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クトゥルフ PC作成ツール
三木 留夏(みつき るか)
ID:4279778
MD:35853c581fa2fd429630bea0a73650d9
三木 留夏(みつき るか)
タグ:
冬子PC
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生まれ・能力値
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CON
POW
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初期
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20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
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APP
SIZ
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EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
『ありえないことを願う夏を』 YELLOW/神山羊 https://m.youtube.com/watch?v=1_lap6dzSUc _________ 「おはよ。今日早いじゃん。目覚まし変えたの?」 「んー、この写真、もうちょっと盛れないかな………。何、今忙しいから待って。ここの調整が重要なの。集中力いるから。………………………でごめん、なんだって?」 一人称は「俺」。二人称は「君」「あんた」「お前」。両親のことは「父さん」「母さん」と呼んでいる。 2/14生まれ。20歳。男性。芸術文化学専攻。デザイン分野、特にプロダクトデザインを学んでいる。演劇サークル所属。綺麗なものが好き。オシャレが好き。派手な色を好む。 薄い紫に髪を染め、青のメッシュを入れている。(髪色を変える際に、無意識に幼馴染の影響を受け、近い色を選んでいる。)瞳にもカラコンを入れ青っぽく見せている。爪を塗っている(単色。紫)。 明るくてしっかり者、さっぱりとした、面倒見の良い性格。興味のあること、無いことの区別がはっきりとしている。 入部の理由は円堂部長からのスカウト。元々演劇に興味は無かったが、自分の専攻に役立つこともあるだろうと思い承諾した。裏方をメインに活動しているが、頼まれれば舞台に上がることもある。以前に女王の役を演じたことで、一時期は周囲から「女王様」「女王陛下」と呼ばれていた。 円堂のことは「マルさん」と呼んで慕っている。 男女問わず浅く広く友人が多いが、深い付き合いはしない。一日の授業が終わった後は、同じ大学に通う幼馴染とよく一緒に行動をしている。幼馴染のことをふざけて「カレシ」と呼んでいるが、実際に交際しているわけではない。 手広くSNSを活用。よく写真を投稿している。 暴力は好きではない。が、競争は嫌いじゃない。 困っている人を見たら手を貸す。 リュックサックにクマのぬいぐるみのストラップを付けている。「くまのマーちゃんだよー」と、これもまたふざけて呼び名をつけて、人形劇のように動かして遊ぶことがある。手作り。ハンドメイドが得意で、ぬいぐるみやアクセサリーを自作し、フリマに出品することがある。 実家暮らしの一人っ子。 絵画ではカラー・フィールドが好き。好きな画家はモーリス・ルイス。 最近建築デザインにも興味を持ち始めた。 大学内の生協でアルバイトをしている。(家が厳しく、外で働くことが困難な為。)進級したらSA(スチューデントアドバイザー)もやりたいらしい。 課題は期日より前もって終わらせておくタイプ。だが、幼馴染に振り回されて遅れることもある。 将来の夢は?と聞けば、「やりたいことは色々あるよ。