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寅辺 窮奇郎(とらべ きゅうきろう)
ID:4261150
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寅辺 窮奇郎(とらべ きゅうきろう)
タグ:
羊PC
古今、零れて。
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
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(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
国内有数の老舗自動車メーカー『TORABEL(トラベル)』創業者一族の御曹司。しかし、車やバイクは作ったりいじったりするよりも普通に乗る方が好きなため、製造業の家業に対してさほど情熱が持てず、警察官を志す。家は兄に任せて15歳の時にアメリカへ留学すると、飛び級で高校と大学を3年で卒業し、帰国後に警察学校に入って本格的に警察官への道を歩んだ。ちなみに警察学校は主席で卒業している。 何故警察官になったのかと言えば、幼少期に母が身代金目的で誘拐されたため。母は無事に帰ってきており、その際犯人と鮮やかな手腕で交渉し、速やかに逮捕に貢献した警察官の姿に憧れを覚えたから。 老若男女問わずに親しみやすい、朗らかで気さくな性格。アメリカ時代に交渉術を学んだこともあって、コミュ力も高い。少しは控えるが、アメリカでの生活経験もあるせいか、結構な自信家。自分の意見は(はぐらかしたい時、からかいたい時以外は)割とハッキリと断言的に言う。 確かな成功体験と、年齢による落ち着き。能力や経験からくる自信に裏打ちされた余裕。そして暴力的なまでの顔面の強さで大体の物事をスマートに解決して生きてきている。まさに勝ち組といった雰囲気を纏った男。 何かと高スペックを誇る男であるため、警察官としても非常に優秀。火邑篠という、警察学校時代の同期で親友にして相棒である存在にも恵まれ、二人で数々の事件を解決に導いてきた。火邑が怪我により前線から引いたためコンビは解消となったが、今でも窮奇郎は周囲の信頼の厚い優秀な刑事である。 余談だが、顔が良いので若かりし頃は火邑とコンビで署内の女性陣からアイドル的な目を向けられており、今でもそういった目を向けられることが多い。モテるのは満更でもない。男として嬉しいと思っているので、ほどほどにファンサする。一応職場では有能で通っているため、その辺も含めて人気が高い。 現在は同居中の恋人でもある長門真尋(HO1)とコンビを組んでおり、教育係の先輩として色々と刑事の仕事を教えている。が、色々な面であからさまなちょっかいやからかいが絶えず、真尋からはよく金的などの物理的な反撃を受けているが、窮奇郎が大体悪いのと大抵笑って受け流していることから、署内からは寅と猫のじゃれあいのように思われている。真尋が嫉妬などで被害を受けないように、こっそり手を回していたりするかもしれないが、その辺については火邑しか知らないと思われる。 警棒を使った近接格闘及び捕縛術が得意。銃はごちゃついていて得意ではないらしい。恋人の照れ隠しをいなすのにもこの技術は使われている。 元々公私の差は殆どつけていないのだが、自宅では職場での態度に加えて、しょっちゅう真尋にセクハラをしている。年上の余裕などもあり、年若い恋人をからかい交じりに可愛がるのが好きで仕方ないのだが、やりすぎて泣かすこともある。ただ、SかMかで言えば間違いなくSの男であるため、その泣き顔さえ楽しんでいるようだ。ちゃんと愛はある。 