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遺書屋という一風変わった殺人鬼の片割れ。届人と呼ばれている。 コードネームをスズメと名乗っており、その名の通り小柄で無害そうな見た目をしている。すばしっこく隠密行動が得意なので、暗闇から現れて遺書を届けては瞬く間に消えてゆく。 性格は強気でツンデレ。感情が顔に出やすいタイプで何を思っているのかバレやすい。本人は抑えなきゃと思っているが、隠せていない。 医学に興味がある上相方が殺す側というのもあり、医学を独学で学んでいる。あくまで素人の域を越えられないが、人並み以上に理解している。手先が器用なので手当等が得意。 死体は見慣れているようだが自分が人を殺す事に対しては若干の抵抗感がある。その為ほとんどHO2に任せる事が多いが、やむを得ない時は自分が殺す。その日はあまり寝付けなかったりする。 裏社会を生きているのにも関わらずメンタルが一般人に近い為常識人的な言動が目立つ。ただ長年裏社会にいるからか半ば諦めているようだ。 スズメの両親はとても優しかった。良い両親と可愛い弟に囲まれて幸せな生活を送っていた。 しかしスズメが10歳になった時に父親が事故死した。運転手側の不注意による交通事故だった。母親はそれがきっかけで狂ってしまいギャンブルに手を染めるようになってしまう。借金が重なり母親は精神的に耐えられなくなったのかスズメが中学生の時に首を吊って自殺した。母親は自室の机に1枚の封筒を残していた。その中に入っていた紙には一言「棚の隅を調べなさい」と宛に書かれていた。棚の隅には鍵がしまってあり、母の机の引き出しの鍵だとスズメは理解した。引き出しの中には1冊の本がしまってあった。母親の日記だ。その中には自分や弟が生まれた時の様子や日々の取り留めもない事が書かれていた。震えるような文字で「小さくて可愛い私の宝物、大切に育てるからね、愛してる」と書かれていた。今思えばあれは母親なりの遺書だったのだろう。 中学生にして両親を失ったスズメは借金の貸出元である組織に拾われる。そこで夜な夜な暗殺者として働かされていた。それが借金代わりの条件だという。中学を卒業した後は高校には行かず、組織の仕事と掛け持ちでバイトも複数入れた。 借金の額も無事返済し17歳になったある日、組織のボスを殺した。自分でもなぜそのような行動を取ったのか覚えていない。周りにいた人に殺される、そう思った瞬間あたりは血で染った。気が付いた頃には茶髪の青年が周りの人間を全員殺していた。青年は話が通じる人間で、何事もなかったかのようにを返してくれた。 数日後、謎の宛先から多額の金が振り込まれ生活費にして欲しいと手紙が届いた。あの青年の目上の人にとって邪魔だったボスを倒してくれたお礼だと。スズメは初めこそ不審に思ったが生活が苦しいのは確かなので有難く受け取る事にした。 組織を抜けたからとはいえ、長い間犯罪に手を染めてしまった以上元の生活になど戻れるはずもなく、途方にくれていた時にHO2と出会う。はじめはお互いの為協力関係を結んだが、次第に相棒と言う意識が強くなっていった。 今は弟と二人暮しをしており、弟をまともな道へ進めるようにバイトを複数人掛け持ちしながらも夜な夜な遺書屋として活動している。弟には仕事が忙しいと理由を付けているが、内心バレないかとヒヤヒヤしている。高校には通っていないものの弟の教科書などを見て少しづつ学んでいる。 HO別事前情報バレ注意！ HO2に対しては初めこそあくまで協力関係、仕事仲間として接していたが活動をしていくうちにどんどんHO2という存在自体を大切に想う様になった。友達以上恋人未満のような感情。 殺しを行うHO2がたまにケガして帰ってくると凄く心配に思うし、極力力になってあげたいとも思っている。しかし、素直に伝えるのはなんだか照れくさくて未だに言い出せていない。 母が残した遺書がずっと記憶に残っており、死ぬ時に今まで伝えられなかった事を伝えられるという手段は案外気に入っている。自分も長年この世界にいる為いつ死んでもおかしくない立場だと理解しており、弟への遺書のような物は母の様に日記として残しているが相棒であるHO2に対しての遺書だけはどうも書き起す事が出来ない。それは相方と離れなくないと思ってしまっているからなのだろうか。遺書を書くと言う事はその人と離れる決意がないと出来ない、しかし書けないという事は自分にはまだ決意がないのだろうと思い、日々構想だけは練っている。 「こんばんわ…………あら、ご存知？遺書屋の届人だけれど。貴方宛ての手紙、……遺書を届けに来たわ」 「はいはい、そういうのはいいからさっさと仕事しなさい。アタシだって暇じゃないのよ？」 「アタシは遺書って嫌いじゃないわ。これがその人の最後の言の葉になるんだから」 「っ……………ごめ、なさい……。やっぱり、アタシに人殺しは…………………」 本名:朱雀井 恵(すざくい めぐみ)

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