仕事も趣味も」「でも、ま、一番は……結婚して、誰かを愛することかなあ」と、笑って答える。 幼い頃の話を尋ねられると、答えを濁したり、特定のワードについては「ああ、言わないで。それは秘密なんだ」と微笑むことがある。 【特徴表】 ●01・08 「幸運のお守り」 勝手にピアスを開けたことがバレて怒られた日、「代わりに」と両親に贈られたアクセサリー。 黄色い石のネックレス。趣味じゃないのでピアスの一部に作り変えた。 身に着けているかぎりPOW+1。もし手放したり紛失すれば不運を招きPOW-1。 POWの増減により、<幸運>は変化するが、SAN値は変化しない。 ※(処理例 <POW対抗>と<幸運>+5%に適応。) ●04・06 「寄せ餌(D)」 人間以外の怪物に好かれやすい。誘拐されれば殺されずに監禁されるか、もっとひどい目に遭うこともある。 ※人間以外の怪物との戦闘などの時に優先的に対象になりやすいが、受けたダメージでHPが0になった場合、HPは1残す。 【技能値について】 戦闘技能…高校の頃やんちゃしており、喧嘩する中で身についたもの。 回避、応急手当、隠れる、忍び歩き…寄せ餌への対抗手段。 その他…芸術家の職業技能を目安に振り分け。 【補足】 ⭐︎くまのマーちゃん 引っ込み思案で大人しい性格。 「マーちゃんもそう思うよね?」「ウン!ぼくもそう思う!(裏声)」 🎶イメージソング 仮面/神山羊 https://youtu.be/Db4YyCQze4M CUT/神山羊 NANIMONO/中田ヤスタカfeat.米津玄師 嘘月/ヨルシカ 🃏テーマタロット Ⅲ.女帝 「俺、思うんだよね。舞台の幕引きを決めるのって、何なんだろう。 もしもさ、シンデレラの元に王子様が迎えに来なかったら? 王子様の役が何処かに消えちゃってさ……シンデレラはステージの上で待ちぼうけ。 そうなったらお話は終われないだろ」 「そしたら俺はさ、元の配役が村人Aだとしても、舞台の上に上がって、シンデレラを掻っ攫っちゃっていきたいなって思うんだよ。 ……それならシンデレラも寂しくないし、観客も安心するし、俺も嬉しい。みんなハッピーエンド。ね?」 「でもさ……もしも、俺がシンデレラの方だったら。その時は、どうしたらいいんだろうね」 ➖➖➖➖➖ 「ONE ONE ONE」HOA 以下、秘匿情報のネタバレがあります。 現行・未通過の方は閲覧しないでください。 ➖➖➖➖➖ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ 【背景】 ミツキルカと10年間の記録 10歳、身寄りのない子供として、施設に引き取られた。 お父さんからの言いつけを守るため、記憶が無いと偽った。名前を持たない僕には、施設の職員たちが『ルカ』という名前をくれた。 「本当の名前を知られないように」と言われたって、どうしたらいいのかわからなくて。 その時は、ただ取り繕うのに精一杯で、急に一人ぼっちになった怖さと不安も沢山で。 しどろもどろに喋ったり、答えに詰まったりしていると、周りは勝手に「記憶が無くて怯えているのね」「怖がりな子なんだよ」と解釈してくれた。 だから、『そういう』ことにした。僕はルカという名前の、怖がりな子ども。 施設の職員たちも、同じ立場の子どもたちも、みな良く接してくれた。それでもどこか不安定な空気が常にある。火事の時に重たい煙がゆったりと家の中を充満するように、施設の中でも、その不穏な気配が静かに、目立たないように僕らを取り囲んでいた。みんな不安だったのだ。明るく振る舞ってはいても、自分達の置かれた状況は芳しくないから。 施設に守られて眠り、穏やかに過ごしながら、喧嘩の騒音や、泣き声も沢山聞いた。 1年と少し経って、引き取り手が現れた。 三木(みつき)と名乗る夫婦は、子供がいないと嘆きながらも若々しく、笑顔で、不幸というものからは遠く見えた。 安心する居場所が欲しかったし、彼らを逃したら次の機会がいつ来るのか分からなかった。だから、頷いた。施設の職員たちはみんな笑顔で送り出してくれた。 三木の家で暮らし始めてからは、捨てられたりしないように『良い子』であるように努めた。 