タグ： 蹂躙するは我が手にて

■概要■ 　彼は代々医者をしている家系に生まれた。神話における楽園、エリュシオンから名付けられ、その名前の通りに人を救うのだと早くから医者を志していた。 　幼い頃から神童と名高かったその才覚は医者を目指し学んだ医学だけに留まらず、彼が医者として必要だと考えた全てにおいてそれは発揮された。 　そしてその才覚によって彼は、国一番の医者になるよりもより確かな技術と発明を国に遺すことが多くの人を救うことになると見出す。 　しかし、彼の発明は時として薬が毒となるように、彼の志しを外れる結果を齎してしまった。 　もちろん、彼の発明は戦争初期は治療や健康保持のために使われていた。しかし、彼の技術が他国に流出したことがすべての歯車を狂わせた。 　強く長持ちする兵士を敵国も持てばどうなるか、それはさらなる力を持ち抵抗するしかない。彼は自らの技術を自らの手でねじ伏せることを求められた。　 ■略歴■ 　幼少から飛び級を繰り返し10代の頃に博士号を得た。 　一度博士号を取った後、同大学の別の学科で学ぶことを繰り返し二十になるまでに様々な学問分野を修めた。 　その後は戦争の機運もあり国からの招聘により技術研究所へ移籍。 　世に出した発明は、細かいものも合わせれば数百にも及ぶ。 ■性格■ 真面目でひたむきで頑固。 知的好奇心は相応にあるが理性の人。 根本的に性善論。 医者として冷静で落ち着きがあることを良しとしているため、普段はあまり声を荒らげたり感情的になったりはしない。 ただ、そんな彼にも怨み辛みといった人間らしい負の感情は存在し、慣れないそれに振り回されている。 ■容姿■ 痩身中背の男。 重度の近眼と乱視が片目にだけあり、そのため自作の義眼を入れている。 生来の銀の目と義眼である瞳孔が赤い銀の目を持つ。 東方生まれの祖母譲りの黒髪を持つが、全体として白人系の見た目である。ただ、細みで若見えしがちなのは東方の血なのかもしれない。 ■二つ名■ 『現代の金丹』 →彼自身が東方の血を引くことと、医者と技術者としての才覚が不老不死すら可能にするのではないかと思わせるものであるところから。 　また、彼自身の姓であるヴァーミリオン(朱色)と彼自身が世界を富ませるようでいて蝕む要因となっていたことから、実際の金丹が不老不死の妙薬であるどころか水銀で出来た遅効性の毒であったことを揶揄している。 ■D国について■ドゥムイリス王国 通称『虹の国』 色の家名を持つ一族が強い権力を持つ。前時代的な貴族制度に回帰した国。 紫が最上位にあり、基本的に色によって権力の強さは変わってくる。 現状の最高位は王家のウィスタリア。紫は王族。 紫　ウィスタリア　>　モーブ　>　クロッカス 赤青　カーマイン　=　インディゴ　>　カメリア　=　ヒヤシンス　>　ヴァーミリオン　=　セルリアン 緑橙　マリーゴールド　=　カクタス　>　etc…… 黄　シトラス　>　ミモザ　>　ジャスミン　>　etc…… 上記の序列。色相環を見ればおおよそその通り。 色の家名を持つ者はその色を身に着けるのが正装。ただ、それだけでは見分けづらいことが多いのでそれ以外にも家名がわかるような装飾品を持つ。 また、色の名前は花の名前に通じることも多いため、この国では花に親しみがあり、様々な花が風景に溶け込むように植えられている。 王家のお膝元である王都では毎年藤が咲き誇り、その時期には大きな祭も開催されている。 平和な情勢下では風光明媚な観光立国。 国民性も基本穏やかで、草花を愛でることを好む者が多く、管理されつつも自然が残っている。 そういった風土のため療養地としても広く知られ、医学・薬学が発達している。 この国の国旗には白地に下がり藤と金円のデザインがされている。 藤は王家の象徴であり、白は国民、金円は太陽と平和を表す。 ■文化■ 花を贈ることに様々な意味が付随する。 例えば花の家名を持つ者に同じ名前の花を贈るのは好意を伝える意味がある。ただし、萼から上だけの場合は絶縁を意味する、など。 貴族における求婚は相手の家の色の花と自分の家の色の花を贈るのが通常。承諾の時は贈られた花を身に着けて相手と会うのが通例。 そのため、家名に花が無くとも大抵の家は自分の家を示す花を持つ。 また、どこの家にも必ず温室があることでも有名。 ハーブティーや花茶が主流。 食に関しては海に面した国であることから海産を中心としたレシピが豊富。 ■産業■ 一番は観光産業。 またそれを支えるサービス業が発展している。 また、観賞用の園芸作物の生産も盛ん。 平野を中心に国土を持つため、農業地帯は広いが園芸作物中心で国内の食産業の比重はあまり高くない。 他にも畜産業は割合が少なく、羊や山羊をメインとしている。 主要作物はオリーブ、オレンジ、小麦、塩、その他園芸作物。 それ以外は輸入に頼っているものも多い。 ■お家について■ ヴァーミリオン家は御典医の家系で、王家からの信を置かれている。 戦時中の御典医はエリュースの父が勤めていた。 この家は王国の医学の元締のようなものであるから、貴族以外の国民にも良く知られている。結構影響力のある家。 家紋に蛇の意匠が施されており、家に連なるものは蛇をモチーフとした装飾品を身に着けることが多い。 家花はサルビア。 ■人間関係■ ヴァーミリオンは仕事の関係上、幼い頃から王家との付き合いが存在する。 ゆえに、現状の王家ウィスタリア家の面々とは知人である。主従であり、医療助手と患者であり、パトロンと研究者でもある。 また、エリュースはカメリア家の次女と婚約関係にあった。 □ウィスタリア王家 基本属性として非戦主義。 自然と平和を愛する。 国王、王妃、王女、二人の王子が在籍。 リュサンドロス・国王 キュテレア・王妃 カイキリア・王女 エレアテリオス・王太子 カリニコス・第二王子 □親しい人物 エレアテリオス・ウィスタリア 金髪紫眼。 王太子。幼い頃からの学友で、将来的にはエリュースは彼の専属医師かもしくは側近となることが期待されていた。 戦後、戦争の責任をとって父親が引退する予定なのでもうすぐ即位予定。 カリニコス・ウィスタリア 金髪碧眼。 第二王子。幼い頃から兄の友人で学友のはずのエリュースが何故か大学の同期で驚いた人。 戦中はわりと前線に近いところにいて、バースバシュ帝国との交戦経験あり。 イレーネ・カメリア 白髪緑眼。 エリュースの年下の婚約者。戦争が始まる前は彼女の成人を待って結婚する予定だった。 末っ子で、身体が弱いこともあって心配した家族が国一番の医者の身内にと推した婚約。 ニコラウス・セルリアン アリアドネ・セルリアン 茶髪青眼。 エリュースとは幼馴染みで男女の双子。 セルリアンの家はヴァーミリオンと真逆で外的の排除を使命としている。王家の護衛であり裏では暗殺者の家系。 戦後すぐに、エリュースに殺してあげようかと聞いてくる関係性。

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