タグ： 海も枯れるまで

一人称:私 二人称:君 ダウナー寄り 女言葉でしゃべる 漫画家。専門はミステリー。絵の繊細なタッチと幅広いトリックの数々が人気。 作者もなかなか個性的なため、度々取材を受けている。 性自認は普通に男。しゃべり方だけ。 幼い頃からこのしゃべり方をしていたため、いじめられていた。本人は好きでこのしゃべり方をしているし、いじめに関しても低能な奴らだなという認識だった。加えてそこまで苛烈にはならなかった。 精神的にまあまあ強かったのだが、大学在学中にふと死にたくなる。無意味で無価値だな、とそう思った。どんなに作品を評価されても、自分が評価されることはない。周囲は自分の外面しか見ていなくて、内面を見てくれる人はいない。この顔、この頭、この口でしか見てもらえない。誰も踏み込んでくれない。そういうのならば、自分から踏み込んだことはあるのか、と。それもまた否である。何もせず、ただ嘆いて利を得ようとしている自分にも絶望した。これは救えない。この世界からも自分からも逃げ出してしまいたい。 「……ああ、名前。白波螢。漫画を描いてるの」 「絵を描くのも、トリックを考えるのも好きよ。まぁ、それしか取り柄はないのだけれど」 「私の口調？何か問題でもあるかしら？」 「ああ、君は何も見えてないのね」 「はぁ……また死ねなかった」

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