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「遺書屋」の片割れ、「届人」の男性。中性的な容姿で背も低い為相手の油断を誘いやすいが、自衛出来るだけの腕前はある。然し守られる方が好きらしい。相棒のことはちゃん付け。 海が嫌い。甘いものが好き。 右目に眼帯をしている。 遺書屋だけでは食べていけないのでオンライン家庭教師や採点のバイトをしている。理系科目が多い。 殺害対象が遺書を書くのを渋った際に拷問をしていう事を聞かせることがある。 両親がいるごく一般的な家庭に生まれ、中学生の時までは普通に育った。一つ特異な点があるとすれば、祖父母含め全ての親戚と会うことが無かったこと。 ある日両親と共に学校を休んで家族旅行に出かけ、夜に車で海の中に飛び込んだ。両親は死亡、自分だけ生き残った。右目はその際に傷がつき、やや視力が下がっている。 回復した後警察から状況からして一家心中だと思われる事、ただし遺書の類が無いため確証がない事、何か知っている事はないかと聴取を受けたが、彼は何も答えられなかった。遺言の類はおろか、両親は心中を計画する素振りすら無かったからである。 施設に預けられ、高校を卒業した彼は裏社会に身を投じ、「遺書屋」となった。沢山の人間の死を見届け、遺書を書かせれば両親の死の真意も分かるのではないか───そう思っているからである。 「殺人」に対しては一緒についてきてくれて感謝してるし、信頼もしてる。出来たら自分を殺して遺書を読んでほしいなと思っている。遺書はまだ書き上がってないけど。 両親が実の兄妹だった事、祖父母を殺して自分達は行方不明となり、身元を誤魔化しながら彼を育ててきた事、小さな勘違いから自分達の秘密がバレると思い込み一家心中を図ったことは、彼自身も知らない事である。 遺書 楓ちゃんへ これを読んでいるってことは、俺は多分死んだんだよね。事故とかで死んだのかな？それとも楓ちゃんが殺してくれた？後者だったら嬉しいなあ。 楓ちゃんには遺書屋としてこの遺書を届けてほしいけど、俺には遺書を届ける相手が居ないんだ。天涯孤独ってやつ。だから、この遺書は楓ちゃんが持っててね。 天涯孤独って書いたけど、俺の両親って自殺してるんだ。正確に言えば、一家心中しようとして俺だけ助かった。両親が生きてる間は他の親戚と会ったこともないし、引き取ってくれる人もいなかったから。 でも俺は、両親がなんでそんなことしたのか分からない。遺書は残ってなかったし、死ぬ直前までそんな素振り見せてなかったんだ。 だから、なんで親が死んだのか、色んな人に遺書を書かせれば分かるかもしれないって思ったんだ。それで遺書屋なんてやってた。 だから、今までやってきたことはただの俺のエゴだよ。 でも、最期まで楓ちゃんが一緒についてきてくれて嬉しかった。楓ちゃんふわってしてるからどんな思いで一緒にいたのかよく分かんなかったけど、今までついてきてくれて有難う。 これから楓ちゃんは自由だよ。そのまま裏社会で生きてても、足を洗っても良い。楓ちゃんがやりたいように生きて欲しい。後を追われるのはちょっと嫌だけど、それも楓ちゃんがやりたいんだったら受け入れるよ。地獄で待ってるよ。 ただ、もし足を洗うんだったら、俺の両親のこと調べて欲しい。心中の時の新聞記事とかは家に遺してるよ。参考にしてくれたら嬉しいな。 それじゃあ、また。地獄で待ってるからね。 上見不純

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