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特徴:5-6　異物への耐性　POT対抗+20補正 特徴:6-6　急速な回復力　耐久力回復+1 職業P:[EDU*10+DEX*10]　差分+20 技能:芸術（演劇）、コンピューター、心理学、説得、電気修理+関心3（回避/聞き耳/図書館） 特記:APP+1かCON+1（CON採用）。ネットの噂話に関する〈図書館〉+10 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 登場人物:月絵埜　セラ（つきえの　せら） 『むむむー！　事件の香りですね～～～～ッ！？　この事件！　名探偵のセラにお任せ！』 『はわ～～～～！！　い、イケメン！？　セラ……この人のコト……スキになっちゃいました～～～～！！』 『カエルの子はカエル！　つまり、お父様が名探偵なので、セラも名探偵なのですっ！』 名前：月絵埜　セラ（つきえの　せら） 年齢：15 性別：女 性格：惚れっぽい猪突猛進娘 信条：イケメンは……正義……ですっ……！ 　名探偵、月絵埜　潺（つきえの　せせらぎ）の愛娘。甘やかされて育った為、自分のことを天才だと思っている。非常に面食いでイケメンに弱く、すぐに「運命の人」を見つけてしまう。探偵としては有能（ほんとに？）。お調子者的なところもあるが、義理堅くスジは通す性格。 　……という設定で活動している怪盗。協力者は大富豪、束継正蔵（つかつぎ　しょうぞう）。 　セラはスリルに興奮する性格であり、危険なミッションに挑むときほど生を実感できる人間である。正蔵の元で活動しているのは、正蔵があらゆる金銭的バックアップを行ってくれる存在であり、彼の庇護下にある限り金の力であらゆる装備を用いて怪盗行為に及べるからである。 　また、正蔵は金ばかりを持て余し、人生に退屈している老人だ。彼にとってはセラの怪盗神話を演出するのが老後最大の楽しみだ。彼女が怪盗として世を騒がせる度に新聞を眺めながらニンマリしている。彼女が盗み出した物品は全て金に換え、孤児院などに寄付してついでに社会貢献している。 　二人は互いの享楽の為に手を組んだパートナーである。うら若き少女怪盗と金持ち老人が目を付けた次の標的は――――とある一族の持つ『天使の心臓』だ。 　尚イケメンには弱い。 『このホシにいる限り、誰も月からは逃れられない。夜に乗って、あなたを迎えに来るわ！　月夜の怪盗！　参上～～！』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ PC:朧月　永（おぼろづき　はるか） 「――――僕が欲しいのは自分自身だ。僕は自分を取り戻したい……。僕は、水底に沈んでる僕は、誰……？」 　記憶喪失の少年。10歳までの記憶がなく、「永」という自分の名前以外の全てを忘れてしまった。現在は永が浜辺に打ち上げられているのを発見した老夫婦の朧月夫妻の養子として暮らしている。 　老夫婦は彼を発見した当時に当然警察に届け出ており、身元の捜索も行われたが、不自然なほど彼に関する情報は何も出て来なかった。捜査は難航。記憶を取り戻すまで家にいてはどうかと老夫婦が提案したのをきっかけに、ほぼ捜索打ち切りとなる。老夫婦は「記憶を取り戻すまでとは言え、この歳になって可愛い息子が出来るなんて嬉しいのう」と喜んでいる。それについて永に不満があるはずもなかった。彼にはそれ以前の記憶がなく、他に行く宛てもなかったのだから。 　老夫婦の元での暮らしはなかなかに幸福だった。それでも、彼の心は毎夜苛まれ続けることになる。 　夢を見るのだ。覗き込んだ水の中に、自分の顔が映っている。失ったはずの自分自身が、酷く悲しそうな顔でそこに映っている。まるで忘れないでと苛むように。思い出してと恨むように。彼はずっと、ずっと、水の中から、手を伸ばしている。しかしその手は水面に遮られて届かない。それが酷く哀れで、夢を見る度苦しくなる。自分は誰だったのだろうか。今の安寧に身を浸して、新しい人生を生きていくのは、間違いなのだろうか。 　一つ歳を取り、二つ歳を取り……一つ一つ、大人になっていくのに。水面の中には、記憶を失った頃の自分がずっと映っている。まだ許されないのか。そんなにも、失った己自身は、取り戻さなくてはならないものなのか。――――僕は一体、誰だったんだろう。そんなに、忘れてはいけない何かが、あったのだろうか。 「僕は誰なんだ。なぁ、きみは、僕は誰」 「教えてくれ……僕は…………何を忘れてしまったんだ」 　彼は徐々に焦燥し、あらゆる手段で自身の記憶を取り戻そうとするようになる。その一つが芝居だった。彼は様々な自分の可能性を人格として演じることで、本当の自分を探ろうとした。水底の自分――――本当の自分――――は明るい性格だったかも知れない。お金持ちの子息だったかも知れない。もしかしたら、心は女の子だったのかも……。答えは分からない。分からないまま、彼は演じ、その様子を動画に取ってネットに流した。誰か、本当の自分を知っている人は、いないのだろうか……。 　そして彼は動画コメントの書き込みから、体験型脱出ゲーム『ホテル・パリアッチ殺人事件』のことを知る。望む物を一つ、どんな物でも。そのフレーズに惹かれ、参加を決意した。 　欲しいものは自分自身。いつか失った水底の自分。ただそれ一つ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ≪真相≫ 　本名は春笠　永（ときかさ　はるか）。双子の弟に春笠　久（ときかさ　ひさし）がいる。 　母親は一卵性双生児の出産後、蒸発。二十代前半の父親が一人で双子を預かることになったが、子育て経験も覚悟もない男が一人で同時に二人の赤子の面倒を満足に見るのは不可能だった。早々に双子の世話は杜撰になり、殆ど諦め半分で双子の養育を始める。いつでもリタイアが可能なようにと、彼は出生届を出さなかった。そのため双子は書類上「存在しない子供」である。 　彼らはそのまま、10歳まで自宅のみで育てられた。テレビと本から得た知識を元にお互いと話して過ごし、ある程度の知識を有している。そのころには父親は血を吐くような思いをして育てた双子を愛するようになっていたが、それが逆に彼を追い詰めていた。自身の覚悟の甘さから無戸籍のまま育ててしまい、学校にも行かせていないのだ。また、彼には子供たちの他にはもう何もなかった。愛するほど罪悪感に囚われ、精神のバランスを崩した彼は、ある日心中を図ることにした。それだけが、どうしようもない自分が出来る愛の証明だと思ったからだ。 　父親は、岸壁上で久を付き落そうとした。それを永が庇った。波の高い日だった。荒れた海は、心中日和を祝ってざざん、ざざんと、高く歌っていた。 　永の軽い身体が浮く。波が岩肌を打つ音が大きくなって。その瞬間、永は咄嗟に手を伸ばして思ってしまった。 「久、一緒に――んでくれ」と。 　元は一つの卵だったからか。同じカエルの卵から孵ったカエル同士だからか。久も似たようなことを考えた。 「永、一緒に――にたい」と。 　久は自分自身の片割れを追いかけて海に飛び込んだ。 　春笠　永が最後に見たのは、自分を追いかけて海に飛び込む久と、その後ろで半狂乱になって叫びながら二人を助けようと手を伸ばす父親の姿だった。 　その瞬間、心の全てが確かに満たされていた。

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