悪戯しない。家事を積極的にやる。言うことを聞く。学校の成績も上位になるようにして、身嗜みも整えて。 夫婦は優しかった。勉強に勤しんでいると、『特別な本』をくれた。聞いたことのないタイトルだったけど、夫婦にとっては思い入れのある本のようだった。だから大切に読んだ。難しかったけど、希望に満ちた良い話だと思った。 こうやって愛情を与えてくれる二人なら、うまく家族としてやっていけるかもしれない。もっと頑張ろうと思った。 幼い頃、幽霊を見たことがある。 遠い昔のことで、良く覚えていないけれど。穴が空いたような真っ黒で丸い目を向けて見つめてくる幽霊。怖くてお父さんの背中にしがみついた。その記憶だけがぼんやりと頭にあって。 三木の家で過ごして半年くらい経って、その幽霊の夢を見た。もしかしたら、夢ではなくて、本当に居たのかもしれない。 飛び起きて、リビングに出て、明かりをつけてうずくまってる内に、気がついたら朝になっていた。 中学に上がる直前の話。 ーーー 12歳、中学校に入学した。 入学式のその日、式典の後。スーツ姿のままの『両親』に連れられて、『その建物』に入った。 そこには沢山の人が居て、老人も子供も、男も女も集まっていて、みんな黒っぽい服に身を包んで、扉を開けた僕たちを一斉に振り返った。 「あなたには秘密にしてたけど」と、母が僕の両肩に手を置いた。 「今日は君に、紹介したくてね。ぼくたちの仲間だよ」そう言って父は腕を広げて笑った。 彼らは両親を見て、僕を見て、ニコニコと笑っていた。 「これが噂の坊ちゃんですか」「ようこそ!ずっと待っていたんですよ」「おめでとう!今日からはもっと幸せになれるよ」 久しぶりに、迷子みたいな感覚。 施設に入った時以来だ。 たくさんの人に囲まれているのに、現在地も分かっているのに、自分一人だけ世界から置き去りになって、自分の足元だけ暗闇に浮かび上がったみたいな、そういう感覚。 三木夫婦は、宗教団体のメンバーだった。それも、古参で、立場のある。初めから此処に連れ込むつもりで、身寄りのない僕を施設から引っ張ってきて、時が来るまで育てていたのだ。 その日、彼等となんて言葉を交わしたのか、よく覚えていない。大人しくて、真面目な、良い子を演じ続けたことは確かだ。けして波を立てないように。 ーーー 『におい』というものがあるらしい。 「あなたからはね、いい匂いがするって、教祖様が。それで、わたし達、あなたに決めたの」 「そう。君がいれば、もっとお役に立てるって確信したんだ」 教団の施設には裏口があって、そこを出ると建物の背後にある小さな森に繋がっていた。木々が鬱蒼と茂るそこは、日も暮れると真っ暗で、音がない。森の中央に祭壇があった。辺りを照らすためにランタンが置かれ、祭壇の周囲には赤い魔法陣がいくつか描かれているのがわかった。それから積み上がった生き物の屍体。血の臭いで咽せても、背後に立つ『両親』は何も言わない。 僕はそれらの中央に座らされた。 周囲に黒いフードを被った教徒たちが立ち、聞き慣れない言葉でなにかを唱える。 『初めて』のその日は、何も起こらなかった。 ただ、身の毛がよだつような嫌な感覚、恐怖が胃の裏側を掻き回すような気分の悪さがあって、それだけ。 「次の夜に」 「また機会はある」 ーーー 何度目かの夜、祭壇の前に蹲る僕の前に、それは現れた。 夜の闇よりも黒い色。木というには不自然なほど、その表面がうねり、流れ、意思を持って動いている。暗いせいではっきりとは見えないことが幸いだったのか、それは分からないけれど、見上げたその姿は少なくとも夜空を覆い尽くすくらい巨大だった。 そいつは舌なめずりをするように、口のような器官から涎を垂らしながら僕に近づいた。ゴミ捨て場のように酷い匂いのする息、生温かい息が頬にかかる。動けなかった。逃げるとか、逃げないとか、そんな考えさえ頭に浮かばなかった。恐ろしくてたまらなかった。 どれくらいの時が経ったのか、しばらく僕の周りをウロウロとしてから、不意にそいつは姿を消した。 魔法が解けるように地面に倒れ込む。 周囲のざわめきが耳に入ってくる。