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HO 2B 最後の生き残り 蕗峠 春景 ふきとうげ はるかげ 生真面目な性格。 標高の違いによる生物の生態系の変化に興味があり、研究者を目指して大学院まで進んだ。 元来、山の生物を実際にこの目で見たいという知的好奇心から登山が趣味であったが、修学中、研究の為にとプロの登山家たちと相談しながらの本格的な登山を繰り返していると、登山家としてのやりがいをも見出す。結果的に、修士課程修了後は研究と登山を両立させる生活となった。実態は 登山4 対 研究6 程度。 学生の頃から危険も顧みず世界各地の山を巡っていた甲斐あって、各国に登山家仲間を作っていたツテから、第一次狂気山脈登山隊結成時に声が掛かった。知識の豊富さと山(の生物)への情熱を買われ、若いながらも頼りになるとの評判だった。前人未到の地にどんな生物が暮らしているのか非常に興味が湧き、参加を決意。参加者の中には共に死線を乗り越えたことのある登山家仲間もいて、全員と打ち解けるのに時間はかからなかった。 第一次登山では、隊員の肉体的・精神的ケアを任う予定だった。筋力に自信が無く、フィジカル面での活躍が期待出来なかった為、自らその役割を志願した。知識的な補助だけでは、この非常に危険な登山へ参加させて貰えることへの報いとして足りないと思ったからだった。登山決行の日に向けて、出来うる限りの技術を詰め込もうと努めた。 しかし、その為に多少不摂生な生活を送ったせいか、人生初の虫歯を作ってしまっていた。気圧の変化による歯痛は計り知れない。決行日、ベースキャンプまで赴いた際に、奥歯が突如激痛に襲われた。恐ろしいほどの痛みに登山を断念せざるを得なくなり、歯の治療の為に一人泣く泣く帰路に着くのであった……。 後日、第一次登山隊帰還者0の報せを受け、言葉に出来ないほどの悔しさを覚えた。自分がいれば、一人だけでも救えたのではないだろうか。自分にどれほどの力があるかは分からない。けれど、こんな結末にはならなかったのではないか。 それとも、自分がいたところで結果は変わらなかったのだろうか。その答えを春景は求めてしまっている。それがわかったところで虚しいだけだと理解はしているが、考えずにはいられないのだ。 彼らを見つけ出し、無念を晴らす。 自身の価値を見極める。 その決意を胸に、第二次登山隊への参加を志願した。 不定の狂気　生への執着　５か月

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