タグ： 紅蓮の刃

「はーあ。ベンキョーっつってもさ、オレたちは戦わされるだけだろ。なんでこんなことさせられてんだよ」 「なあお前もそう思うだろ、“ライトニングボルト”。オレたちこのままずっと、ここで誰かのために戦い続けるのかな」 「……お、見てみろよライトニングボルト！これなんかかっけー漢字！コーシ？って読むのか」 「『ものごとのはじまり』『最初』か……そうだ！これお前の名前にしようぜ！“ライトニングボルト”ってなげーなーっていつも思ってたんだよ」 「お前が『最初』になるんだ。『最初の自由』に！オーヴァードだって普通のやつらみたいにゲームしたりスポーツしたり、コーラ飲んだりできるって。お前が証明するんだよ」 「押し付けんなって？……じゃあオレも手伝ってやるよ。二人で、それから皆で自由になるんだ」 「コーシ、だと名前っぽくないな。この漢字、『や』って読むんだろ？この前覚えたからな！」 「じゃあ、お前は今日からコーヤ。嚆矢だ！ははっ、なんだよ。いい名前だろ？」 生まれてすぐに実親に捨てられたが、犯罪組織に拾われて育てられ、幼いころは身体が小さいことを利用して同じような子供と一緒に敵組織に侵入し重要なデータや試薬などを盗むといったことをさせられていた。 善悪の判断がつかないうちはなんとも思っていなかったが成長するにつれ疑問を抱くようになり、自分たちは何をさせられているのかと尋ねたところ「知る必要はない。ただ逆らったら殺す」と言われた。 とある組織に侵入した際、敵に見つかり一緒に潜入していた同い年くらいの仲間が捕まった。死の恐怖に逆らえず仲間を置いて逃げたが、遠くから聞こえる仲間の断末魔であろう叫び声を聞いた瞬間に覚醒、敵組織を破壊してしまった。そして騒ぎに駆け付けたUGNの人間たちに保護され、チルドレン教育施設『ホーム』で育てられることとなった。 ホームでは特に、年の近かった“ライトニングボルト”によくちょっかいをかけていた。もしかしたらウザがられていたかもしれないが紅にとっては一番の友人、家族にも近いような存在だった。 生まれてから一度もまともに『普通』の生活をしたことはないため、教育を受ける過程で知った世間一般としての『普通』を羨ましく思っている。 UGNでの『任務』は生きるために仕方がなくやっていることだと考えているが、最初に拾われた組織で行ってきたことよりはマシだと思っている。 一人称が『オレ』なのは周りが皆そうだったから。 『紅』という名前を付けられたのは髪も目も赤かったから、という適当な理由。 普通っぽくないからコードネーム呼びはあまり好きではなく、支部の人間でも本名を知ったら下の名前で呼び捨てにする。基本馴れ馴れしい。敬語なんて知らない。バカ。

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