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淡島　裕灯（アワシマ　ユウヒ） 23歳　B型男性　自動車整備士 裕灯の兄は優秀で優しく、弟である裕灯を大切にする思いやりに富んだ穏やかな人だ。そんな兄のことが裕灯は大好きで同時に憎くも思っていた。優秀な兄とは何をしても比べられた。どんなに良い報告をしても、「そうか、でも旭灯は」「旭灯だったら」と両親は、とくに父はそう話した。兄のようになろうと努力したこともあったが、結局すぐ無駄だと悟った。自分は兄にはなれないと思い知らされる幼少期だったように思う。そうして高校生になる少し前、兄の大きな重圧に耐えきれず非行に走るようになった。両親はそんな裕灯に呆れ果てた様子だったが、兄だけは喧嘩をしては怪我をして帰る弟を治療し、説教し、そして最後に「心配しているんだ」と告げてきた。当時はそんな兄すら鬱陶しくてうるさいと一蹴していたが、兄の言葉が嘘ではないことは知っていた。 裕灯が１８歳になったころ、兄が仕事の都合で一人暮らしを始めることになり家を出た。仲介人をなくした淡島家では当然のように裕灯と父の関係は悪化。そうしてその関係は大喧嘩に発展し、やがて裕灯も半ば追い出されるような形で家を出ることとなった。まだ高校生であり当然住居の契約を結ぶことも出来ず、友人の家を転々としながら生活。そんな裕灯に兄から「今どこにいるんだ！？」と焦ったような電話が掛かってきたのはちょうど短大への願書を友達と書いている頃だった。その後、兄と話し合い、家賃を折半（兄８割裕灯２割）し2人暮らしをすることとなり、それから裕灯は兄と同居をしている。家事は土日以外は裕灯、土日は旭灯が行っている。ただ、兄があまりに料理が下手なため料理だけは裕灯の仕事となっている。同居を始めてからは兄のためにも素行を少し改め、同居して半年後には喧嘩して帰ってくることはほぼなくなった。売られた喧嘩は買うが、基本的に自分から喧嘩を売る気はない。23歳現在、21歳から整備士の仕事を始めて、そろそろ貯金もたまってきたので兄のためにも自立し一人暮らしを始めようと思っている。 裕灯にとって兄である旭灯の存在は昔からかけがえのないものである。反抗期があったこともあり、態度は多少冷たくも見えるが大切に思っていることに変わりはない。本人に話すことは絶対にないがずっと自分を見限らず、心配してくれる兄の為になることをしたいと最近は考えるようになった。とりあえず、兄にはそろそろ相手を見つけて結婚して幸せな家庭を築いてほしい。

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