タグ： 桐とクエン

元看護師、今はデパートで接客をしている。バツ７ 　地元で一番大きい病院んとこの一人娘。親の決めた学校へ行き親の決めた習い事をし親の決めた相手と結婚する。はずだった。 　結婚式当日に花嫁衣裳のまま当時付き合っていた恋人と逃走。相手が気に入らなかったわけではない。ただ、長年蓄積した反発心と恋ゆえの逃走だった。若気の至りである。恋人の趣味の悪いバイク(当時はこれ以上カッコいいカレシもバイクもいやしないわ、と思っていたけれど)の後ろに乗りながら夜の田舎道を走った。全ての景色が煌めいて見えた。これからどうなるのかわからない。だからこそハレ子は今までで一番自由だった。 　その後例の恋人とは大喧嘩の末破局。働かない恋人のために勤めていたオペレーター(非正規雇用)の仕事を辞め、「女に勉強はできん」と父親に散々言われたことに対する意地で学んだ知識で看護師になる。しかしいくら頭が良くとも、入れ込みやすく体力もないハレ子はまるで看護師に向いていなかった。病院に勤めながらボロボロになっていく日々。世界が灰色に染まっていく。あたしの人生、結局こうなるの？そんな時に思い出すのは恋人との幸せだった日々……ではなく、窮屈でしみったれたあの家から逃げ出した、たった一夜の出来事。あの煌めきが、あの煌めきがもう一度欲しい！絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対ほしい！！ 　一度決めたら止まらないのがハレ子である。看護師の仕事を即座に辞め、時間をつくれる仕事にジョブチェンジ。そうして出会いと別れと恋と失恋と結婚と破局を繰り返し気付いたらこんな状況に。人生に揉まれまくってたくましくはなかったが、今も変わらず見る眼もなければ男運もない。それでもいつか、自分で選んだ人と幸せになるため。あの夜の煌めきをもう一度手に入れるため。今日もハレ子は突き進む。誰かあたしと愛し合いなさいよ！！！！ 〜〜〜〜〜 おまけ 　好きな食べ物はフルーツタルトと紅茶。苦手な食べ物は辛いもの全般とコーヒー。大人になったのにコーヒーが飲めないことを、少し気にしている。 　親友であるキョウコに自分の恋愛模様を全てぶちまけている。キョウコのことを心から信頼しているが、たまに何を考えているのかわからない。 ハレ子が結婚式から逃走した日に結婚相手へあてた置き手紙 『俊彦さんへ ごめんなさい。あなたを裏切りました。 だから、今日の私を忘れるくらい、白無垢が似合う人と結ばれてください。 心よりあなたの幸せを願っています。 必ず幸せになります。　ハレ子』

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