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ゴブスレTRPG PC作成ツール
ザミエル
ID:4352372
MD:b37f38d1c922a75a2e92d27559c2fb1c
ザミエル
タグ:
ゴブスレ(もちもち)
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能力値・HP
種族
只人
鉱人
森人
蜥蜴人
圃人
闇人
獣人/格闘態
獣人/剛力態
獣人/俊敏態
獣人/知覚態
獣憑き
昼歩く者/ダンピール
昼歩く者/クルースニク
昼歩く者/ズドゥハチ
只人
鉱人
森人
蜥蜴人
圃人
闇人
獣人/格闘態
獣人/剛力態
獣人/俊敏態
獣人/知覚態
獣憑き
昼歩く者/ダンピール
昼歩く者/クルースニク
昼歩く者/ズドゥハチ
只人
鉱人
森人
蜥蜴人
圃人
闇人
獣人/格闘態
獣人/剛力態
獣人/俊敏態
獣人/知覚態
第1能力
生命
移動
呪文
回数
呪文
抵抗
体力
魂魄
技量
知力
出自
出目
0
1
2
3
4
5
0
1
2
3
4
5
0
1
2
3
4
5
0
1
2
3
4
5
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
-
来歴
奴隷
牢獄
戦場
神殿
孤児
平穏
貧困
学校
箱入
贅沢
宮廷
ボーナス
x
邂逅
宿敵
上司
後輩
取引相手
部下
家族
親友
先輩
婚約者
好敵手
師匠
修正
小計
能力値
修正
小計
体力
魂魄
技量
知力
生命
移動
呪文
回数
呪文
抵抗
第
2
能
力
集中
0
1
2
3
4
5
集中
持久
0
1
2
3
4
5
持久
生命x2
反射
0
1
2
3
4
5
反射
移動(装備込)
↑ページ上部へ
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通常表示
職業・経験点
冒険者Lv:
Lv
選択不可:
戦士系
呪文使い系
初期・獲得経験点
使用経験点
現在の経験点
戦士
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
魔術師
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
初期経験点
3000
-
=
点
武道家
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
神官
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
初期技能分
野伏
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
竜司祭
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
斥候
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
精霊使い
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
獲得経験点
死人占い師
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
使用経験点は初期取得技能分を
除いて計算
(初期習得技能を含めた使用経験点:
0
)
↑ページ上部へ
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呪文
Lv
技能
行使判定
維持判定
修正
判定
修正
判定
魔術師
神官
竜司祭
精霊使い
死人占い師
呪文
系統
属性
難易度
対象
射程
制限
効果など
クラスなど
↑取得レベルなどのメモにどうぞ
↑ページ上部へ
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通常表示
技能
成長点
初期
Lv分
成長分
経験値購入分
入手計
使用計
残り
初期技能と追加資金
技能の設定
する
↑これらは自動計算されます。
技能
タイプ
段階
効果など
クラスなど