『両親』が僕に駆け寄ってきた。ああ、こんなに怖い思いをさせたのだ、きっと労りの言葉くらい—— 「……なんてことだ!素晴らしい……こんな日に立ち会えるなんて!」 「おお、おお、わたし達は祝福されている!」 「と……父さん。母さん、今のは……ねぇ、今、のは、一体……」 「分からなかった?いいの、じきに分かるようになるから」 「あの方はお前を気に入られたんだよ。これは凄いことなんだ。選ばれるということはね、滅多に起こらないんだ」 「そう、だから、きっとまた来てくださる」 「お会いして、心を尽くせば、すぐに分かる」 「かの方こそが、かの方とその母君こそが、我らの神だと!」 『におい』というものが、あるらしい。 悪しきもの、この世ならざるもの、人ではない何かに好かれる『におい』が。 ーーー 教団は、ゆくゆくは『神』を呼ぼうとしているらしい。 僕は彼らの活動のために利用され、かの神の眷属と接触するための触媒になった。 どういうわけか、森で会った『アレ』は僕を気に入っているらしい。食べる時を見計らっているのかもしれない。儀式の時、僕がいる時に現れて、他の生贄を喰らったあと、僕の匂いを嗅いでから帰っていく。僕がいない時には現れないのだと、『御子息様』が言っていた。 御子息様。 「教祖様の御子息だ。いずれこの教団を引き継がれる方だよ」 そう言われて顔を合わせたのは、同い年くらいの少年だった。青白い顔をした、鋭い雰囲気を纏う子ども。 「お体が強くないのもあるが……我々を悪く思う者たちがいて、狙われるかもしれない。そいつらは悪い奴らでね、化け物を使役することもあるんだ。彼に何かあったら大変だから、君が彼と一緒に居て守ってやりなさい」 それから、御子息様が外に出るときは共に行くようになった。 もしも『化け物』が襲ってきても、彼らの注意が僕に向かえば、その間に御子息様は逃げられるから。でも、本当はそれだけが目的じゃなくて、側に誰かを置くことで「僕が逃げないように」監視したかったんだと思う。 僕たちは事あるごとに共に行動をさせられた。 教団も、両親も、全てが恐ろしかった。 それでも逃げ出さなかったのは、「いつかお父さんが迎えに来てくれる」と信じていたからだ。 お父さんは、きっと必ず約束を守ってくれる。 でも、時が経って姿も変わっていく息子を、どうやって見つけることができるのだろうか? それが不安だった。見つけてもらえないことが。だから、下手に『居場所』を変えるべきではないと考えた。『この家』に来たことは、元居た施設に尋ねさえすればすぐに分かることだ。それなら、ここから、動かない方が。 じっと耐えて、従順な子供を演じ続けて、気がつけば3年が経った。 高校は、少し離れた場所に行かせて欲しい。そう頼んでも受け入れて貰えたのは、それまでの演技の成果だったかもしれない。 ーーー 高校生になった。 少し遠い場所に行った。教団の人間がいない場所。 知らない人たちの前で新しい仮面を被ることにした。疲れていた。教団の中では良い子でいなくてはいけなくて、ただ上手いように使われて、したくないことをしなくちゃいけなくて。でも、周囲にも、怪異にも、立ち向かう術がなかったから。そんな『三木留夏』を守るために、新しい『三木留夏』を産んだのだ。 『三木留夏』は素行の悪い生徒だ。不良グループの一員で、校外のヤンキー連中ともつるんでいる。 授業を欠席すること、しばしば。ただし試験の結果は悪くない。目が合えば睨み、常に不機嫌そうで、笑ったことなど一度もない。 『3年の××』とよく一緒にいる。 クラスメイトも教師も自分を遠巻きに見る。 誰にも支配されなかった。強い自分であることができた。それが心地よかった。 家に帰ればまた、『従順』に戻らなければいけなかったけど。 不良を始めてからすぐ、耳にピアスを開けた。長く伸ばした髪に隠れる場所。 『先輩』は不器用なので他人にピアスを開けてやることなんてできない。だから僕のピアスは、先輩の、そのまた先輩らしい悪そうな黒髪の、派手なシャツを着た男の人に開けてもらった。その人に会ったのはその時だけ。名前も覚えていない。 