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あざみの　とばり 今年刑事になった新人。この歳での抜擢は正直驚いたものの、所属したからには全力で仕事に励むつもり。10月23日生まれの天秤座。頭が良く、運動神経もそこそこ良いため何でも出来そうに見えるが機械周りがとことん弱い。2030年の若者にあるまじきレベルの機械音痴。未だにメモ帳とペンを持ち歩いている。 料理はそこそこできる。回避、こぶし、応急手当は訓練中に身につけた。 「アンドロイド事件捜査係、薊野とばりです」 「好きな食べ物ですか？　そうですね……何でも食べますが、やはり肉料理が1番好きです」 「あ、えっと……僕はあまり機械に明るくなくて……他の人にお願いしたほうが賢明かと」 夢を見る。真っ赤な真っ赤な真っ赤な血に濡れた母親の夢。もう母親の顔も忘れてしまったのに、残虐で非人道的な光景を何度も何度も夢に見る。 1日も忘れたことはない。あの凶悪なナイフを、機械の手を。 1日も忘れたことはない。自分の中に渦巻いた、ドス黒い何かを。 睡眠薬を服用せずに寝ると毎回あの事件の夢を見てしまうため睡眠薬を日常的に飲んでいる。医者に「薬以外の対処法を」と言われているが、一向に減らせていない。 黒田と赤星には言葉に言い表せないほどの感謝を抱いており、この2人から頼まれたことは何でも叶えようとする。(頼まないだろうというのは置いといて)例えそれが人の道を逸れたものであろうとも。 一時期、亡くなった母親を取り戻そうとオカルトを調べまくったことがある。結局実行には移さなかったが、知識は残っている。 事件について知りたいのは、復讐心から。黒田に事件のことを聞いた際「話すことは何もない」と言われ、一回忘れようとした。今が幸せならそれでいいじゃないか。……だけど、無理だった。繰り返すあの日の夢を、べっとりと塗りつけられた感情を、煮えたぎる苦しみを忘れることはできなかった。母親を殺した何かを、自分にナイフを向けたアンドロイドを叩き割りたいと思っている 「どうして、僕だけ……いっそ、一緒に殺してくれたらよかったのに」 「アンドロイドとペアに……？　あの、それは絶対ですか？　はぁ……そうですか。命令なら従います。……気乗りはしませんが」 「アンドロイドはより良いパートナー……だあ？　何も知らないくせに、何も経験したことないくせに！　僕は、ぼくはッ…………」 アザミの花言葉:「報復」「触れないで」 ーーーー 色々あって今は結構落ち着いた。前まであったアンドロイドやvoidに対する敵対心や恐怖心は無くなり、普通に接することができるようになった。アカツキに教えられて少しずつ機械にも触るようになった。 赤星の螺子は引き出しの中にしまっている。 仕事終わりに病院を訪れる。黒田さんが目覚めるのをいつまでも待っている。まだ一度も「父さん」と呼べていないから、目が覚めたら1番に言おうと思っている。 父さん、僕、23歳になったよ

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