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只乃　我楽多　(ﾀﾀﾞﾉ ｶﾞﾗｸﾀ) 推理作家。 クローズドミステリー、心情描写に長けた没入感の強い作品を多く執筆している。 代表作品は全八篇からなる「黄金事件簿シリーズ」。訳あって女装をしているフランスの探偵、“嫉妬の魔術師”と自称する主人公が、行く先々で起こる事件を華麗に解決していくという物語。 長い髪にストール、飄々とした態度のアラサー。 推理小説をこよなく愛する作家。 小説のネタを探しながら執筆を続ける日々を送っている。 父親は界隈内外で名を轟かせている随筆作家、槐 辰乃介(ｻｲｶﾁ ﾀﾂﾉｽｹ)。 父は只乃のことを溺愛しており、巨額の仕送りをしている。 本人はその境遇を良いとは思っておらず、世間から「親の七光り」「随筆作家の息子なら随筆を書け」と言われるためむしろ煙たく思っている。 父の仕送りと自分の印税等で家庭は裕福。 自身で一軒家を建てて住んでいる。 誰にも縛られたくないため使用人の類は雇っていない。 只乃 我楽多というのはいわゆるペンネームであり本名ではない。 編集担当者からは、流石に「ガラクタ」とは呼べないということで「ガラ先生」と呼ばれている。 「槐」という名字は否が応でも父親とのつながりを表す枷であり、名前は大嫌いな父親からの最初の贈り物のため本人は本名を名乗りたくないと思っている。 そのため、世間から隠すために只乃 我楽多を名乗っている。 しかし世間は只乃の本名を特定しようと躍起になっており、すでに辰乃介と親子であると特定されているため名字が「槐」であるとバレている。 いつか戸籍を抜けたいと思っているが父の過保護が働き許してもらえない。 ここから秘匿HO関係(セッション時一時削除予定) HO4 ダイヤ 『昨夜、“殺人“をした人間』 担当編集者との打ち合わせの帰り、只乃はHO1の人間を轢いた。 視界が悪かったためであり、決して故意に轢いたわけではない。 周りに自分と被害者以外の姿は見えず、被害者の生死も確認していないが、おおよそ生きているとは予想できない。 しかし只乃は被害者を無視して家へと帰った。 それは只乃が現在執筆中の小説が理由である。 只乃は、読者にまるでそこにいるかのように感じる没入感を生ませることを信条に執筆をしてきた。しかし最近は今までのような新鮮な没入感のある作品を書けなくなってきていた。 只乃はそんなスランプから脱するべく、心機一転新シリーズを書き始めようと画策していた。 その題名は「前科者ダイヤ」 人を轢き殺した前科者のダイヤという主人公が殺人事件や密室殺人に巻き込まれ、罪を隠しながら謎を解き明かしていくというプロットであった。 只乃が人を轢いた時、頭をよぎったのは「前科者ダイヤ」。 人を轢き前科者になったダイヤの心情を只乃自身が体験し書き起こせば、素晴らしい作品が書けると確信したのである。 早く文字に起こしたい、今は自分はどんな気持ちだろう、と考えているうちに、只乃は被害者の確認もせず帰宅してしまった。 だが、人を轢いたことによるショックと体力の消耗は著しいもので、家に帰り執筆作業を開始しようとするや否や、泥のように朝まで眠ってしまったところで記憶が途切れている。 溺愛ぶりからするに、父は事故のことが知れたらどんな手を使ってでも只乃を守ろうとするだろう。 そして只乃自身も、起死回生の一作を世に発表するまでは、嫌いな父の金を使ってでも事故のことを揉み消しにかかるはずだ。 --------------------------------------- 只乃は亡くなった母のことが大好きだった。 世間と父の重圧に疲弊する只乃を唯一癒してくれる母はただ1人の味方だった。 母は不治の大病を患っており先は長くなかったが、自分が死んでも只乃が寂しくないように、自身が大切にしている小物を只乃に分け与えていた。 お気に入りの服のボタンの予備、昔一目惚れして買ったピアス、キレイな柄の便箋など、すべてはガラクタのようだったが、只乃にとってはどれも大切な宝物だった。 病が進行し、母が帰らぬ人となって程なくして事件が起こった。 父が身辺整理のためにその宝物たちを「ガラクタだ」と言って捨てたのだった。 すぐに気づいた只乃がなんとか拾い戻したが、母との唯一の繋がりを捨てられた只乃の心はついに壊れてしまった。 「我楽多」のペンネームは自分を卑下することで暗に父を侮辱する只乃のささやかな抵抗であるとともに、母との大切な思い出を忘れないようにというまじないの意味がある。 1巻:黄金郷事件簿(ｷｮｳ) 2:黄金蝶事件簿(ﾁｮｳ) 3:黄金城事件簿(ｼﾞｮｳ) 4:黄金病事件簿(ﾋﾞｮｳ) 5:黄金領事件簿(ﾘｮｳ) 6:黄金鐘事件簿(ｼｮｳ) 7:黄金豹事件簿(ﾋｮｳ) 8:黄金卿事件簿(ｷｮｳ) 只乃の本名:槐 海馬(ｶｲﾊﾞ) タツノオトシゴ 槐:エンジュ 『幸福』『上品』『慕情』

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