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
冒険者技能
一般技能
-
初歩
習熟
熟練
達人
伝説
↑習得時期などのメモにどうぞ
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通常表示
武器・防具
技能
基本回避
戦士
武道家
野伏
斥候
(
)
武器
装
備
価格
用法
重量
カテゴリ
属性
命中力
ダメージ
参照
修正
技能
計
基本
追加
軽
重
片手剣
両手剣
斧
槍
戦鎚
棍杖
格闘武器
投擲武器
弩弓
戦
武
野
斥
+
備考:
軽
重
片手剣
両手剣
斧
槍
戦鎚
棍杖
格闘武器
投擲武器
弩弓
戦
武
野
斥
+
備考:
軽
重
片手剣
両手剣
斧
槍
戦鎚
棍杖
格闘武器
投擲武器
弩弓
戦
武
野
斥
+
備考:
合計金額:
G
↑自由編集用チェックボックス チェックすると自由編集ができます
鎧
分類
重量
回避
装甲
移動
隠密性
価格
備考
衣鎧
軽鎧
重鎧
軽
重
良い
普通(-4)
悪い(-8)
その他の修正
盾の欄に記載
鎧の小計 / 回避 技能
戦
武
野
斥
盾
分類
重量
盾受け
移動
隠密性
価格
備考
修正
値
小型盾
大型盾
篭手
軽
重
良い
普通(-4)
悪い(-8)
その他修正
-
盾を含めた合計値 / 判定値
G
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所持品・所持金
名称
単価
個数
価格
効果・備考など
所持品合計
G
武器・防具・装飾品の価格合計
G
アイテム入手・破棄時の所持金変化
なし(入手・使用時)
行う(購入・破棄時)
3割還元(売却時)
現在の所持金:
G、 預金・借金:
G
価格総計
G
※半額還元モードの間は
新しいものを購入すると計算が崩れます
。
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成長履歴
報酬額(アイテム入手・破棄時の所持金変化を行うにしている時)や成長点などはシートに自動的に反映され、追加されます。
回
達
成
経験点 / 獲得総計
点
成長点
報酬
計
G
メモ(セッションの内容など) 合計達成数:
達成経験
ボーナス
獲得計
1
点
点
点
点
G
2
点
点
点
点
G
3
点
点
点
点
G
4
点
点
点
点
G
5
点
点
点
点
G
6
点
点
点
点
G
7
点
点
点
点
G
8
点
点
点
点
G
9
点
点
点
点
G
10
点
点
点
点
G
11
点
点
点
点
G
12
点
点
点
点
G
13
点
点
点
点
G
14
点
点
点
点
G
15
点
点
点
点
G
16
点
点
点
点
G
17
点
点
点
点
G
18
点
点
点
点
G
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
パーソナルデータ・経歴
キャラクター名
タグ
年齢
性別
身長
体重
髪の色
瞳の色
肌の色
等級
経歴
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その他メモ
元軍人。とある戦闘が原因で深手を被い、全盛期の力は出せなくなっている。 煙が好きな性分で。火種から立ち上る煙を見て吸って嗅ぐと落ち着くらしい。 種族は闇人と只人の半人だったのだが、力が出ない時に偶然出会った吸血鬼によって昼歩く者にされてしまう。 だが、その時に見た吸血鬼の姿に一目惚れをしてしまう。彼に対して敵意など非ず、寧ろ忠義すら覚える程に。 恋という感情に嫌悪感を持っており、至高の存在である彼の吸血鬼に対してへの恋慕を唯一無二と考えているからこそ、恋などと安いものでそれを表現したくはないのである。 我は輝きに焼かれる者。届かぬ星を追い続ける者。 届かぬゆえに其は尊く、尊いがゆえに離れたくない。 追おう、追い続けよう何処までも。 我は御身の胸で焼かれたい——逃げ場なき焔の世界。 この荘厳なる者を燃やし尽くす—— 悲鳴と剣戟と爆音の狂想曲は絶え間なく、かつ容赦なく鳴り響き、街を人を根こそぎ壊し、鏖殺(おうさつ)していく。 