タグ： 大正グロテスキズム

大震が起こるまでは裕福な家庭の生まれだった。精神科医の家系だったので、それに逆らわず波風立てずに世渡り上手に。 まるで狐のようだ？知るものか。好きなようにいえばいい。私は生きていければそれでいいのだから。そうして、笑顔を張り付けて生きていく。 しかし、大震後、多くの患者を診てきて今までの自分の生き方を後悔する事となった。それは、幼馴染が震災で恋人を亡くし心の病となったからである。本当に仲睦まじい二人で世話になっていただけに衝撃が強かった。 それ以来、その狐顔の中には熱い思いを秘めていたりする。…多くの人を精神科医として救う事、それが何もない狐顔の男の生きる目標になったのだから。 昔は、趣味と道楽程度に文学にも手を出した事がある。だけど、自分に才能は無いと分かっていた為今は読むだけに留めている。 目と耳がよく、よく医学書を読んでいる。 一人称「私」

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