また、基本的に何でも自分でできる男ではあるが、敢えて真尋に世話を焼いてもらうのが好き。そのままの寝癖であったり、わざと曲げて緩めたネクタイであったり、財布や鍵などのちょっとした忘れ物であったりと、そうした細かい部分でわざと手を抜き、真尋の側から口や手を出させている。彼女の日々のささやかな気遣いに、じんわりとした満足感を覚えている。 大体の面においてずるい男と言って差し支え無く、あらゆる場面において、真尋の側からのアクションを引き出すのが好き。いじめたい気持ちと、天邪鬼な真尋の感情を言葉にさせたい気持ちが強く、何かとしつこさと辛抱強さを発揮してくる。特に夜はその傾向が顕著。満足するまでやめないし、満足させてもまだやめない。純然たるサディズムである。 真尋とは彼女の学生時代から交流があり、よき兄貴分のように振舞っていた。実際は年甲斐も無い感情を抱え込んでいたが、少なくとも兄貴分としての外面は崩さず、付かず離れずを保つ。しかし、彼女が自分に向ける感情の変化を早々に察すると、ならいいよなとこれ幸いに真尋の18歳の誕生日に「色々と」奪っていった。自分を慕ってくる可愛い妹分がちゃんと18になるまで待ったのを、自分でも偉いと思っている。歳の差は全く気にしていないが、同意が無ければ事案ものである。火邑には「きゅうちゃん、大概にしなよ」と言われたとかどうとか。「今更なんだよなあ」と本人は笑っている。 好き嫌いの多い、子供じみた部分がある。アメリカ生活の名残か、ジャンクフードが好物。また、肉は好きだが野菜は嫌い。刺身は好きだが骨が面倒なので焼き魚は嫌い。芋を食べていれば野菜は摂れていると思っている。豆類や納豆、漬物類も嫌い。真尋は窮奇郎に野菜を摂らせようといつも苦労している。 喫煙者で酒飲み。煙草は嗜む程度だが、酒は好き。日本酒派。ただしそれほど強くない。まさに「大虎(泥酔した酔っ払い)」の状態になることもしばしばだが、悪酔いしないので上機嫌になる程度で済んでいる。普段よりふにゃるだけ。 ……というのは嘘。本当は全く酔わない。酒にはクソほど強い。敢えて酔ったフリをして真尋や周囲に絡むのが楽しいだけである。介抱されたい。真尋が先に潰れればさっさと回収して帰る。 煙草に関しては、自宅では匂いを嫌う真尋に追いやられて外や換気扇の下で吸っているが、それ以外の場所で吸って真尋を怒らせて楽しむことも。割としょっちゅう煙を吹きかけるなどのマーキング行為はしている。反撃にファブリーズを直接吹きかけられたりしているが。 技能変更 【説得】→【信用】に差し替え 基本的に、窮奇郎は自身のステータスで他人を従わせる傾向がある。そのため、言葉を尽くして他人の思想に影響を与えるよりも、魅了と呼んで差し支えないレベルの己の信用度でもって他人の思想を押し流そうとするし、実際してしまえるだけのものを持っている。 「百聞は一見に如かず、って言うだろ?」とは本人の談。言葉を用いずとも滲み出る説得力たる【信用】こそが、最も手っ取り早く鮮烈な思想の塗り替えであると確信している。 技能についての補足 【杖(警棒)】90及び【組み付き】80→窮奇郎は警棒を用いた近接格闘及び捕縛術の達人である。銃を持たない状況であっても相手を無力化する手段を持っている。 【聞き耳】80、【図書館】80、【目星】80→五感と書類の理解力、洞察力は、刑事として必須の能力である。優秀な刑事である窮奇郎も例に漏れず、これらを高レベルで習得している。 【言いくるめ】85→窮奇郎は言葉よりも自身のステータス等で相手を従えるが、そのステータスの補足としての口の上手さも保有している。 加齢ルールによりEDU+1。 特徴表 特徴表4【オシャレ】 いつも身嗜みに気を使っている。APP+1。 ↓ 真尋に手や口を出して貰うためにわざと手を抜くが、窮奇郎は基本的にいつも身嗜みに気を使っている。