ーーー 先輩と喧嘩をした。 家族の話になって、家の事をつっこまれて、反論したら、逆上されて、それで。 先輩は、三木の家が宗教と関わってるってことを耳に挟んだらしい。高校の関係者には隠していたことだったから、焦ってしまった。先輩の喧嘩っ早い性格にまで気が回らないまま、反抗的な態度をとって、そこから殴り合い。 体中傷だらけになったせいで、両親に不良と連んでいることがバレた。耳にピアスを開けたことも。 勝手に体に傷をつけるな、と言われた。勝手に?勝手に自分の物みたいに扱ってるのはどっちだよ。 高校生活。周りがみんなやりたい事をやって、夢を追いかけて、『自分を作っていく』のを遠巻きに見ていた。 本当の僕って、何をしたかったんだっけ。もしもお父さんたちと離れ離れにならなかったら……偽らなくて良かったなら、どんな人生を過ごしてた? またどこにも居場所がなくなったから、高校の3年間で不良の役は終わり。 教団は僕が大学に進む事を許してくれたから(彼らが何を考えているのか、正直よくわからない。「将来、御子息様をお側で支えるのだから、それに相応しく教養を」などと言っていた。)、また新しい仮面を被ることにした。 ーーー 大学生!次に演じるのは、もっと明るくて、人に好かれる人間にしよう。将来のビジョンも定まっていて、それに向かって邁進していけるような。しっかり者がいい、自分のことは自分で選んで、周りの手を取って、弱者も助けられる人。 教団と両親の前で被っていた仮面もやめた。 今は、家でも大学でも、同じ『三木留夏』だ。髪を薄紫に染めて、大きなピアスもつけて、香水をふりかけた。体に悪いものも食べるし、酒も飲む。SNSでたくさんの人と繋がった。教団の集まりには参加しない。ただ、新月の晩の儀式にだけは立ち会った。 自由な行動は当然、みんなに叱られたけど、どうせあと、2年の話だから。2年経てば20歳になる。それまでの辛抱だったら、大したことがないように思えた。 本当に、お父さんは迎えに来るのだろうか? 今まで音沙汰もなかったのに、2年後には来てくれるなんて、あり得るのだろうか? もしも迎えに来なかったら、どうする? 10年後も、15年後も、20年経っても来なくて、ずっと待ち続けることになったら? 迎えに来てくれたとして、今更本当の「真」に戻れるのだろうか? ずっとその事を考えた。 ーーー 20歳になった。 10年後を迎えた僕の、僕なりに握りしめている在り方はこうだ。 きっとお父さんは迎えにくる。僕はそれを信じたいし、それを疑うことは今までの人生の否定になる。だから疑わない。きっと来ると、そう思って諦めたりしない。 舞台から降りずに、この劇を壊さないこと。それが今の僕にとって、ただ一つのやるべきこと。 それから先のことは、その時にまた考えたらいい。 ■■■は、時を待つ。 太陽が沈み、光の時間が終わる時を待っている。 夏の終わりを待っている。 本当の姿を、見つけてもらえるその時まで。 🎶Hello, world!/BUMP OF CHICKEN ➖➖➖➖➖ 【周辺人物】 四方山翔(よもやまかける) STR:5 CON:17 POW:3 DEX:7 APP:14 SIZ:8 INT:13 EDU:14 SAN:15 幸運:15 IDA:65 知識:70 耐久:12 MP:3 職P:280 趣P:130 DB:-1d4 教団の教祖の一人息子。「御子息様」と呼ばれている。留夏を追って同じ大学に入学した。19歳(1学年下)。 薄い紫色の髪、赤みのかかった紫の目。前髪が長く、片目が隠れている。一人称は「俺」。 ネガティブで暗い性格。留夏といる時だけ落ち着くことができるらしい。留夏からは手のかかる弟のようにも思われている。信仰心はかなり強い。(名前に地味に「ヤギ」が入っているのがマジで嫌なところですね。) 数年前、留夏と進路の話をしていた時、「本当は自由になりたいよ。大学だって行ってみたい」と留夏が言ったので、父親に密かに話を通し、留夏の進学を認めてもらった。そして自分も同じ大学に入った。 ○髪の色について 「なんで俺が染めると文句言われるのに、翔はその色でいいわけ?」 