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ファッション系芸術家(2015)ベース 加齢ルール適用 信頼のおける人 異性が苦手(D) 追加60P ―――――――――――― マフィアが無条件に施しを行うことはない。 彼らは必ず見返りを求めるだろう。 その手に縋ることは、すなわち破滅を意味する。 ―――――――――――― ○人物像 アダム=サリヴァン。 献身的で善良な心を持つ、穏やかな雰囲気の男性。 自己より他者を優先し、他人の望みを叶えることをこそ自身の喜びとする。 リチャードとその妻に惚れ込んでおり、彼らからの信用も厚かったため、二人からいつかHO1が立派になったときには渡してほしいと「指輪」を託されている。 少々惚れっぽく、大抵の人にはすぐに好意を抱く。それゆえに女性とのトラブルが多く、若い頃にたいへん苦労したため、今は距離を置きがち。 好きなやつにはなんでもしてやりたくなるし、とことん尽くしたくなる性分。 尽くしすぎて相手を堕落させてしまうこともしばしばあり、彼をよく知る者からは、他人の欲望をこれでもかと引き出してくる「まるで悪魔のような男」という形容をされている。 「見栄を張るのは得意じゃないから、自分はマフィアには向いていない」と謙遜しつつも、見た目には気を遣いそれらしく着飾っている。 お酒にはあまり強くないが、付き合いのために無理をして飲むことも。波風立たないように他人に合わせるクセがある。 誰に対しても親身に接する彼に、信頼を寄せるものは良くも悪くも多い。 そうして彼を案ずるもの、信じるものが、彼の代わりに汚れ仕事を引き受ける。 彼が暖かい部屋の中で子供たちと談笑しているとき、外では彼の代わりに誰かが血で汚れているだろう。 聖人のような悪魔。みんな愛してる！ ―――――――――――― 以下は読まなくてもいいクソ長過去設定！ ―――――――――――― ○幼少期〜 孤児であり、アメリカのとある教会で幼少期を過ごす。 汚職の蔓延る教会のなかで自我を叩き潰され、奉公のため従順になるように育てられた。 見目がよかったためその筋の大人に重宝されたが、声変わりを機に「美少年」としての価値がなくなってしまい、虐待同然の扱いを受けるようになっていく。 詳細は不明だが、ある日ふらふらと外をひとりで歩いていたらしい。意識朦朧の状態、そこへリチャードが通りかかり、ただならぬ様子を見かねて拾われた。 アダムの最初の初恋は、この時のリチャードに対してだったかもしれない。 マフィアに加入した当初は、意思薄弱なぼんやりとした子どもだった。 しかし感情がまったくないわけでもなく、誰かの役に立てば嬉しそうにし、人間が目の前で死んだ時はぼろぼろに泣く。 あまりにも純粋なように見えたため、周りにも「マフィアとしてはやっていけないだろう」「リチャードはなんでこんなやつを拾ってきたんだ」と煙たく思われていた。 しかし、試しに人を殺させてみると、彼は躊躇いなくそいつを「殺してから」泣き、泣きながらも事後処理をする動きに迷いがなかったため、それを見た周囲の彼に対する印象も変わった。 そうして彼の評価が「仕事の出来ないやつではない」から「仕事の出来る便利なやつ」になった頃には、すっかり仲間内からの信頼を勝ち得ていた。 ―――――――――――― ○青年期〜 問題は、アダムが人に尽くしすぎることだった。 彼は貧しい人や困っている人たちに求められるまま施しを与えて回り、それに対して何の見返りも求めない。 マフィアの仕事は他人に貸しを作り、必要な時にそれらを徴収すること。金も土地も店もそうやって懐に収めていく。 その信頼関係を作る下地作りこそが大変なのだが、しかし彼は何も奪おうとはしなかったため、結果として他の仲間たちに手柄を横取りされることがほとんどだった。 「お前があいつらに甘い顔をしていてくれるから、俺たちの手間が省けて助かるよ」と仲間から揶揄されても、「役に立てたならよかった」と笑っている。 さすがにリチャードも、仕事は出来るはずのアダムが何も成果を出していないことに違和感を持ち、問いただした。 するとそのようなことがわかったので、リチャードは「それではお前自身は搾取されるばかりだし、あいつらもお前に依存して堕落するばかりだ」と一喝。 堕落しきった周囲から引き離す意味も含めて、リチャードは彼を手元に置き、ときどきリーの面倒を見させたりした。 ―――――――――――― ○〜現在 諸々が落ち着いた頃、リチャードに子供ができたことで、彼は世話役として任命される。 その理由は、裏切りや下克上からはほど遠い人間性であったこと、そしてアダム自身の成長のためでもあったのかもしれない。 彼自身としても、妻を失い傷ついたリチャードを少しでも支えたい一心で世話役になった。 やがてリチャードの子供(HO1)の面倒を見るうち、「自分がしっかりしなければ」という自我が芽生え、自他を狂わせるほどに尽くしすぎることは無くなった。 子供が自立し、友人などが出来るようになってからは、ちゃんと適切な距離をとって接している。 しかし、根本的にはやはり人に尽くすことが生きがいであるため、新入りの世話やメンタルケアなどに積極的に赴いては、リチャードに「あまり癒着しすぎるなよ」と釘を刺されているかもしれない。 好きなやつには、なんでもしてやりたくなるんだよなぁ……。 ―――――――――――― ○リチャードの妻について リチャードの妻とは、複雑な気持ちで接していた。 彼女は自分に頼ることがなく、誘いにも乗らず、何も尽くさせてはくれなかったけれど、代わりにたくさんのことを教えてくれた。 余裕に満ち、決して堕落しなかった。 彼女が弱さを見せ、頼る相手は、リチャード以外にはいなかったのだと思う。 彼女のこともリチャードのことも同じくらい愛していたが、だからこそ何も尽くさせてくれなかったことも、堕落してくれなかったことも……少しだけ、歯がゆい気持ちだった。 はじめて会ったときに、アダムの経歴を聞いた彼女は「悪魔みたいな人ね」と、こころよさそうに笑っていた。 それで、なぜだか少し、彼も気が楽になった。 彼女がそう言ったその時から、周りのマフィアたちにもなんとなくアダムの存在が受け入れられるようになっていったように思う。 子を産む時、女はひとりぼっちだ。 あなたのために、なにもできなかった。 まだ彼女が生きていた頃、HO1が立派に育ったとき、これを渡して欲しいと「指輪」を託された。 それは今も肌身離さず持っていて、いつか次期ボスに渡す日が来るのを待っている。 ――――――――――――

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