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アンティークショップの店員。 (※技能値：古物研究科で振っている) 顔から首にかけて大きなケロイドがある。 ケロイドが引き攣れて、片目は半分塞がりかけた状態。 これは産みの母親がパニック発作を起こし、それを宥めようとした際に暖炉に放り込まれた時にできたものだと記憶している。 良く覚えてはいないが、ただただ熱くて痛かったのを覚えている。 見た目の醜さを憎んだ実の親に、7歳の時に捨てられた。 エリック（ＫPC）に10歳の時に拾われて育てられた。 ただパンや果実、はては宝石の盗みを働いては殴られたり仕置きされ放り出される、という浮浪生活をしてふらふらと歩き回っていた時にふと美しいアンティークショップが目に入る。 ショーウィンドウ越しのアンティーク達はニックの片目にとても綺麗に見えた。 その時後ろから声を掛けられる。 興味があるのかい？と尋ねたその声に振り返る、普段は見たもの全員が目を丸くしたその後にすぐ忌まわしそうな顔をするか顔を背けるケロイドの顔を見て、彼は少し目を丸くした後に微笑んだ。 手にとって見てみるか尋ねられ、言葉があまり話せないので困惑しながらも店内に入り、数々のアンティークに圧倒される。 泊まっていくかい、と尋ねられた。 正直内心とても困った。 いままでそう言ってくる連中は「顔を見なきゃ使える」と言いながら姦淫の罪を重ねる様な連中ばかりだったからだ。 だがエリックはそうでは無かった。 見窄らしく汚らしい体を温かなお風呂に入れ、食事を与えて寝床をくれた。 そうして泊まったその晩、初めてなんの見返りもなく寝食を与えてくれる人がいるのだな、と久しぶりに柔らかいベッドで眠った。 エリックが何故自分を拾ったかを尋ねるのがとても怖いので、尋ねていない。 そして何故独り身のエリックがこんなに広い家に住むのかも、聞くのが恐ろしい。 入ってはいけないと言われた部屋は複数あり、それには絶対に入っていない。 なぜかエリックに拾われて穏やかに過ごしていたが、あるとても冷えた日に暖炉をつけようとしていたエリックを見て震えが止まらなくなる。 青褪めたニックとケロイド、視線の先の暖炉を見て大体を察したエリックと共に毛布でくるまり、その日は暖炉を消して二人で毛布の中で眠った。 視力も弱くなった方の、引き攣れた目から涙が溢れた。 今でも余り暖炉のそばには近寄らないし火かき棒で暖炉を起こす事はしないが、パニックや震えを起こしたりはしない。 最低限身を守れる様に、と足技を教えられた。 エリックに教わるがままに抽象画を描いていたら、君にもう教える事はないねと優しく撫でられてから、エリックが描く絵画を見ていない。 それがとても辛いことの一つ。 だけども筆を折ったらエリックに捨てられるのでは、という恐怖が成人した今でもあるのと単純に絵を描くのは好きなので描いている。 仕事はエリックの店のバックヤードで、絵画を描いたり持ち込みのアンティーク品の目利きをすること。 描いたものはエリックが店で売る。 過去、盗みを働いた経験も相まって、盗品や偽物には敏感で、そういった悪事を働く客を見分ける事でエリックの事を救っていると自負している。 左半分の顔以外殆どケロイドに塗れた自分を見て街の人は驚いてしまう為、普段は長袖長ズボン、そして顔に分厚く包帯を巻いている。 エリックには外せばいいと言われているが、前にバックヤードにいきなり入ってきたお客が、ニックの顔を見て悲鳴をあげて逃げたのをきっかけに、エリックの店の評判を落としてはならないと思って付けている。 好きな食べ物は果実。フルーツならなんでも好き。 嫌いなものは甘いお菓子。幼い頃に出会った不埒ものが、欲の渦巻く狂宴のあと与えてきたのが必ず甘いお菓子だったからだ。

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