「俺は生まれた時からこの色だから。」 「あっそ……」 ○教団の『化け物』について 「『黒山羊たち』は、留夏のこと気に入ってるんだ。父様が言っていた。大層気に入っているから、沢山転がして、見つめて、舐めて、嗅いで、味わって、摩って、抱きしめて、満足いくほど大切にとっておいてから、食べようとしてるんだって。留夏はすごい。そんな風にあの方々に思ってもらえるなんて。 怖いの?うん、でも、大丈夫。俺が父様から役目を引き継いだら、留夏のこと、『黒のおかあさま』に頼んでみようと思うから。どうかすぐには食べないで、って。俺も留夏には死んでほしくないし。 それで納得してもらえなくても……うん、大丈夫。俺がきっと、留夏よりももっと美味しい匂いのニンゲンを見つけてきてあげるよ。だから安心して。留夏のことは守ってあげる」 三木夫妻 教団幹部の夫婦。 「わたし」「あなた」/「僕」「君」「お前」 落ち着いた声で優しそうに話す。 幼い留夏に読ませていた「大事な本」は教団が出版したもので、教団の歴史や思想を可愛らしくアレンジして描いたもの。 教団では『更なる豊穣の為』、教団内部での婚姻、二世三世の育成が推進されている。三木夫妻もまた、元々敬虔な教徒であり、教祖の許諾を受けて婚姻を結んだ一組である。子供を産み、育て、後継を育てることを条件に幹部の地位を与えられたものの、子宝に恵まれず、養子を引き取ることにした。 留夏と夫妻の関係は、親子というよりも「師匠と弟子」の関係に近い。夫妻は留夏を立派な信徒に育て上げようとしている。さらに本質を覗くのであれば、夫妻にとって留夏は「自分達が教団にとって価値のある存在であると認められるための道具」に過ぎない。 「ルカ」という呼び名に「留夏」と漢字を当てたのは二人である。生み、増える季節の「夏」がずっと続くこと。豊穣を祈ってつけた名前。また、三木の「木」と「留」を合わせて「榴」とし、ザクロの因子を込めた。子孫繁栄や、豊穣の象徴。 ○お守り 留夏のピアスを咎めた後、夫妻が教祖にその話をしたところ、意外にも彼は怒らなかった。「おしゃれをしたい年頃だよね」とだけ言った。 それを受けて三木夫妻は考える。「留夏の気持ちを尊重してあげるべきだ」「叱ることは叱ったから、」「そうだね、代わりに僕たちが」「私たちから」「神様の加護のある石を贈りましょう」 月のように黄色い石。以前に教祖が、「聖なる石だ」と信徒たちにばら撒いたものだ。それをネックレスに加工した。 留夏は大人しくそのネックレスを身につけて過ごした。そうすると、本当に身を守られている気がした。気のせいかもしれないし、教団のものを身につけるのは癪だけど………自身が「寄せ餌」になっていることも理解している以上、少しでも身を守れるなら頼りたくもなる。 だから留夏は、この「お守り」を身につけ続けることにした。ただし、ネックレスは趣味じゃない。大学進学に合わせて、自分でアレンジをし、ピアスに作り変えた。 右耳につけている栗みたいなピアスがそれ。 (両親はこの三角の石を「月に照らされた山」みたいって思ってるけど、留夏は「栗だな……」と思っているし、「栗のピアス」と呼んでる。) 先輩 同じ高校に通っていた不良の先輩。髪は色を抜いてほぼ白みたいだし、その髪もオシャレのつもりなのか伸ばしているけどパサパサだからかえって不恰好で、ジュースのストローをだらしなく噛むところとか、上靴に蛍光ペンで落書きがしてあるところとか、全然かっこよくないけれど、喧嘩だけは強くて、何にも怯えたりしない傲慢さが気持ちのいい人だった。 三木の家の事情を知ったのは、地元のヤンキーたちとの繋がりがあったから。 家ではお坊ちゃんヅラで良い子を演じ、自分達のテリトリーでは悪ぶってる留夏が気に入らなかった。 「なァ〜。遊びでやってんじゃねエんだよ。どっちもなんてゼイタクできると思うな」 御影真 三木留夏の役者。一人称は「僕」。父親のことは「お父さん」と呼んでいた。留夏のことは「ルカ」と呼ぶ。 茶髪に茶目。ふんわりとした髪質。 本来は冒険家でやんちゃ、素直、我慢強い性格。地味な色を好む。