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透けるようなアイスブルーの髪と、星が瞬くような輝きを持つ瞳をした少年。フランス人基準としては発育が少々遅く、少し幼めの顔立ちをしている。 裕福な家庭に生まれ、学校での教育に加えて馬術や歌、射撃、楽器など様々な分野の家庭教師から学んでいたが、突出したのは歌のみ。 冷静で現実的、年にしては達観したものの見方をする。信仰が無いわけではないが、神の奇跡についてはいずれ科学で証明出来るだろうと考えている。神の存在を否定している訳ではない。 世間を騒がせるノストラダムスの大予言の影響か、はたまた達観した性格のせいか、将来に期待が持てずリセ（高校）の進路もなかなか決められなかった。そんな中招待状が届き招待を受ける事にする。 「天使になる」という事については半信半疑。ただ、死が綺麗なものとなるならばそれはそれで良いのだろうと思っているので忌避感はない。然し誇りであるとも思っていない。 5年前に母が蜘蛛膜下出血で他界しており、現在は父と2人暮らし。ただし、父は仕事が忙しく顔を合わせる暇がないため、ハウスキーパーや家庭教師の方が顔を合わせる時間が長い。母に教わった紅茶の淹れ方とスコーンのレシピを今でも試行錯誤しながら作り続けている。 棺に入れられた母の亡骸はまるでただ眠っているかのように美しく、それでいて触れば石のように冷たく、自分との確固とした隔たりを感じた。彼は葬儀の時に泣かなかった。生と死の間のとても大きく、世界が生まれた時から確かに存在する隔たりに圧倒されていたからである。 死にたい訳ではない。天使になりたい訳でもない。哀れな魂を救いたい訳でもない。ただ、意識を保ったままその隔たりを超えることが出来れば何かが変わるのではないか────そんな事を考えている。

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