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『SSS.S』HO3 生還 Vil・Deamer(ヴィル・ディーマー) 32歳　FBI捜査官 一人称：僕→俺 【公開設定】 刑事部に所属しているFBI捜査官の男性。 生まれも出身もアメリカで白人。32歳。 明るく人当たりのいい気さくな性格で、周りのことをよく気にかけている。 天才肌だが努力は怠らず、仕事には真面目に取り組む。 何事も卒なくこなすタイプだが、特にコンピューターの扱いや交渉などが得意。 --------------------------------------------------------------------- 以下「SSS.S」ネタバレ注意 --------------------------------------------------------------------- 【秘匿設定】 親からの愛情が欲しかった。 周りの子はみんな休日になれば親と出かけて。そのことを楽しそうに語らいあって。 それがとても羨ましかった。 親からの関心が欲しかった。 いい子じゃないから構ってくれないのだろうか。 幸い地頭がかなり良かったため、勉強は苦ではなかった。力や体力もあって、運動も得意な方だった。先生や友達からは褒められた。優秀な子だと、いい子だと沢山言われた。 だけど親からは、それが当たり前かのように、自分に構っている暇はないかと言わんばかりに、冷たくあしらわれた。 頑張ることにも疲れて、辛くなってしまったヴィルは、ある日の深夜にこっそり家を抜け出してしまう。そして、あてもなくフラフラと彷徨う姿を発見され、補導される。勿論親に連絡が入れられる。 今までいい子で頑張ってきたのに。怒られてしまう。嫌われてしまう。 そう怯えながらも程なくして、母が署にやってきた。＿＿初めて、自分を迎えに来てくれたのだ！ 半ば強引に、母に手を引かれて家路につく。＿＿久々に、お母さんと手をつなぐことができた！ それがとても彼にとっては嬉しいことだった。 今までいい子でいようと頑張ってきたけれど、関心を向けてくれなかった。 でも、今回は、迎えに来てくれた。手をつないでくれた。 ＿＿こういう方法もあるんだ。 それが10歳の頃。「魔術師(ウィザード)」の始まり。 前述の補導をきっかけとして、ヴィルは様々な犯罪を犯すことになる。 天才的な犯罪の数々から、「魔術師(ウィザード)」などと呼ばれるようになり、多くの人間からの関心を浴びた。＿＿まだ、親からの関心を引くことはできていなかったが。 そんな順調な日々を送るのも束の間、ついに20歳の時にFBIに捕まってしまう。 やってしまった。そう思いながらも、どこかでいつしか補導された時みたいに、親が迎えに来てくれると、そう信じていた。 ＿＿しかしその後、親から見限られたことを知る。 ただただ親の気を引きたくてやっていたことだから、後のことなど何も考えていなかった。 精神状態はボロボロで、何も考える意志も残っておらず、FBIの引き抜きも提案されるがままだった。 入ったとしても、どうせ居場所はない。自身の加入を快く思わない人だって勿論いるだろう。自分はどうせ一人ぼっちなのだ。そう、諦めていた。 しかし、そんな自分にずっと声をかけ続けてくれた人物、「ハリー・リード」がいた。 最初はただ自分を哀れに思う一時的な同情心から気にかけてくれるのだと、結局本質は他の捜査官と変わらないのだと、そう思っていた。 だが、幾ら経ってもその様子が変わることはない。めげる様子を見せない。そんなに自分を気にかけてハリー自身の周りからの印象は大丈夫なのか？と不安になり、一時期距離を取ろうと試みたこともあった。 だけどやはり彼は態度を変える様子はなく、その行動にヴィル自身もハリーに心を開いていくことになる。 こんなに自分のことを思ってくれる人は初めてだった。初めて感じる温もりだった。 厳しくされるのも初めてだった。親は褒めることも叱ることさえもせず、無関心だったから。叱られるなんてこと、今までなかった。 これが自分が憧れていた、温かい家族というものだろうか。ハリーは紛れもなく、ヴィルにとっての恩人で、父親と呼べるような存在だった。 そんなハリーの影響で、今は「ハリーに誇れる人になりたい」と心を入れ替え反省し、真面目に生きている。ハリーのようなFBI捜査官になれるようにと、自己鍛錬は欠かさず、他の仲間も気にかけるようにしている。 ハリーのことが本当に大好き。世界で一番好き。 何よりもハリーを優先してしまうため、彼女はできた試しがない。 ハリーにハグしてもらうことが大好き。 ハリーのことを父親のような存在を超えて、父親だと思っているので、ハリーのことは基本「お父さん」と呼ぶ。ただし、仕事中は我慢して「ハリーさん」呼び。 今の居場所や仲間がとても大切で、それを失うことがとても怖い。だから、自身の犯罪歴については、誰にも言えない。 FBI捜査官連続殺人事件についても、同じ職場の人物が狙われているということで、早く解決したい。 実の親からは既に見限られているが、ヴィル自身割り切ることができている訳ではなく、今でもあの人達に愛されたかったと思ってしまう気持ちが残っている。 だが、今自分がいる場所はここだ。 この今の居場所を守ってみせる。 そして、ハリーに誇れる人間になるんだ。 だから、見ていて。お父さん。 ▫︎モチーフタロット：悪魔 　“Vil”・”De”amer→Devil 犯罪行為をしていた頃は、正位置の悪魔。自分の「欲」にとらわれ、親に「執着」し、自身の欲を満たすために犯罪行為を繰り返していた。 ハリーと出会ってからは、逆位置の悪魔。今までの行いを「反省」し、新たな心持ちで「出直し」た。 「逆位置」のままでいられるか、「正位置」へ戻ってしまうかは、今後の彼次第。

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