家族が大切。 本当の誕生日は覚えていない。 くまのマーちゃん 真の「ま」ーちゃん。意識的に切り離した本来の人格を熊のぬいぐるみの中に閉じ込め、留夏が連れ歩いている。(というごっこ遊び。)だってそうじゃないと、真だけ中に篭りっぱなしじゃ寂しいだろうからね。 その為、留夏が「留夏」を演じている時でも、マーちゃんに話しかければ本来の「真」が話をしてくれる。 例) 友人A「夏休みにさ〜!蝉取りに行こうぜ!小学生に戻る遊びしよ〜ぜ〜!!」 留夏「うわ…。馬鹿じゃないの、この暑い中わざわざ外で虫を追いかけるとか……無さすぎ」 友人A「そんなこと言うなよ〜な〜マーちゃんだって良いと思うよな!?セミ取り!」 マーちゃん「うんっ!たのしそうだね!ぼくもやってみたい!(裏声)」 友人A「なー!!」 マーちゃん「ぼく、こどものとき、おそとであそんだことないけど……(裏声)」 友人A「なんだよその設定は〜!!」 留夏「(笑)」 施設関係者 施設職員たちは、三木の家の事情を知らない。本当に純粋な善意でルカを送り出していた。 留夏は施設を出てからも度々そこを訪れ、ボランティアで子どもたちの世話を手伝っている。(勉強を教えたり、一緒に遊んでやったり等。) それは大学生になった今も継続していることで、20歳が終わっても、続けるつもりでいる。 留夏が大学で作っている「ハンドメイド」作品の中には、販売するための物ではない、施設の子供たちに贈るための物も多く混ざっている。ぬいぐるみとか。周りには基本的に秘密にしている。 三木留夏 真が自分を守るために被った仮面。けれども、三木留夏が演じられていくうちに、留夏としての自我、のようなものも育ちつつある。留夏にとっての真は守るべき対象であり、大切な家族。行動原理は「真が傷つかないこと」。そのために、真にとって大切な約束は守るし、自分自身が真にとって理想の人間であれるよう努力している。 四方山栄禰(よもやまさかね) 教団の代表者。日本独自のオリジナル教団なのかもしれないし、世界規模の教団の日本支部なのかもしれない。とにもかくにも三木留夏の関わる教団を束ね、信徒たちから教祖と仰がれているのがこの男。翔の父親。がっつり魔術に手を出している。 生まれつき体が弱く、子の出来にくい性質だった。 信徒の女性を利用して神話生物の性質を宿した子を孕ませ、赤子が生まれた後に始末した。その子を後継として育てている。翔には「母親は体が弱く、お前を産んだ後に亡くなったのだ」と話しており、翔はそれを信じている。 子供じみた「世界を我が物にしたい」という欲求を抱えて行動している。 ➖➖➖➖➖ (闇の素振り) --もし、この1年間、何も起こらなくて。 21歳になる誕生日の前日、それまで待っても迎えがないのなら。 『俺』がこの『舞台』も壊してしまおう。そうすれば、真は絶望しないで済むから。「きっと、明日には、迎えが来るんだ」って、希望を持ったまま死んでいける。その方が幸せだ。 ずっとずっと一人で、一人ぼっちで耐えていた真。『俺』はお前の味方だからね。『俺』がお前を守るから。 (光の素振り) --ねえ、ルカ。大丈夫だよ。君は僕の理想だから、きっと、優しすぎるんだね。 心配しなくても僕は平気だ。 思い出がおぼろでも、僕の中には家族を大切に想う気持ちがある。それは、紛れもなく二人と共に過ごした時間が作ったものだと思うから。この気持ちは、父さんや母さんが残してくれたものなんだ。 だから大丈夫。迎えに来ないかもしれないことも分かってる。会いたいよ。迎えに来て欲しい。でも。それが叶わなかったとしても。 僕は二人に愛された息子として、これから先も生きていきたい。 だからルカ、僕たちを終わらせたりしないで。この仮面を捨てる日が来ても、君は僕の一番の友人だ。友人として、僕のことを側で見ていてよ。 🎶 暗く黒く/ずっと真夜中でいいのに。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
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