タグ： 羊PC 月夜に蠢くルーガルー

飄々と、しかし堂々とした雰囲気を纏う、夜の気配が濃い美女。太陽が沈むと共に現れては、酒瓶を空け、煙草を燻らせて笑い、ネオンライトの下で語る。 とある街で【バカナス】というバーを営んでおり、そこで酔っぱらい共とバカ騒ぎすることもあれば、静かにグラスを回して語らうこともある。その場その時の客に合わせて店の色が変わるが、基本的に怪しげ、もとい胡散臭い雰囲気は共通。店の大抵のトラブルは笑い飛ばすか叱り飛ばすか、あるいは己を「姐貴」と呼び慕う彫り師の男に叩きのめさせるかで解決する。夜を一人で笑って歩ける女。 美味い飯と酒があれば人生ハッピーという、刹那主義の享楽主義者。しかし同時に醜悪で狡猾でもあり、己の快楽のためならば他者を食い物にし、踏み台にすることに対して何の感慨も抱かない。強いて言うのであれば、悪党なら悪党然としているものだというくらいで、悪びれるなど以ての外、というスタンスは持っている。 ハッピーな人生を送るために、日常の些細なことに対して並々ならぬ拘りがあり、ジンクスや迷信を強く信じ、重要視する面もある。具体的には「グラスは必ず右手で取る」「扉を出入りする時は運気を回すために必ず右足で入り、左足で出ていく」等。験担ぎを好み、スピリチュアルなものに興味が強い。とにかく運気を上げ、悪いものに近付かないで生きれば、ハッピーな人生になると固く信じている。なお、この「悪いもの」というのは人道的な価値観に則るものではない。悪事と不吉は違うだろ？とのこと。 信仰の域にまで至ったこの独自の理論を堂々と実践し、バーの客等に広めるため、ちょっとした新興宗教の教祖めいた部分がある。彼女の人生哲学やそれに基づいた理論に満ちる自信をアテにして人生相談などを持ちかける客もそれなりに多い。ガラナはそれを拒むことはなく受け入れ、時に解決し、解決しなかったとしても相談者の力不足であると言いくるめることによって信仰を集め、いざという時に使えるシンパを確保している節がある。どこまでも怪しい女である。 表向きには妙な人望のある怪しいバー店主だが、その実がっつり裏稼業を営んでいる。【ディマ】という小規模マフィアに所属し、末端で【ルーガルー】と呼ばれる麻薬を売りさばく売人【スコール】が彼女のもう一つの名前である。そんなに意外ではない。 店主の裏の顔が裏の顔なため、表向きには店主の人生相談が売りの隠れ家的バーだが、実際は裏社会の人間も数多く出入りしている、一種の裏社会の社交場、あるいは市場と化している。見る人が見れば卒倒するかもしれない顔ぶれが揃っている時もまあまああるが、一応荒事はお断り。というより、“本物”は一般人も出入りする場所で無駄にイキらないので、店内は驚くほど平和ではある。 店によく出入りし、彼女を「姐貴」と慕ってくる彫り師の男は、同じく【ディマ】所属の売人であり、共にコンビを組んでいる【ハティ】である。主にスコールは交渉を担当し、護衛を務め、物分りの悪い客を黙らせる暴力を担当するのがハティ。得意分野がきっちり別れているためか、はたまた犬気質のハティと司令官タイプのスコールで上手いこと噛み合ったのか、出会って4〜5年はコンビを組み続けている。暴力担当らしくすぐ荒っぽい方法を取りがちな部分に手を焼かされることもあるが、基本的に自分の言うことは聞く傾向のあるハティのことは、相棒としてそれなりに気に入っている模様。ただし、その音痴ぶりは辟易している。うちの店で歌うんじゃないよ！ 運気にこだわり、オカルトにも明るく博識だが、実はこの世のものでは無いものの存在を感じ取れている。所謂霊感持ち。ハッキリと目視し、接触できる訳ではなく、そうした存在にふとした時にチャンネルが合ってしまうことが常人より多く、それ故に向こう側から目をつけられやすい。また、性別が女であることも災いし、嫁としても人ならざる怪異に狙われることがある。 本人は自身のこの体質にほとほと困り果てており、それ故に対策として運気やジンクスというものに拘り、オカルト方面の知識を求めている。享楽主義者、刹那主義であろうが、流石に神嫁として人間卒業は嫌だった。むしろそうした星の巡りをしているせいで、反動的に人生を楽しむ方向に振り切れているとも言える。とは言え、奔放過ぎるとアイツみたいになっちまうかと、常連の長身痩躯の白髪の男の背後を見て思ったりもする。何人憑いてんだいありゃ。ハッキリ見えないけど。 特徴表 25【鋭い洞察力】 優れた感覚の持ち主であるため、【目星】に＋30％。 ↓ 実家が水面下で足の引っ張り合いをするような人間ばかりが多かったことと、怪異を引き寄せる体質だったことで、自然と直感に近い洞察力が培われた。むしろ生来持っていたからこそ、今日まで無事なのかもしれない。 46【寄せ餌(D)】(1d6×10＝50) 人間以外の怪物に好かれやすい。