鏖殺(みなごろし)——老若男女鏖殺(みなごろし)。世界の敵を根絶やしに。 正義、復讐、愛、平和、制圧、解放、自由、平等——お題目は何でもいい。 依る大義さえ手には入れれば、人はどこまでも残虐になれるという見本のような状況だ。 そう、たとえば—— この場所。 目も眩むような閃光に次ぎ、轟音と爆炎が炸裂した。 今の魔術で新たに数人——少なくとも死体として原型を留めている三人以上が、粉微塵の肉塊となって道に散らばっている。 「——っぁ、クソったれがッ!」 罵声と共に、塹壕から飛び出た男の手には紅玉の杖。 背後から弓兵の矢弾の雨に援護され、転がるように有効射程まで辿り着くや、目標地点に照準を合わせ詠唱する。 呪文が完成すると同時に、杖の先から焔の球が射出された。 目で追える程の速度で放たれたそれは、相手陣営の中に吸い込まれ——着弾。 熟練の魔術師による攻撃は敵兵の装甲を溶解し、数千度を超える炎と液体金属の奔流が陣営内を舐めつくす。 これは戦争——何も余計なことを考えてはいけない。 ただぶっ殺し、ぶっ殺し、ぶっ殺してぶっ殺せ。 正気でいられるわけがない。 死にたくなければ吼え猛ろ。 後ろは絶対振り向くな。 どこまでもひたすらに狂騒し、血の温度を上げ続けろ。 轟音悲鳴さんざめく中、祈りの様にそれだけ念じて、兵士達は殺し合う。 ここに残ったのは敗者達と、死肉を漁る禿鷹の如き勝者の群れだけ。 確定した死。 逃れられない敗北。 抵抗は無意味な自己満足に他ならず、救いなど何処にもない。 もはや絶望を通り越し、滑稽でさえある茶番だろう。 だがそれでも—— 「殺せ——殺せ、まだ殺せ!」 まだこの心臓は動いている。 この手は武器を握っている。 敵がいるなら殺さねばならない。 なぜなら、それが義務なのだから。 なんでもいい。一つでも、この地獄を許容するのに縋るものさえあるのなら、例え狂気であろうと祝福だ。 名誉と忠誠——今となっては狗に食わせるほどの価値もないが、少なくともこの状況で、命より軽いものなどある筈がない。 ——事実。 「これだけか......残ったのは」 敵の排除を終え、再び合流した仲間の数は、私を入れて三人しかいなかった。 この街区を守備していた隊は、彼等を残して全滅。もはや、どうにかなるような状況ではない。敵はまた、すぐにもやって来るだろう。 「残りの使用出来る魔術回数は?」 「先ほど、あなたが使ったのが最後ですよ、隊長。これはいよいよ、終わりが見えてきましたね。俺たちの負けです」 苦笑気味にまだ使える武器を手渡してくる若者を、私はきつく睨みつけるが、それ以上あえて何もしなかった。 私たちの負け。——そう、この戦争は私たち闇人の負けだ。街も蹂躙され、味方はばたばたと死んでいく。いずれ自分達も死ぬだろう。 「まあ、ここまできたら別にそれもいいですけどね。ただ、最期は格好よくいきたいかな。どうせ逃げられやしないんだし」 「......貴様、名前は?」 「ヨアヒム・フォン・リッベントロップといいます。隊長は?」 「私はザミエル。......ふん、まあ、名前も知らない奴と死ぬのは、お互いにご免だからな。おい」 隊長、ザミエルは、先ほどから一言も発さないもう一人の若者へと目をやった。 「貴様の名前は?」 「あ......その......」 怯えを隠せない表情で視線を彷徨わせるその若者は、ヨアヒムよりもさらに若い。 おそらくはまだ成人すらしていない。ザミエルに子供がいたら、これくらいの歳だろうか。 「マルコ・シュトゥッツと言います、隊長......」 「......そうか」 こんな子供に......などということをザミエルは口にしない。言ったところで意味がないし、敵は子供だからといって容赦しない。 何故なら自分達は、相手から蛇蝎の如く憎悪されている闇人の者である。たとえ降伏したところで、捕虜として扱われるなどまず有り得ないといっていいだろう。 ゆえに、どうせ殺されるなら戦って、その果てに。 ヨアヒムはその覚悟をすでに決めているようだったが、しかしこの少年は...... 「この争が終わったら、僕達の種族は、闇人は......どうなってしまうんでしょうか?」 「............」 「僕たちの家族や友人は、いったいこの先......」 「知らないな。そんなことは」 「どうせあれだ。