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とにかくモテたい18歳。 《〜くずはらひなたくん〜》 陽キャで遊び回っている割に赤点取ったことない。 クラスでは中位〜上位の成績。すご〜い。 むかし空手を習っていたよ。大会には一切出来なかったけどそこそこ上手。自衛出来る〜！ 家族想いで、家族との時間を大切にしている。「今日は姉ちゃんが早帰りだし、俺も今日は直帰する日！また明日埋め合わせするから許して！」と友達の誘いを断ったりする！スパブラ！(スーパーブラザー) 進路を決める高校三年生の時期、名探偵コ●ンや金田●少年を見て、「探偵って、絶対可愛い彼女いるよな。」と気付いた高校三年生。高卒で探偵になることを決意。ハイスピードで卒業し探偵になった。 　＊　＊　＊ 葛原陽向は元ヤンである。元ヤンとまでは言わずしろ、めちゃくちゃグレてた悪童である。 幼い頃空手を習っていたこともあり、ケンカもそれなりに強く人並みに器用。手癖も悪い。 INT18のバリバリの悪知恵も働き、他人のこと利用しまくっていいとこ取りばっかしてたいけない子。 頭のいい彼が何故非行の道に入ったかと言うと、「出来ない子」だったからである。 できない子？は？INT18どこいった？って感じだけど、葛原陽向は大器晩成型というか、知識と知識を繋げて形にしていくような人間で。最初は花開かなかった。 対して姉の葛原詩月(INT18)は天才肌で、なまじ最初から勉強ができた分、周りの期待もデカデカ。 姉と勝手に比べて「あ、自分は勉強したって姉ちゃんには勝てねーな。」とさっさと匙を投げた。 そんな陽向を両親は早めに見限ったし、陽向は悪の道にずぶずぶに浸かってく。でも、詩月だけは陽向のことを見放さなかった。 『悪いことしてたら、いつかきっと、本当に悪いひとになっちゃうよ』 「いや、俺もうほぼほぼ悪い子ちゃんになっちゃってっけど。姉ちゃんの中で、俺ってまだ悪いヒトじゃねーの？」 『悪いひとになれてないよ。陽向は。昔からね』 陽向にとっての家族は、姉ちゃんだけだった。 だから詩月が自分の非行行為を心配してくれてるのと同じように、陽向も詩月の奉仕癖、他人が良ければ自分はどうなっても良い！という精神に一応心配は持ってた。 でも、姉ちゃんに声掛けられても俺は変わらないし、俺から声を掛けても姉ちゃんは変わらない。 そういうもんだと思ってた。だからこのまんまで続いていくんだろうなって思ってた。 毎日なあなあに過ごしてた。 「姉ちゃんさ、損だなあとか思わないワケ？」 『……？何のこと？』 「父さんとか、母さんとかさ。頼りにしてるとかいいながら、結局姉ちゃんのこと上手く使ってるだけじゃんか。周りの友達とかもさ」 『……損だとは、思わないかも。誰に頼もうかなあって思って、私のことを選んでくれてるってことは事実だし、光栄なことだよ』 「きっしょ、奉仕精神エグすぎだからそれ」 『それにちゃんと得もしてるよ』 「？」 『陽向に好きなことさせてあげられる』 「……姉ちゃんのそういうとこ、ホント嫌いだわ」 『ふふ、知ってる。ごめんね』 ＊ ＊ でもね、ある日、なんとなくお姉ちゃんの様子がおかしいことに気付く。 なんとなく、なんか元気ないなあと感じた。 一つが気になり始めると、そういえば鍵をかけないはずの姉が自室とか引き出しとかに鍵をかけてることが目に付いて。 深夜に、夜遊びから帰ってきたとき、みんなが寝静まってるはずなのになにか物音がして。吐いてる姉を見かけた。 勘繰って部屋に持ち前の手癖の悪さで侵入して、精神安定剤とかも見つけちゃって。 でも、昼間の姉はいつもにこにこしててなんにも悩みがなさそうな顔してて。 姉のお薬手帳には、3年前から安定剤を処方されてた旨が書いてた。 3年間も間、姉の異変に気付かなかった。 そして、その地獄に両親すらも気付いていない事に気付いてから、悪の道をすぐ離れました葛原陽向。ここからはRTA。 夜遊びも辞めたし悪いお友達も切った。学校はちゃんと行くようになったし放課後は直帰するようになった。家族のことも大事にするようになった。 夜中とかは物音がしたらすぐ起きられるように浅くしか眠らなくなったし、姉が苦しそうならずっと隣にいるようになった。 姉を守る為に学び直した空手。 姉に生きて欲しくて、学んだ精神分析。 沢山努力を重ねました。姉の為に。 でも、それでも、止められなくて。 姉がある日『 』てしまってから。 姉を追い詰めた人間を、探すための探偵になりました。 他人の為に人生を使い潰した自己犠牲の姉に、自分のために生きてほしいと言い続けておいて。 弟もまた、人生を姉の為に費やそうとする自己犠牲の塊なのである。 【通過シナリオ】 匿名幸福論者は獨と踊る(PL)

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