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絵画科所属の2年生 父は日本画、母は油絵、姉は写真を専門としている阿座上家の末弟。両親と姉は各々の分野で著名であり、まだ大学生である智秋を含め周囲の人々からは有名な芸術一家として見られている。 まだ2年生ではあるものの学内外からの評価は非常に高く、天才としてもてはやされており将来も大変期待されているが、本人は周囲の評価は気にせず研鑽を続ける努力家タイプ。 姉の千春が写真以外はダメダメだったことと両親共に常に忙しかったこともあり幼い頃から姉の世話きしてきたためか、弟ではあるものの面倒見の良い兄貴肌。 学内でも面倒見がよく智秋を慕う人も多いがそのためや絵画の才能によりやっかみを受けることも多い。実は、社交的で面倒見の良い智秋が友人と思っている存在は意外にも数人しかいない。 智秋の内面について 智秋の今の絵画の実力は多少の才能はあるにしても基本的には本人の努力によって身につけたものである。しかし、周囲の人間は阿座上家が有名な芸術一家であることもありその末弟である智秋もまた才能に恵まれていると思っており、智秋の描く絵も''阿座上家の末弟''が描いた絵としてしか評価されず、賞賛はされるものの、阿座上家の人であればこの程度は当然のものという認識が人々の根底にある。 また、観察眼の鋭い智秋は人々が智秋のことを’’芸術一家阿座上家の末弟’’としか見ておらず誰一人として’’阿座上智秋’’として見てくれる人も評価してくれる人もいないことに気づいている。そのことで、中学時代には思い悩み精神が不安定になっていたが、それに気づいた姉の千春によって持ち直したと家族から認識されているが、あくまでも表面上であり内面では未だに不安定な状態が続いている。 また、周囲の人々の認識を早くから気づいていたために幼い頃からありのままの自身や作品を見てほしいという承認欲求が非常に強い。 その承認欲求の強さ故にいつかはありのままの自分を評価して欲しいという思いからひたすらに努力を続けていたが、どれだけやっても自身を見てくれないことから次第に諦めが強くなっていき、心も壊れていった。 今では描く意味を見失い、ただただ周囲の望まれたように、期待にこたえるように描いているだけで幼い頃に持っていた絵画への強い想いも自身を見てほしいという思いも無くしてしまった。

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