勝った人達が偉そうに、俺たちを悪魔だ非人道的だなどと裁くのさ。笑わせるぜ」 これまで斜に構えていたヨアヒムが、一転、苦々しげに吐き捨てた。 「隠れ里に母さんと妹がいたんだ。なのに魔術でぶっ飛ばされて、骨の欠片も見つからない。悪魔だって? いったい何の冗談だ。俺たちは皆の為に戦ってただけなのに。それをあいつら......クソ、舐めやがって」 絶対に降伏などしない。だが、命を棄てて戦っても、すでに決した勝敗は変わらない。自分にそこまでの力はない。 そして、このまま負ければ我等の国は、そして子孫達は...... 戦という巨大なうねりの中で、非力な一兵卒にできることなど何もない。 それがただ口惜しく、呪わしい。ヨアヒムの独白に、マルコは何も言えず黙り込む。 「だから俺は——」 「——————ッ」 その瞬間に、側面から飛翔体が連続した。 咄嗟に伏せたザミエルとマルコは辛くも難を逃れたが、ヨアヒムは第一射で頭を吹き飛ばされ、続く攻撃で全身を蜂の巣に変えられる。 「......ちくしょうッ」 倒れ伏すまでの数秒、ヨアヒムの身体は敵の攻撃によって奇怪なダンスを踊らされていた。 これがつい先ほど、戦って死にたいと言っていた若者の、呆気なさすぎる最期だった。 これが現実。これが戦い。救いや英雄や奇跡などなく、ただ虫けら同然に人の命が消えていく。 だがそれに怒りや絶望の念を抱けば、瞬く間に自分も死の顎に捕らわれるだろう。 何も余計なことを考えてはいけない。ただ義務を果たす事だけを...... 「シュトゥッツ、聞こえるかシュトゥッツ!」 弾幕から逃れるべく、倒壊しかけた建物に転げ込んだザミエルは、力の限り残る一人の名を呼んだ。 だが、それに応えるものは——— 「——————ッ」 再び、閃光と轟音と爆炎。 魔術により吹き飛ばされた少年の上半身が、ザミエルのすぐ足下に転がっていた。 血と臓物の焼ける匂いが、戦場に充満する。広がっていく血の海に、ザミエルは力なく膝をついた。 「......あぁ、隊長......」 「すみません......僕は、お役に立てませんでした」 もはや一分と保たぬであろう、口を利けるだけでも驚愕に値する状態で、少年は微笑んだ。知らず、ザミエルは彼の手を取る。 「死にたくない、死にたくないです。ここで死んだら、僕たちはいったいこれまで何のために......」 「隊長、教えてください。僕たちは悪魔なんですか? 闇人は、ダークエルフは.......」 「喋るな、シュトゥッツ......」 こうしている間にも戦場は動いている。ガツガツと新たな軍靴の音を携えながら、敵が近付いてくる。 もう、マルコ・シュトゥッツは助からない。神であろうと救えない。 ならば今、兵士であるザミエルが握るべきは、少年の手ではなく武器の筈だ。耳を傾けるべきは、センチメンタルな戯言でなく敵兵の息遣いだ。 それは分かっている。誰よりも分かっているが...... 「僕たちは、悪いことをしたのでしょうか? だからこんな目に遭うのでしょうか? 人を殺す戦争が、良くないものだというのは分かります。でも、でも僕たちは......」 ヨアヒムは、私は、少なくとも大多数の兵士達は、ただ己が祖国と愛する者を守る為に、武器を取っただけだというのに...... それが、そんなにも悪いことだというのだろうか? 死に逝く戦場の中、少年は切れ切れの言葉で問い掛ける。それはザミエル自身、天の誰かに問い質したいことだった。 「......おそらく」 だが結局、数秒にも満たない煩悶の末、ザミエルは短く告げた。 「戦が悪いのではなく、戦に負けることが悪になるのだ」 それは真理。なんと残酷で、憎むべき真理。 ああ、だったら神よ———私はあなたを...... 「それなら......次は勝ちたい、です...ね.........」 天を仰ぐザミエルの腕の中、マルコ・シュトゥッツは静かに息を引き取った。血と泥に汚れてはいるものの、少年らしい苦笑を浮かべて。 「......そうだな、シュトゥッツ、リッベントロップ」 呟くザミエルの顔にも苦笑が浮かぶ。 「次は勝とう。次で勝てなければ次の次で、それでも駄目ならまたその次で......ふっ、百万回も繰り返せば、こんな結末を引っくり返せるかもしれない」 くだらない、死を目前にして自棄になった者の戯言......などでは断じてない。 