タグ： 誰がロックを殺すのか

額月巴（ぬかづきともえ） 看護学科に通う20歳。家は代々病院を経営していて、いわゆる筋金入りのお嬢様。少々世間知らずで天然なところが目立つが、周りの人を大事にできるよい子である。しかし、ザ・ウィンドフォールズの熱狂的なファンで、彼らと自分が所属するバンドの作曲担当が書いたものしか音楽と認めないという、かなり頑固……というかこだわりの強い一面も。ベースは高校生になってから始めたためまだ拙いが、こつこつ真面目に練習を重ねているようだ。 「……音楽番組にTWFの皆様がご出演なさるの？まあ、どうしましょう……困ったわ……わたくし、彼ら以外の音楽を聴くのはちょっと……いろいろ大変なんです。そうだ、もしよろしければ、彼らの順番が来たらご連絡していただけないかしら？それから見ることにします！」 【インタビュー内容】 1.いつ頃から音楽を始めましたか。きっかけは何ですか。 「音楽の演奏を始めたのは高校生の頃からです。小学校・中学校とお母さまにはピアノをするよう強く勧められていたのですけれど、どうもクラシックにはなじめなくて……そのうち、お母さまもわたくしの頑固さに諦めてしまったようですね。きっかけは……やはり、ザ・ウィンドフォールズというバンドに出会ったからでしょうか。わたくし、彼らと、うちの薫美が書く曲だけが音楽として称賛されるべきだと思っておりますの。個人的に。薫美と出会ったのは高校生になって、軽音楽部に入ったときでしたので、音楽がやりたい！と思ったきっかけはやはりTWFですね。彼らの音楽を聴いて……わたくしもあのように『音楽』を作り上げてみたい！と思ったんです。……ふふ、すこし子供っぽくて、でも悪くない理由でしょう？」 2.担当楽器へのこだわりは何かありますか。 「実は、最初は特段希望していたわけではなかったんです。成り行きというか……楽器に触れるのは初めてでしたから、他のみなさまが先に決めた方がいいかしらと思ったんです。でも、今はなんとなくでベースを弾いているわけではありませんのよ。ベースの、見えにくいところでしっかり曲を支えているところが好きです。文字通り心を打つような低音が好きです。耳以外の器官を直接震わせるような、そんなベースが好きなんです。……もしかしたら、初めてTWFの姿を見て、その映像に感動したのも、ベースがわたくしの心を揺さぶっていたからなのかもしれませんね」 3.あなたにとって「ロック」とはなんですか。 「人生を切り開く手段のひとつ……でしょうか。わたくしはロックという音楽シーンで活躍するTWFに救われましたが、人間誰しもがそのように救われるとは思っておりません。ですから、この世に数限りなくある手段のひとつにすぎない、というようには思っております。……ですが、我々が演奏するロックとは、ただの音楽ではございません。心に直に触れ、そして揺さぶるようなものです。きっと多くの人々がわたくしどもの『ロック』を聞いて、なにかを感じ取ってくださるのでは、と考えております」

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