その方が自分にとって有利になるので。素材を活かすスタイル。 23【親の七光り】 名家の出身、または親が有名人かもしれない。【信用】に+20%。 ↓ 車に疎い人間でも名前だけは知っているレベルの老舗国産自動車メーカー『TORABEL(トラベル)』創業者一族の次男坊。生粋のボンボンである。それも窮奇郎のステータスなので、特にそれを隠すことはしない。 通過シナリオ ・古今、零れて。 ・スーサイデッドメアリンク ・シグナルレッド・デッド ・愛猫の上手な鳴かせ方 ・リンクヴェルトゲンガー ・胸臆、溟渤に ・アイの方舟 ・ブラックボックスブレイン ・セーブ・ザ・クライシス ・錆びた世界を撃ち抜いて(KPC) ・惨歌讃劇 古今、零れて。 公開HO【HO2 優秀な刑事(35~40歳)】 貴方はHO1を大切に思っている。 貴方は周りからの人望が厚く信頼されている優秀な刑事だ。 以下秘匿HOのネタバレの設定 【秘匿HO】HO2 貴方は誘拐犯だ。過去にHO1を誘拐している。HO1がストックホルム症候群であることは理解している。 だが、手放せなかった。幼い手が自分の手を不安げであってもしっかりと握った瞬間を忘れることが出来ない。自分が誘拐犯だとバレてしまえばHO1との生活はなくなってしまう。貴方は全てを隠し通すことに決めた。 貴方はHO1が幼いころから一緒にいるが、HO1がストックホルム症候群であることを知っているため幼い頃の記憶が曖昧であることは予測がついた。 実際は15年前から共に暮らし始めたのだが、当時はよく遊んでくれていたお兄さん、という認識の植え付けをし、二人で暮らし始めたと認識させたのはHO1が高校卒業の頃、8年前となる。警察学校は寮生活であるため、入学前に認識をさせた。2年間はHO1を手放し、戻ってきてから再度本格的に二人で暮らし始めることとなった。 かつての相棒である火邑篠(ほむら-しの)は貴方の秘密を唯一知る人間である。誘拐後の手筈を整える協力をしてくれていた。 ↓ 寅辺窮奇郎は先天的な反社会性パーソナリティー障害、つまりサイコパス人格者である。生まれ持った地位と能力が他者よりも上であることに自覚的で、それによる称賛を当然とする傲慢な人格と、更なる評価を求める強欲さが同居した、周囲を見下し自身を特別であると信じて疑わない我儘な子供そのものである。 自身の性質を早々に理解し、それを上手に隠しながら思うが儘に振舞えて来たのは、窮奇郎にとっては幸運で、周囲にとっては不幸であった。窮奇郎の本性は血を分けた家族にさえ知られておらず、使用人は勿論、学友や教師といった人々も、窮奇郎をただただ優秀で恵まれた人間であるとだけ思っている。裏でどう思われているかなど、知る由もなく。 窮奇郎は幼少期より自身の欲求を次々に叶えてきたが、そのどれもが容易く達成されてきた。ナルシスト人格であるためそれを当然とし自己陶酔に耽るものの、その容易さこそをつまらない、退屈であると吐き捨てる傲慢さがあった。何でも出来ることを良しとしつつ、何でも出来てしまう己を愛しつつ、あまりにも簡単で刺激に乏しい退屈な世界に飽き飽きしていた。 故に、窮奇郎の関心はその退屈を如何に「殺す」かにあった。大抵のことは容易く出来てしまい、生まれ持った評価も既に最高である。故に、この退屈を「殺す」ためと自身の優秀さを見せつけるために、敢えて自身に劣る兄に家督を譲った。そして戯れにアメリカに留学し、飛び級で高校・大学を卒業。更に最もらしい理由をつけて、実家の権力とは無縁の、他者に無条件で評価される権威ある職である警察官を志した。 しかし、アメリカに留学した時もそうだったが、警察学校も窮奇郎にとっては退屈な場所に過ぎなかった。当初は未知の分野に手を伸ばしたことによる驚きや、それなりのやり甲斐もあった。