タグ： まえだと愉快な子供たち

▽性格 立森さくやは夏が嫌いだ。立森さくやは夏に嫌われている。 ごく普通の家庭である立森家の一人息子、長男坊として生まれた彼は自分の体が嫌いだった。成長期が遅いのか思春期に入るこの時期になってもなかなか体が大きくならず、周りから男らしくないと揶揄される事が多かった。中途半端な体を嫌い、時折女性用の服をあててみたりとしているとそちらの方が気に入り、隠れるようにしながら異性の服を楽しむようになっていた。しかし最近になって急激に『男性らしさ』が目立つようになり服を着る機会も減っていき、しかし他の人間と比べられ”男らしくなさ”ばかりを揶揄される半端な立ち位置は変わらず──　夏になり薄着になる度に、自分に嫌気がさしていく日々。いつかこの夏がなくなってしまえばいいのに、そう思わずにはいられないのだ。 友人も少なく、趣味といえるものもあまりない。こっそりと貯めたおこづかいでささやかに買い揃えた使い古しのメイク道具と、体のラインが出過ぎないようなぶかぶかで長袖の女性用服をこっそりクローゼットから出して楽しむ時ぐらいしか心休まる時はない。そうした毎日の中で心をすり減らしていくうちに、いつしか自分の憧れる強気で頼もしい女の子というぼんやりとした造形が受肉し、二重人格のかたわれとして傍にあるようになった。立森あさひは立森さくやにとっての憧れであり、友人であり、たった一人の理解者である。ずっと彼女に傍にいて欲しいと思う反面、夏を好きになれないままあたらしい夏を迎えることになる。 ▼刹夏　…　HO1 あなたは二重人格の主人格だ。 あなたは夏に嫌われている。 夏になると、不運に見舞われるのだ。毎年、毎年。 そんなあなたを支えてくれたのは、あなたの人格のひとり、HO2だった。 ▼後遺症　…　***** ＊＊＊＊＊＊＊＊＊た証。 何かの退散の呪文を唱えるときの成功率が5%減少する。 ▽参加卓 刹夏／立森あさひ 愛ではなく情／立森あさひ

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