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まろは麻呂麿。 どこにでもいる普通の平安貴族じゃ。 ある日いつものように歌を詠むのをサボって屋敷で蹴鞠に興じていると、たまたま通りすがった野良貴族がまろに蹴鞠勝負を挑んできた。 平安一のてくにしゃんと呼ばれたまろじゃったが、野良貴族のラフプレー（グーで殴ってきた）に翻弄されるまろ。 このままじゃ勝てないと感じたまろは、平安貴族の嗜みであるタイムスリップを使って、令和の世に修行に出たのじゃった。 そこで出会ったのは君ことハニー 「いとおかし ギザカワユスで かはゆし 君しか勝たん ひとりかもねむ」 （意:めちゃくちゃ可愛い君（平安から令和までのありとあらゆる言語を使った賛美）のことを思いながら君にも逢えない今日はひとり寂しく寝ることになるだろう） と歌を詠んだ。あの時程短歌の勉強をしなかった日々を後悔した瞬間はないじゃろう。 伝えたい想いはこんなにあるのに、30文字（字足らず）では全く足りない。 しかしそんなまろの気持ちを知ってか知らずか、君はとても冷静に。 「は？」（意：好き。）と自由律で返歌をくれた。 型にハマらない柔軟な思考とそのセンス。輝いたのは鏡でも太陽でもなく君だと気付いた瞬間じゃった。 その後も毎日の様に短歌をプレゼントする度「は？」「ええ……」「ないわ」と自由律の俳句で返される日々。 平安貴族にとっては小さな一句じゃが、まろ達にとっては大きな一句じゃった。 なんでもないようなことが幸せだったと思う。 これはどこにでもいる平安貴族であるまろの時を超えたLove Story 平安貴族なので手の平から金塊を出す事が出来る。 最近ハニーに思いを伝える為に短歌教室に通いだした。平安の語彙と令和の語彙を組み合わせた短歌を毎日詠っている。講師の先生に短歌を提出する度に「顔がいい」と毎日褒められている。

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