自分は素晴らしい才覚を持っているのだと再認識し、満足感も覚えた。周囲が自分を賛美する声も、望み通り十分に得られた。しかし、その生まれ持った才覚や要領の良さこそが、窮奇郎をまた退屈へと引き戻していた。賛美の声も新鮮さを失い、ただの当たり前のBGMと成り果てた。しかし、アメリカ時代と警察学校では一つ違う点があった。窮奇郎の隣には、同期である火邑篠が居たことだ。 彼は正義感にあふれる穏やかな男で、言ってしまえば刺激に乏しい退屈な男だった。しかし、他者の心を慮る彼は、窮奇郎の抱える退屈やそれに起因する理解者の少なさを察し、同情めいた友情を抱いてきた。そんな彼に対し、窮奇郎はいっそ引きずり込んで『トモダチ』にするかと手を伸ばすことにする。今まで誰にも知られたことのない己の本性をぶちまけた時、この男がどうなるのか見てみたかった。 果たして優越感に震えるのか。恐れをなして引いていくのか。まあ逃げるなら捕まえるし、少なくとも卒業までは『トモダチ』として過ごすつもりだった。その心の動きをペットのように観察でもして、退屈を紛らわせることが出来ればそれでいいと思った。 ──彼の答えは「変わらない」だった。 火邑は、窮奇郎を否定することなく、かと言って溺れることも無く。そのまま変わらず隣に立った。理解者たらんとしようとした。動じることも無く。媚びることも無く。 退屈な男だ。つまらない。そう感じはしたが、思っていたような変化が起こらなかったことは、気に入らなさ以上に少し新鮮で。窮奇郎は、そのまま彼を『トモダチ』として扱うことにした。 ……それが思ったよりも楽しくて。打てば響くような感覚が小気味良くて。気が付けば、彼のことを思うよりも気に入って、火邑を得難い友人であると感じるようになっていた。そんな感情を他者に抱くことは、人生で初めてだった。 火邑という得難い友人を得た以外には特に実りの無い警察学校を流れ作業で卒業した後。窮奇郎は当初の目論見通り、交番勤務のお巡りさんとして制服に身を包んで勤務することで、周囲からの尊敬を得た。 しかし、それは結局あまりにも退屈で刺激の無い日々だった。日常のスパイスとして、日本では嗜む程度だった色事や賭け事にも職務の裏で本格的に手を出してはみたが、そちらも大抵が思い通りになってしまい、あっという間に飽きてしまった。 世界は平和で、穏やかで、静かで、窮奇郎にとっては耐え難い退屈でしかなかった。あまりにも簡単でつまらない。その平和を守ることこそが仕事であるという事実さえ、窮奇郎には気に入らなかった。 火邑という自身の本音を知る得難い友人は居る。が、どうにも彼だけではこの退屈は紛れない。窮奇郎を肯定し、隣に立とうとする彼は肩を組むには値するが、その穏やかさでは退屈な時間をのろのろと癒すだけである。窮奇郎が求めたのは、切り刻まれそうなスリルだった。火邑を自分の隣に引きずり込んだ程度では満足出来ない。もっともっと楽しい遊びがしたかった。 「大抵の合法のものには手を出した。なら、もう俺がこの世で楽しめそうなのは、犯罪くらいじゃないか?」 その気付きを得た瞬間。今まで培われたそれなりの価値観と職業倫理が生かしていた良識のタガを、窮奇郎は退屈と好奇心で容易く「殺し」た。それに対して罪悪感を覚えるようなことは無かった。 何か犯罪を犯してみよう。レンタルショップで映画のDVDを選ぶような気軽さで脳内で罪状をピックアップしていくと、行き着いたのは幼少期の思い出。母の誘拐だった。家族を軽んじている訳では無いが、自分の愉悦が最優先だった窮奇郎にとっては、当時の騒ぎはエンターテイメントだった。警察官という正義の味方でありながら、自分が追われる立場になるのもまた一興か。捕まるつもりは毛頭無いが、そのスリルを抱えて生きるのは実に刺激的に思える。