タグ： みおづき るま

ピアスは片耳のみ付けてる。 琉舞はとても恵まれていた。 何をしても物事が上手くいく人生で何不自由なく育った。神に愛されているのか運がとても良く、何か困った事があっても親や友人など周りの人間にいつも助けられていた。 しかし、それは琉舞だけの話である。 琉舞の周りの人間は苦しんでいる人が大半だった。個人的な悩みを抱えている人も居たが、琉舞が原因で悩む人間も少なくはなかった。その事に気づいた琉舞は、いつも助けてくれる皆の為に恩返しをしたいと悩みを聞いて手助けをしようとするが...反って逆効果になる事が多かった。 しかし、そんなトラブルがあっても幼馴染であり親友である女性がいつも手助けしてくれていた。彼女が居るからこそ琉舞はトラブルに巻き込まれても上手くやっていけていた。 しかし、ある日...彼女は亡くなった。 高校の帰りに寄り道をして遊んでいた2人だったが、見知らぬ人に彼女は殺された。 彼女を守らねばと抵抗をしたが、琉舞には誰かを守る力なんてなく呆気なく殺されてしまう。 そして琉舞の絶望した顔を見て殺人鬼は満足そうにして去っていった...。 その時、琉舞は気づいた。 ずっと周りの人間に助けられてばかりで、自分は何もできない人間なのだと。運と他人頼りの人生だった為、自分自身は無能で何の力もないことに。 だから琉舞は強く誓った。 他者を助けられるほど強くなって将来は多くの人間を助けてみせると。そして彼女を殺した人間を自らの手で裁いてみせると。

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