タグ： MoMo家の男性陣

ウロボロス清掃会社に勤める男性。27歳。 懐に小型ナイフと大きな肉切包丁を持ち合わせている。顔に大きな切り傷がある。 愛想は良くないものの、悪い人間ではなく、女性に暴力を振るったりする人間が許せない性格。 処理した遺体を綺麗に切り落として回収する。 その切り方に対して、本人は一種の芸術的な拘りがあり、どれだけコンパクトに袋に詰める事ができるかを毎度考えて、切り落としている。 血抜きもしっかりとしたい人間なので、他のメンバーが拳銃や毒などでターゲットを始末した時は「あー、血抜きが出来てないのに……」と文句を言ったりする。 料理が得意、ケーキ作りは苦手。 幼い頃からウロボロス清掃会社に入社しており、リーダーの洒掃を尊敬している。 昔からリーダーの背中をヒヨコのように追いかけていた。 リーダーの役に立ちたくて、事務作業を必死に覚えようとしたものの、頭を使う作業が苦手で断念した。今でもリーダー！リーダー！と言った感じでリーダーに褒められるのが好き。 ーーーーーー 以下、秘匿情報 幼い頃から、酒浸りで暴力的な父と、父から与えられたストレスの捌け口を子供に向ける母親のいる家庭に探索者はいた。 両親のどちらにも酷い扱いを受け、学校にも居場所のない中で不毛な日々を過ごしていたが、唯一、2歳下の妹だけが自身の味方だった。 妹は優しくお淑やかで、薊と同じように両親から酷い扱いを受けていたが、気丈に明るく振る舞っていた。 そんな妹と二人だけで話す時間が薊にとってはかけがえの無い時間だった。 「大人になったら、一緒に家を出よう」と誓い合った。 薊が高校生になった頃、バイトを掛け持ちして必死にお金を貯めた。妹も高校生になった頃には、二人で家を出るのに十分な資金が集まっていた。 事情を理解してくれたバイト先の先輩に古いアパートを見つけてもらい紆余曲折の末、妹と共に家を出る事が出来た。 両親は薊たちに然程興味もなかったのか、詮索されることもなかった。 その後、薊は高校を中退し、小さな個人業の町工場で働き始めた。妹にはどうしても高校を卒業して欲しかった為、金に苦労しないように必死に稼ぎを上げた。 その甲斐もあり妹は無事高校を卒業した。妹はずっと夢だった街中の小さなケーキ屋で働く事になった。 昔から手先は器用な薊はよく新作のケーキを作る手伝いをしていた。 「お兄ちゃん、上手いね。パティシエになっちゃおうよ」 「俺になれるわけないだろ」 「なれるよぉ！　だって、私のお兄ちゃんだよ！　なんでもできるヒーローだもん」 「……はは、大袈裟だ」 妹が楽しそうにケーキを作る時間やそれを一緒に試食する瞬間が、薊にとっては「二人で掴み取った幸せ」だった。 そんなある日、妹が仕事先に来る男性のお客と仲良くなったという話をよく耳にするようになった。 その声色や表情から、妹が相手に恋心を抱いていることはすぐにわかった。 兄として、何処の馬の骨ともしない男に妹が惚れている事に複雑な気持ちを隠せなかったが、妹の気持ちを大事しようと思った。 「いつか、お兄ちゃんとも話してほしいなぁ。すごく良い人なんだ」 彼女の幸せそうな表情を見ているうちに、苦しい家庭で暮らしていた妹が、平凡な家庭で暮らしていけるかもしれない、と思えた。 数日後、仕事へ出かけるために家を出た。 昨晩は妹から件の男性と会ってくると連絡が入って、結局帰ってこなかった。 （これが娘を見送る親父の気持ちなのか…）と複雑な気持ちになりながら、ゴミ捨て場にゴミを捨てた。 そこには、人が転がっていた。酔っ払いかと通り過ぎようとした時、足がピタリと止まる。 ゴミの中に埋もれる人が視界端に移る。 見覚えのある服で、見覚えのある髪色で、見覚えのある彼女がボロボロの体で捨てられていた。 それは間違いなく、自分の最愛の妹だった。 病院に連れて行ったものの、酷い出血と打撲痕、そして、性的暴力を受けていたようで精神的にも身体的にも回復するまで、かなりの時間がかかると医者は診断した。 精神的ショックでいつもの溌剌とした表情も言葉も発する事がなくなってしまった妹を必死に励まそうと薊は務めた。 しかし、どれだけ献身的に接しても、「うるさい！！」と跳ね除けられてしまう為、妹だけでなく、薊も疲弊していく。 そんなある日、妹の好きなケーキを薊は作ることにした。何故なら、その日は妹の誕生日だったからだ。 その日の妹は機嫌が良く、布団に転がりながらも鼻歌を歌いながら、メモに何かを書いていた。 （今日は落ち着いているな）と安心しながら、懸命にケーキを作った。 彼女の笑顔を見たいという一心だった。 ケーキを持って彼女のいる部屋へ入ると、そこには誰もいなかった。 「……あれ？」 辺りを見渡しても妹の姿は見えず、窓から入る風でカーテンが揺れていた。 何か、嫌な予感がした。そんなことはないと信じながらも、ケーキを床に落としてしまう。 絡む足で必死に窓の外を見る。自分達の住むアパートはテナントの上の二階にあった。下にあったのは、確か古びた駄菓子屋だ。 駄菓子屋に入ろうとしたのだろう。近所の小学生が呆然とした顔で駄菓子屋の前で立ち尽くしている。 鮮血は、リンゴ飴のように明るい赤だった。 その赤に溺れるように、彼女はいた。 遅れて、子供の鳴き声が聞こえてくる。 足に力が入らずに、窓に寄りかかるように崩れ落ちる。声にならない呻きが薊から漏れた。 妹が最後に残したメモは遺書ではなく、「上大財閥を許さない」という一言だけだった。 薊は復讐を誓った。妹を自分から奪った上大財閥を許さないと思っており、全員を絶滅させる事を目標にしている。 上大財閥を潰す事が人生の目的になりつつあり、それが達成した時、自分がどう生きていくのか本人もわかっていない。 妹を失った薊は生きる希望を無くし、仕事を辞めてホームレスになった。 不毛な日々へ逆戻りした薊をリーダーが現在のウロボロス清掃会社に勧誘した。（20歳頃）（HO1さんに合わせます） そのまま死んでもおかしくなかった自身を救ってくれたリーダーへ恩義を感じている。 それからは、ウロボロス清掃会社の社宅orシェアハウスに住んでいる。

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