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｢芋虫。｣ KPC 榎本先生のクラスの生徒。 のほほんとしていて、少し掴みどころがない印象。 クラスの中心人物という訳では無いが、友人は多い方。 真面目か不真面目かで言えば不真面目寄り。ただ優しくて人当たりはいいためそこまで悪い印象は受けないし、特に大きな問題を起こしたりもしない。怒られてもへらっとするのが瑕。 部活は弓道部。割と戦績はいいが、たまにサボる。 榎本先生に対してよく話しかける。 社会科がある度に｢ここってどうやって勉強するんですか〜？｣｢わかんなーい｣と質問(？)しに来る。 真面目にアドバイスすれば割と真面目に聞く。 たまにプライベートな事を聞いてきたりもする。あしらってもへらへらして次の日も聞いてくる。 □ あの人が好き。多分一目惚れ。恋に落ちるのなんて、ほんの一瞬なんだと、出会ったあの時思い知った。 昔から演技は得意。新しい父親はご機嫌とってれば優しいし、兄は無視してればこっちに危害を加えてこないし。昔からそうやって生きてきたもの。 だからこの思いは悟られない自信があった。普通に話しかけられた。きっと先生から見たら普通の生徒。隠さなきゃ。だって絶対叶わない恋だから。 最初は遠くから見てるだけでよかった。だってあの時は担任じゃなかったし。 なのにいつからか、それだけじゃ物足りなくなった。 先生が誰かに会って、誰かと話して、誰かと一緒にいる。そんな当たり前のことが腹立たしくなった。 なんで、なんで、なんでなんでなんでなんでなんで。 こんなこと思うの間違ってるって分かってるのに、もう抑えきれなくて。 でも、それでも隠すのは上手だった。 3年生になって、先生が担任になった。 憧れの先生が、目の前にいる。 毎日会える。話せる。私を見てくれる。 嬉しい。嬉しい。嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい。 夢のようだった。毎日話しかけに行った。だってバレないし。きっと普通だし。明日も、明後日も。 だけど膨れ上がった想いは想像以上に大きくて。 気がついたら好きすぎて、想いすぎて、大好きで大好きたまらなくて、手に入れたくて仕方なくて。 憎くなった。 なんで私こんな思いにならなきゃいけないの？ 私の想いなんて知らないから、そうやって他の人と話して、目を見て、会って。 おかしい。だって3年間、ずっとずっと、思い続けてきたのに。誰よりもあなたが好きなのに。こんなのおかしい。どうして気づいてくれないの？ なんで、なんで、私は普通の生徒なの？ どうして。 ああ、きっと私のこと嫌いなんだ。 嫌がらせしてるんだ。 酷いよ先生。 だから、私が酷いことしても、文句言えないよね？ いいよね？ だって先生が好きなんだもん。 許してくれるよね。 相棒ポケモン：カラナクシ(にしのうみ)

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