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　あいつと初めて出会ったのは、中学校に上がってすぐだ。 　同じクラス、同じ苗字、共通点はそれだけ、クラスの席順が五十音順で近い席になったが、仲良くするつもりもなく、本当にただそれだけの関係だった。 　そんな中、時間が過ぎクラスに馴染み始めた6月6日、俺は突然の手術で入院し、退院したのは翌月の7月7日、丁度七夕の日だった。 　退院したが、小学校時代に仲の良かった友人は別のクラス、授業も一ヶ月ぶりでついていけるはずもなく、勉学も友人を作る気力も次第に失せていった。 　そんな惰性に満ちた日常を、あいつは簡単に、そして無遠慮に壊してきた。 　面識がほとんどない俺を突然PCゲームに誘ってきたのだ。 　無論、当時もゲームはやっていた。 　レトロゲームや簡単なTRPG、ボードゲームばかりで、PCを使った最新のゲームなど手を出す気もなかった。 しかし、友人などいない中、突然の誘いに動揺し、一緒にやる約束をしてしまった事は今でも記憶に残っている。 　その決断が今後の人生を劇的に変化させる事になると知らずに、簡単にその選択を俺はした。 　あいつとは、その後も何度かゲームをしていき、気がつくとかけがえのない、唯一無二のかけがえのない大切な友となっていた。 　そんな時ある事件が起きた、あいつが行方不明となったのだ。 　俺は毎日、学校をサボり街中を探したが、見つからず、「このまま二度と会えないんじゃないか？」そんな焦りが日に日に募っていった。 　そんなある日、突然の事実を俺は突きつけられた。 　あいつの死体が見つかったらしい、損傷が酷く、更に捨てられたような痕跡から警察は、殺人と断定、しかし、死亡推定時刻が分からなくなるほどに時間が経過しており、操作は難航を極めているという話だ。 　俺はこの事実を認めるはずがなかった。毎日、毎日、毎日、探しては最後に生きている事を神に、世界に、祈り、願う、そんな中でこの話だ、到底信じられるはずもなく受け入れられるはずがなかった。 　しかし、霊安室に通された時、あいつだ、と分かってしまった。 　あいつだけ時が止まったように変わらず、そこに居た。 　頭が真っ白になる、酷い吐き気と、めまい、発汗、頭痛が襲ってきたが、それを些細に感じる程、どうして？なぜ？という疑問で頭が満たされる。 　俺は早くに見つけられなかった俺を、助けられなかった俺を、あいつを救えなかった俺を、俺自身を、何よりも許せなかった。 　しかし、俺は俺を殺せなかった。 　理由は分かっている。 　やり残した事があるからだ。 　神に祈ることはもうやめた、世界に願うことをやめた、希望を抱く事を、やめた。 　そんな俺に残されたのは、あいつをこんな目に合わせた奴を、あいつを俺から奪った奴を、俺たちの時間を奪った奴を、出来るだけ凄惨に、惨たらしく、惨めに、死にたくなるほど後悔させて、殺す。 　その使命だけを胸に、今日この日まで、俺は俺に、生かされている。そして 　目の前に、奴がいる

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