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幼い頃、両親から酷い虐待を受けていた。 憎いから殺したい、だとかそんなことを考えたことはなかった。 ただ、何故愛されなかったのか、何故このような仕打ちを受けているのか分からずにいつも苦しさと寂しさを抱えていたことを覚えている。 父親を殺してしまったのも、俺がほんの少し抵抗した拍子によろけて、ぶつかって、物が落ちて… 母親の時は何だったか、…ああ、ヒステリックに騒ぎ立てる母親を必死に殴って蹴って逃げ出したんだ。 実際の死因は知らないけど、打ちどころが悪かったのだろう。 帰ったら既に死んでいた。 幼少の俺は息の止まった二つの肉塊を見て様々な理由で震えたのを今でも覚えている。 ぼくがやったの？ぼくのせい？これからどうすればいいの？さみしい、つめたい。 あいつが居たからどうにか正気を取り戻せたし、今も生きていられるのはあいつのおかげだ。 感謝しきれない。 成長するにつれ肥大した罪悪感を抱えて警察官なんて職についてる俺を見たら、あいつはどんな顔をするだろうか。 顔を殴られる等の暴行を受けていたため少し目が悪い。 幼い頃は細かったが親戚に引き取られてからは自分の身を守るために身体作りに勤しんでいる。 幼馴染には犯罪に加担させてしまったという罪悪感があり、二度と同じことはさせたくない。

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