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2015年芸術家ベース（職業P：EDU+DEX*10） ［雪天校舎で夢を見る］暴力衝動：6セッション ［暑と寒］後遺症：三ヶ月 ［口辱藪死科耽嘆舌♡］ ［いんむらる］ ［青夏心中］ ----- 手のひらに収まる電子の蓄音機は、自分とおなじ年に生まれたらしい。 空いた容量に収まる曲数を計算するたび、真洋は自分の寿命を数えているような気分になる。 作曲家の叔父がいた。母の弟であるその人は、甥である真洋のことを大層可愛がってくれていた。 友人も少なく、今と比べれば随分と内向的だった頃の真洋にとって、叔父の家は特別な場所だった。 ピアノの音が好きだった。音楽が好きだった。叔父の作る曲が好きだった。 けれども一番の理由は、外で駆け回ることよりも、家でゲームをすることよりも 親戚の家でピアノを弾いているほうが、なんだか大人びているように思えたからだったかもしれない。 小学三年生の頃、クラスで合唱コンクールの伴奏係に選ばれたとき 応援とお祝いを兼ねて譲り受けた中古の音楽プレイヤーが、勇者の剣のように誇らしく見えたのを覚えている。 作曲家としての叔父が大して売れているわけではないらしい、ということは、両親の会話からなんとなしに察していた。 だから、自分の部屋の賞状やトロフィーが増えるにつれて、叔父と疎遠になっていったのは無理もない話なのだ。 もう随分と叔父の家を訪れなくなって、いつしか彼が作曲家ではなくただのサラリーマンとして働いていると知って それでも真洋の心はあまり動かなかった。 勇者の剣を授けてくれた王様よりも、共に冒険をしてくれる親友のほうが、高校生になった真洋にとっては大切だったからだ。

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