タグ： ループ橋で何かが自分を待っているんです。

爬虫類ってええよな。 感情の分からないような顔つき。 鱗や甲殻に覆われた体。 独特な存在感。 中でも、蛇はええ。可愛い。かっこいい。 もちろんその要素もあるけど、種類によっては一噛みで自分よりもずっと大きな生き物を仕留めてまう。 そんな強い強い、毒を持っているから。 私は昔……高校生くらいの頃だっけ。夏休みに長野の親戚の家へ行った。 高校生の夏休みって、文化祭の準備とか色んな運動部の大会のための練習とか補講とかで、結局殆ど毎日学校に通う子の方が多かってん。 部活には必ず入れっちゅう校則やったから、仕方なく生物部に入っとったけど、正直、当時の私はなんにも興味を持てへん子供やった。幸い生物部の文化祭の出し物なんて、模造紙にしょぼい研究レポートをまとめたものを貼りだすだけやから夏休み中にわざわざ登校する必要もないし、普段から幽霊部員やった私が数少ない活動日にすら姿を現さへんくても全く気にされへんかった。 趣味とか、好きなこととか、打ち込んでることとか、将来の夢とか。 なーんにもなかったし、見つける気もなかった。 一応家族には大事にされて育った自覚はあるから、死にたいとまでは思わへんかったけど、かといって生きてる理由も特にないなって。 客観的に見れば、10代のガキが陥るような問答みたいやけど、割と本気で考えてた。 つまんないしなぁ。この先まだまだ60年？70年？人生続いてくん？えー、めんどくさ。 死ぬこともめんどいし、一応悲しむ人もいるっちゅんは分かっとるから死んだりはせえへんけど。それだけ。 そんなことを考えて、本当に無為に過ごしていた毎日。 長野県で農家をやっている親戚に、そんなに暇ならバイト代出してやるから畑を手伝えって言われた。 まあ、断る理由もないし、バイト代もらえるならいいか。ぼーっと毎日過ごすよりは。 そう思って行って。そこで、バイト中に、ヤマカガシに噛まれてしまった。 行くなと言われていたのに、風に飛んだ日除け帽を追いかけて藪の中に入ってしまった。そこにいたらしい。 一時は意識不明の状態にまでなって。 気が付いたら病院で、駆け付けた両親が半泣きになっていた。 人間の脳って結構都合よくできているもので、苦しい痛い辛いっていう感覚がキャパシティを越えたら自動的に抹消されていくみたい。 意識があるうちの処置中は痛い痛いと苦しがっていて、ぱたりと意識を失ったって。全然覚えてへんの。 でも、目が覚める直前。 地の底に深く深く埋められて、身動きもとれなくて息もできなくて、沈んで、沈んで、……。 そんな感覚は覚えてる。 そして、一気に浮上した。 光の刺激が目に映る。 空気の振動が鼓膜を震わせる。 呼吸器から送り込まれる酸素が肺を膨らませている。 口の中が鉄さび臭い。 ――あ、生きてる。 その時、『死の危機をもって、生を感じた。』 普通だったら、そんな経験をした人間は蛇に対してトラウマを抱いてもおかしないんやろうけど、私は違くて。 まさしく九死に一生を得る、を経験させてくれた蛇が、大好きになった。 ……因みに、周りは結構引いていた。 成人して、就職して、社会人として生活していくようになって。 自分を殺して周囲に合わせて、一見「普通」に振舞うようになった。 でも、私は。 ----------------------------------- 【人となり】 ・蛇が好き。特に毒蛇が好き。ひいては爬虫類全体が好きになった。でも毒蛇は別格だよね。 ・自殺願望こそないが、あんまり生きている理由も感じていない……という考えは相変わらずある。 ・が、それが人から見て変というか、「心配」されてしまう要因であることは分かっているため、ちゃんと周囲には合わせるようにしている。 ・多分、20歳男性友人NPCにも見せてないと思う。見せてないつもり、程度だから、聡い人ならバレてるかも。 【職業まわり】 ・現在はフグ料理店で働いている。 ・本当は職業も爬虫類に関わるものに就きたかったが、自分の異常性を誤魔化しきれる気がしなかったため諦めた。 ・調理師の専門学校卒業後、在学中にバイトで入っていた店にそのまま就職。 ・フグ調理師免許は在学中に取得済。(DEXの低さは器用度ではなく身体能力ということで……） 【NPC 男 20歳 フリーター】 ・学生時代にバイト先(フグ屋)が同じで、そこで仲良くなった。 　巳月はそのまま就職したけど、彼は何かのタイミングで辞めたんじゃないかな。 　以降もSNSで繋がってたり、LINEでやりとりしたりはしてる感じ。 ・どんなキャラなのか分からないので、まあセッション中に生えるだろうか？ 誕生日：7/3 【通過(登場)シナリオ】 ・ループ橋で何かが自分を待っているんです。 　→不定の狂気：強迫観念(よる夜中に徘徊するようになる)二か月間

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