誘拐されれば殺されずに監禁されるか、もっと酷い目に遭うこともある。 ↓ 個人的に生まれ持った資質なのか、あるいはこの身に流れる血が人の汚い部分を多分に含むせいなのかは不明だが、気付けば奇妙な物を見聞きしたり狙われることが多かったため、独特の価値観を持つに至る原因となった。 技能入れ替え 【説得】↔【言いくるめ】 ある意味やっていることは同じだが、腰を据えた心からの説得などしないし、出来ないという自覚がある。とりあえずその場を凌ぐための言いくるめに長け、それに後から帳尻を適当に合わせたりはぐらかしたりするのが得意。口から出たものなど、その瞬間に価値が無くなる物である。 技能についての備考 【オカルト】90→自分の命に直結するため、知識や対処法は死ぬ気で身に着けた 【聞き耳】80、【目星】85、【回避】80→怪異の類への対抗手段として身に着けたが、人間相手にも役に立つ 【図書館】80→なるべく証文は交わすべきだし、契約書は熟読して理解するべきだ。身を助ける一助になる 【言いくるめ】85→物理的な自衛手段を取るのは難しい？ なら戦う前にケリを付ければいい 通過予定シナリオ ・月夜に蠢くルーガルー HO1：交渉担当 以下通過シナリオや秘匿等のネタバレ 月夜に蠢くルーガルー【秘匿HO】PC1：交渉担当 これは自分以外の誰にも知られてはならない。君は組織の人間でありながら、スパイ行為を働いている。 麻薬Gメンの捜査員に組織の情報を流す代わりに、身の安全や金銭などの見返りを得ている。もし組織にバレたら、命はない。 今は、件の薬物【ルーガルー】の出所を探ることを求められている。 （報酬目的、正義感、犯罪から足を洗いたいなど、スパイをしている動機は自由） ↓ 人生を楽しむために何が必要か？それは才覚であり、運であり、そして何より金であると彼女は考える。何せ美味い酒は高い。美味い店も高い。上等な服は高いし、宝石も高い。質の良いコスメも高い。広くて安全で綺麗な家も高い。娯楽という心の栄養は、生きる上では最悪不要であるためか、良いものを求めれば求める程金がかかるのだ。 その上彼女には厄介な体質まで備わっている。気付けばこちらに手を伸ばしてくるそれらに万全に備えようと思えば、知識も技術も道具も場所も要る。それらを捻出してくれるのだって金だ。彼女がハッピーに生きるためには、とにかく人より何倍も金がかかった。 その費用を捻出するために他人を食い物にするのを選んだのは、それが最も手っ取り早く、更に適性があるからである。彼女には悪党の才能があった。 彼女の本名は「申夏刎 玉愛」。その生まれは華道の家元一族であり、旧家と言えば聞こえはいいが、つまりは旧体制の蔓延る時代遅れの老害の巣窟である。元々家業に骨を埋めるほど携わるには才能も無く興味も無かったため、一族の本質や、その血が間違いなく己に流れていることをローティーンの頃に自覚した彼女は、比護と教育を受けるだけ受け取って早々に家を捨てた。様々な意味で実家の空気が肌に合わなかったためである。 時に頭の軽いキャバ嬢、時に胡散臭い占い師、時にヤクザ者の愛人、時に口八丁の詐欺師。その違法性を問わず様々な仕事をこなしては金を稼ぎ、人を騙し、踏み台にしてバカ笑いしながら生きてきた。トチることもなくはなかったが、それでも笑って楽しんで生きているのだから上等だ。何せいつあの世に拐われるか分かったものではない。バーで教祖めいたことをして信仰を集め、木っ端怪異などより格を上げるなどもしているが、そんなものは本当にヤバい怪異には通じないのだから。 ならばせめて、後悔の無いように。金も命も派手に撒き散らすのが最高なのだ。いつそれが「過去最高」になるか分からないのだから。 そんな身の上と性格であるため、今身を寄せている組織も、経営しているバーも、単なる都合のいい止まり木に過ぎない。忠誠心など欠片も無く、愛着は履いて捨ててしまえる程度。金さえ払うのなら警察にだって平気で「仲間」を売る。彼女にとって最も必要なのは「誰か」ではなく「何か」で、具体的には金と安全であるから。 組織というものは裏切りに敏感で厳しいものであると相場が決まっているため、今回警察に持ち掛けられたスパイ活動が何かしらの理由で終われば、ほとぼりが冷めるまで警察に保護された上で海外にでも高飛びするつもりでいる。ハティについては、組織に忠誠を誓っているなら、そこでどうにか切って捨てて逃げるだけ。もし自分を突き出さないのであれば、ここ数年の誼で逃亡資金等の手筈を整えて送り出してやってもいい。その程度には情がなくはない。 そして、万が一にでも自分についてくると言うのなら……まあ、番犬代わりに連れて行ってもいい。肉盾にはなるだろうし。もっとも、そんな筈は無いだろうが。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