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オスカー・スコルピオス・ジュニア 10月30日生 世界的企業や銀行を経営する資産家の旧家、Scorpius家の現当主。 本人はその家名の偉大さに反し、ちょっとのんびりした女々しいおじさんにしか見えない。 会社経営の傍ら、有り余る時間と金を芸術鑑賞や自分の趣味の勉強に使っている。 それに加え、趣味で行っていた探偵の真似事で数々の事件を解決し、今は会社経営者より探偵として有名。 有望なベンチャー企業への出資や、孤児院への支援、子供を持つ世帯への援助を行う基金を設立するなど、篤志家としても名高い。 酒は飲まない。タバコも吸わない。妻子はいたが、数年前に離婚したらしい。 50年前に飛行機事故で大怪我を負ったらしい. ◇HO　蠍座　ラストネーム「Scorpius」 「畏怖」の才能を持つ。 あなたを前にすればどのような傲慢な英雄も怯み上がることだろう。 三度だけ強制的に対象を一時発狂させることが出来るのだ。 才能豊かなあなたは、どうすれば相手の体に毒を巡らせることが出来るか熟知している。 ただし、いたずらに使えばあなたの周りから勇気は失われるだろう。 （強制発狂で減少するSANはなく、発狂内容はあなたが決めてよいとする。） 50年前。 オスカーが乗っていた飛行機が墜落。 これが何者かによる陰謀だったのか、不幸な事故であったのかは不明。 即死者多数の悲惨な事故であったが、幸運なことにオスカーは辛うじて生きていた。 「生きていた」だけだった。 四肢は燃え焦げ、すぐに切断を余儀なくされた。眼球を始めとした各種感覚器は激しく損傷していた。 悲鳴をあげることもままならなかったのは、喉が熱風で焼けていたためだった。 運び込まれた病院で生死を彷徨い、やっと動けるようになった時に後頭部で枕を叩き、モールス信号を用いて必死の思いで伝えたのは「ころしてくれ」の６文字。 しかし、彼の後継者たる子供はまだミドルスクールに通っている。 他の者をScorpius家の当主に据えれば、必ず大きな諍いが起こるだろう。 一族や企業の役員はオスカーを生かすことを決断した。 無限の闇の中で、永遠に続く静寂の中で。身体中に繋がれた機械の微かな振動と気温の変化しか時の経過を教えるものもなく。 ずっと殺してくれと叫び続けていたのに、その声は誰にも聞こえることはなかった。オスカーの声帯は人工声帯をつけられないほど損傷していたためである。 彼には時間がわからなかったが、５年間そのままの状態で生き続けていた。 そしてある日、誰かがオスカーの体に触った。僅かな麻酔の感覚の後、どれくらい眠っていたのかはわからない。 目が覚めると、オスカーの体は機械に繋がれていなかった。彼の体が機械になっていた。 回復した？オスカーを、人々は何事もなかったかのように扱った。 確かに、スコルピオス家の資産をつぎ込んで作った体であったろう。オスカーの見た目は事故の前とほとんど変わらなく見えた。 しかし、オスカーの中では何かが変わってしまった。あるいは何もかもを機械の厚い皮越しにしか感じられない日々で、心まで鈍化したのか？ 美食への関心も、周囲の人間への関心も、物欲も…。何もなくなった。 辛うじて残ったのは、芸術への関心と知識欲だった。音楽や物語、知識は、わずかの間だけでも、呪わしい自分の身体から、自らの意識を逸らしてくれた。 妻とは離婚した。保身のため自分を生かす決断をし、自分の苦しみを考えたこともないであろう彼女に既に情はなかった。 役員も処遇を変えた。彼らと家族ぐるみで親しく付き合うことはしなくなった。もう彼らに興味を持てなかったから。 それでもオスカーは、スコルピオス家の利益を著しく損ねるようなことはしなかった。 それをすれば現当主とはいえ、自分達の保身のため神をも恐れぬ所業を繰り返してきた、自分の一族の者らに消されることだろう。 他ならぬオスカーが何度も目の当たりにして、自らも行ってきたことだった。 一族の者は機械化の際に、自我をプログラムに飲まれていた。 ５年間「無」の底辺でもがいたことが、オスカーに人間離れした精神性をもたらしていたのだろう。 オスカーは待つことにした。スコルピオス家に、自分に、決定的な痛打を与える「英雄」が現れるのを。 生半可な者では、痛打を与える前に、自分とその一族に潰されていくだろう。 見つけた最高の英雄が、自分を、一族を滅ぼしてくれる日を夢見て。 今日もオスカーは篤志家として子供たちを保護し、才能ある若者を援助する。 彼は、見つけた英雄が、自分に刃を向けてくれるようにするためなら、きっと、なんでもするだろう。 【暗黒の祖先】＋50技能p 蠍座　パンの大神

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