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元警察官の現探偵。 大学卒業→警察官採用試験→5年警察官→探偵もどき（36） 厳しい父と優しい母の間に生まれ、だらっとした感じで育つ。 通信簿における担任のコメント「成績は悪くないが、何事にも熱心でない。」 高校1年生のときに母親ががんになり、選択している医療の方針は正しいのか、またほんの少しだけ医師を志す気持ちもあり猛勉強するも、高校3年の夏、母の死と共に受験勉強のエンジンが切れ、実家から最も近い国公立大学の文化人類学系学部に通うようになる。 大学卒業後、厳格な父への建前もあり警察官となる。 組織犯罪対策課（詐欺集団や暴力団などの犯罪組織担当）に配属となりダラけながらもせっせと働くが、張り込みに盗聴盗撮、取り調べでの恐喝など、これやってることは警察官も暴力団もそんなに変わんないな、と感じるようになる。 そんな中、父親が体調を崩し入院生活へ。 「お前は親に似ず頑丈に育ってよかった」という父親の顔からはかつての威厳は損なわれていた。 図書館から本を借りてくるなど入院生活の手助けをしながら仕事を数年続けたが、ある冬の日に息を引き取る。 十分に準備を父子ともに済ませていたため、あっさりと葬儀を終えた後、残った慶弔休暇でふらっと冬の日本海を見に旅に出たまま、退職届も出さずに自由人に。 とはいえ長く旅をしたわけでもなく、近所の公民館や図書館で本を読んで過ごしたり、公共施設の爺さん婆さんの相手をしたり。 そうこうしているうちに地元住民から簡単な頼まれごとをされるようになり、看板を出してはいないが探偵のようなものとして扱われるようになる。 初めて「探偵事務所がここって聞いたんですけど…」と初対面の依頼人に家を尋ねられた時にビビり、一応実家のポスト横に小さく「いぬい探偵事務所」と目立たない表札を設置するようにした。 近隣住民に良かれと思ってデコレーションされ、掃除して地味に戻す作業を月に2回はしている。近所の子供に残念がられる。 警察官時代の同僚女性にこういった事が知られ、勝手にホームページが作成されていることについては、とある依頼人から聞かされるまで知らなかった。また、地元のヤのつく自由業からなんか気に入られているので、まぁ最悪そこに厄介になろうか、などと思いながら、性分の通り気ままに過ごしている。 好きな食べ物は蕎麦。本格的なものも好きだがそれだけが蕎麦だ！…というわけではなく、立ち食いソバや家で適当にゆでたものでも「それはそれ」として好んで食べる。 高級すしも回転ずしもスーパーのパック寿司も、寿司は寿司。ありがたい。そういう感覚。 人生全体を通してあまりやる気がないので、何か覇気がない人だなぁ、という印象を持たれるが、失礼な態度というわけでもなく何故か周囲から好かれる。べそっとしてるおっきい犬みたいな印象、と言えば近いのかもしれない。 「やる気を出せばすごいんだろうな、この人。やる気出したとこ見たことないけど。」とやや呆れ気味に、仕方ないなぁと周囲に思わせて上手に生きてきたような。 2021年12月4日 『青藤事件』を通過、SANをちょっともらったり。

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