そんな気軽な気持ちで、窮奇郎は誘拐犯になることに決めた。 さて、ではどのような対象を誘拐しよう。金には困っていないので、財政状況は関係無い。となると好みで選別するべきか。 性別は?女がいい。色事も楽しめる。 抵抗は?された方が面白い。だがあまり騒がれると面倒だ。一応最初は難易度を下げよう。捕まらないなら『次』も楽しめる。 では、女児を狙おう。色事はさすがに待たねばならないが、その間にじっくり支配して楽しもう。真面目で跳ねっ返りの天邪鬼がいい。からかえるし、従わせた支配感が得られる。子供なら可愛いものだ。そんな子供が花開いた時に、無遠慮に手折って散らす楽しみもある。 それに、子供が誘拐されたとなれば、きっと自分の母親が誘拐された時の比ではないくらい、家族は大騒ぎになるに違いない。それをさも親切そうな顔で近付いて眺めるのは、どれだけ刺激的になることだろうか。 ただの虎であることをやめ、犯罪という名の翼を羽ばたかせる窮奇郎は、『窮奇』の名の通りの怪物だった。生まれ落ちた瞬間に虎であったことこそが、窮奇郎を怪物にしていた。 窮奇郎が21歳の時。仕事ぶりを評価され、火邑と共に交番勤務から刑事として警察署勤務になるという節目で、窮奇郎は誘拐を実行した。被害者は永門真尋。地域のお巡りさんとして交流していた小学生の内の一人で、たまたま窮奇郎が求める条件を満たしていただけの当時10歳の少女を、一年間じっくりと下調べしてから捕まえた。 完全に事後報告で巻き込んだ火邑は、親友の行動を表立って肯定することはさすがにしなかったが、否定もしなかった。結局のところこの二人は友と呼べるだけの相手であり、つまりは同じ穴の狢だったのかもしれない。彼は窮奇郎の『遊び』に協力し、共に全てを隠し通す共犯者となった。誘拐にかこつけて、窮奇郎は火邑を本当の意味で絡め取ることにも成功した。 誘拐当初、真尋は酷く混乱して取り乱していた。11歳の少女が突然親元から拐かされれば当たり前である。泣き、喚き、家に帰してと言う少女に対し、窮奇郎は笑いながらじっくりと支配を試みた。 結果が見え透いているが故に一切の暴力を使わず。ひたすらに言葉で言いくるめ、態度で宥めすかす。誘拐という特大の鞭の後は、首輪をつけながらもひたすらに飴を与えて優しくしてやった。勿論真尋は全力で抵抗したが、窮奇郎にとっては子猫の抵抗に過ぎない。跳ねっ返りの天邪鬼の子供は抵抗の意思が強かったが、窮奇郎は笑ってその意思を溶かし続けた。 そうして真尋と過ごして、季節が一つ変わった頃。ある日、いつも通りに仕事に行こうとした窮奇郎を、真尋が引き止めた。 窮奇郎よりずっと低い位置に居る少女が、少し背伸びをして、その小さな手で窮奇郎の指を掴んでいた。不安げな色を、寂しげな色を浮かべて、その大きな瞳いっぱいに窮奇郎を見つめて。全く大きさの違う指を、控えめに、ぎゅっと握っている。 やっと陥落したのか、という達成感。やはり自分は何をやっても出来てしまうな、という自己陶酔。結局思い通りになってしまったな、という理不尽な失望。様々な感情が窮奇郎の中を駆け巡ったというのに──何故だろうか。その手の感触が、心臓を撫でたような心地が、一番脳裏に刻み付いているのは。 窮奇郎はその小さな手を優しく包むと、真っ直ぐに真尋の目を見つめて笑った。 「……お前は、いい子だなあ、真尋」 口をついた言葉に付いた色が自己陶酔だけでないのは、窮奇郎自身にも自覚は無いだろう。 片やストックホルム症候群。片やリマ症候群。被害者と加害者、玩具と持ち主の関係は、無自覚に拗れている。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
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