した（小学校の時は、父親が学校側に、息子が学校に行きたくないと言っている、などと言って誤魔化してた）。性的暴行中に、父親が灰皿替わりにタバコを押し付けたので、右手のひらに火傷の痕がいっぱいある(父親が左利きだったため)。手袋はそれを隠すためにしている。元々右利きだったが、火傷が痛くて使えないので左利きに矯正せざるを得なかった。 風俗かどっかから梅毒に感染し、かつ治療をロクにしていなかった父親のせいで梅毒に感染し、投薬治療してみたらアナフィラキシーが出たので、入院して治療した。病原菌を3年放置していた(父親の精液を腹の中からかき出す道具もなかった)ということもあって、梅毒が重症化していたのも入院した理由の一つ。父親は入院して10ヶ月経った、未成年暴力の訴訟中に腹上死した。 入院してからは出来なかった勉強に没頭した。そして息抜きに絵を描いた。この時、絵の才能が開花。本人としては絵を描けばみんなが褒めてくれるし喜んでくれるから描いてた。同情からか、父方の祖父母や母親、母方の叔母や叔父、妹は梅毒の偏見など持たずによくお見舞いに来てくれた。そして勉強を教えてくれた。絵を描くようになってからは画材や風景写真集なども持ってきてくれるようになった。入院は14~16歳。 退院してからは父方の祖父母に引き取られ、沖縄へ移住した。息子の行動の罪滅ぼしとでも言うように甲斐甲斐しく世話してくれ、高校や大学の学費の一部を出してくれた。父方の祖父母に引き取られたので、苗字は父方の名前のままだった。そして大学進学をきっかけに一人暮らしを始めた。 多感な時期にこういう目にあったので、他人に対して完全に心を閉ざした。看護師も影で性病患者なんて…と話しているのを聞いてしまったため信用してない。1度自分が生きる意味が理解出来ず、自殺しようと窓から飛ぼうとした所、タイミング良く(悪く)妹が病室に入り、自殺をとめた。その後、自殺しようとしたことを全力で怒った祖父母と、自殺を止めて自分が生きていることに涙した妹には心を開いた。それからは、病院食についてくるおやつをこっそり隠し、見舞いに来る妹と分けて食べていた。 入院中、死んだ心に少し色をくれた芸術の素晴らしさを教えられることに誇りを持っており、この仕事を天職だと感じている。生徒からは、表情や声の抑揚から感情や思考が読み取れないことを不気味がられているが、美術部の生徒のコンクールに出す作品にしっかりアドバイスする、など生徒と向き合う姿勢は評価されている。 母親は、自分が退院するのと入れ替わりに入院し、そのまま脳卒中で亡くなった。育ててくれた父方の祖父母は、彼が18歳の頃に交通事故で亡くなった。三日三晩泣いて叫んで暴れて加害者に暴言を吐いて、でも祖父母は帰ってこないことに気づき、生物の命の儚さに絶望した。しかし、こんな穢れた(汚された)自分でも慕ってくれる妹の為に、自殺はせず生きる道を選んだ。しかし、妹が死んだ今、自分が生きる意味を再び失いかけている。 自殺未遂の一件で、病院の精神科医にお世話になった。教員免許を取得してから、スランプの生徒のメンタルケアの仕方を少し教わった。 過去の経験から、煙草と自分よりガタイのいい男が怖い。幸か不幸か身長は高いので、自分よりガタイのいい男はあまりで会わないが、煙草を吸っている人を見ると、手が少し震えたりする。 だるっとした服を着ているのは、体のラインが出る服を着ていた時に痴漢にあったから。教官と車で二人きりになるのが怖くて、運転免許は持っていない。 学校で他人のように振舞う妹に、多少なりとも不満はあったが、性病患者だった兄に好意的な方がおかしい、と割り切ってあまり気にしないようにしている。クラスや部活で心地が悪そうにしているらしいのは気になるが、教師であり、兄である自分には相談しにくいのかもしれないし、自分から触れるのは良くないかもしれない、と考えていた。保健室の先生は、あんまり知らないし信用もしていないが、生徒には優しいと評判だし、生徒のお悩み相談はあちらの管轄だ、と考えていたが、こうなった今、彼（女）に妹のことについて聞きたいと思っている。 自分含めほぼ何事にも頓着せず、ぽやぽやとしている。何を考えているかわからないというか、何も考えていない。強いていうなら今日の晩御飯何にしようかな、ぐらいしか考えていない。イメージは二次創作によくある非戦闘時の富岡義勇みたいな（？）。ふわふわしているというよりは、他のことに興味がないだけ。美術部員に関しては、部員本人というより、作り出す作品に興味があるので、ぽやぽやしたいつもの感じでは接しない。 お米が好き。生きることに興味はないが、美味しいものを食べることには興味がある。とは言いつつ、お米のみだと嘔吐いてしまうので、良いごはんのおかずやおにぎりの具などを模索している。味付きご飯や豆ごはんなども好き。今のところ、祖父母がよく作ってくれたじゅーしー（沖縄の炊き込みご飯みたいなの）を超えるものは見つかっていないが、豚の角煮入おにぎりは結構気に入っている。 イゴーロナクに関わるシナリオに参加した場合、そのセッション内では問題ありませんが、クリア後に触発され悪徳の一面が開花します。 クスリに頼らなくとも人間の記憶は都合のいいように置き換わる。それか、例のクスリの効果が切れてきたのかもしれない。病院で見た短い三つ編みは、ツインテールだった気がするし、響いていた声は静かに笑う声ではなく、テンションの高いはしゃいだ声だった気がする。 相変わらず記憶は曖昧だが、自分の妹が吉良えりなであることはしっかりと認識している（DNA鑑定はした）。失った時間は戻らないが、これからの時間を共にすることで、新たな思い出を作っていきたいと考えている。相変わらず他人には興味がないが、以前より少しだけ生徒に友好的になった。 『ソープスクール』 「美術担当の東江風真。よろしく」 「構図がありきたり。色のまとまりがない。...でもデッサン力は悪くない、良く描けてる。」 「うーん...魚は、角煮にしても美味しくない...」

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