ザミエルは武器を再確認し、壊れている場所が無い事を確認すると、いっきに物陰から躍り出た。 「勝利万歳!」 叫びは無意識に、そして喉も張り裂けんばかりの大声だった。 続く運命はヨアヒムのような蜂の巣か、それともマルコのようなものだろうか。 まあいい。どちらにせよ問題ではない。 糞ったれなこの負け戦を、糞ったれな死に様で終えるだけだ。 その為に無我夢中で呪文を唱え始める。相手に攻撃されても止まるものか、例え心臓を貫かれたとしても、例え首が離れたとしても、絶対にこいつ等を一人でも多く道連れにする為に。 「《ウェントス》!《ルーメン》!《リベロ》!」 オーバーキャスト 産み出したるのは魔界の核の力。己の限界を超えた呪文の使用、「限界突破」。 対象は己を中心とした自爆攻撃であった。 「......ああ、私は......皆は......」 意識が途切れていた私が再び目が覚めた時には、争いは終わっていた。敵兵の姿もなく、また味方の姿も居ない。 声を上げそうになる痛みを堪え、その場所を確認してみると、皮一枚を残して切断寸前状態になってしまっている四肢の姿が。 幸か不幸か、私は死体として認識されてしまったのだろう。でなければ逃がす筈はない。 戦いで死ねなかった、皆が祖国を守る為に命を賭して挑んだ世界で、生き延びてしまったのだ。 だが、この傷だ、そう長くは持たないだろう。 最期に思い浮かぶのは散っていった仲間達、護れなかった人々。ああ、世界はなんて残酷なのだ。 天にまします我等の父よ 願わくは御名の尊まれんことを 『Pater Noster qui in caelis es sanctificetur nomen tuum』 彼等に永遠の安息を与え 絶えざる光もて照らし給え 『Requiem aeternam dona eis, Domie et lux perpetua luceat eis』 我が祈りを聞き給え 『exaudi orationen meam』 生きとし生けるものすべては主に帰せん 『ad te omnis caro veniet』 我が魂よ 再び安らぐがよい 主は報いて下さるがゆえに 『Convertere anima mea in requiem tuam, quia Dominus benefect tibi』 それはレクイエム。戦場の死者に捧げる哀悼の歌。 友がいた。家族がいた。愛する人も存在した。自分はこの国を愛していた。 それが、この争いに負けたことによって汚される。永劫、消えることのない汚名を着せられる。 そんなことは——— 「許せない。薄汚い劣等如きが、我が物顔で我等の祖国を蹂躙するなど。女や子供や年寄りを、犯して殺して吊るすなどッ!!」 勝って祖国に栄光を。 死んでいった仲間や家族に安らぎを。 そして、未来の子孫達に祝福を。 何より、この己の魂に...... 「戦争は終わらない。終わらせてなるものか。何度でも何度でも何度でも何度でも、続けて続けて続けて続けて——」 勝利を。 「掴むまで———行こうじゃないか、無限に続く......戦場へ」 次で勝てなければ次の次で、それでも駄目ならまたその次で、百万回も繰り返せば、いずれはこんな結末など覆せるはず。絶対に。 レクイエム。悪意に塗れた、死者を嘲弄する鎮魂歌。 グランギニョル さあ、始めようか、新たな恐怖劇を。 この世で狩に勝る楽しみなどない 『Was gleicht wohl auf Erden dem Jägervergnügen』 狩人にこそ、生命の杯はあわだちあふれん 『Wenn Wälder und Felsen uns hallend umfangen』 角笛の響きを聞いて緑に身を横たえ、藪を抜け、池をこえ、鹿を追う 『Diana ist kundig, die Nacht zu erhellen』 王者の喜び 『Wie labend am Tage ihr Dunkel uns kühlt』 戯曲『魔弾の射手』より
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ
エラーメッセージ
・作成時の所持金は100G。余ったお金は所持金として残せる。
「
ゴブリンスレイヤーTRPG
」は川人忠明氏およびグループSNEの著作物です。